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下川のきょういく取組事例~クラブ活動(森歩き)

下川のきょういく取組事例~クラブ活動(森歩き)

下川町の「2030年における下川町のありたい姿(下川版SDGs)」のビジョンのひとつとして、教育や子育てに関連する「子どもたちの笑顔と未来世代の幸せを育むまち」というビジョンがあります。このビジョンをさらに具現化するために下川町では子どもを育む地域の姿として「地域共育ビジョン」を掲げて、日々様々な取組みを進めています。今回はたくさんある「共育」の取組みの中から「クラブ活動」に同行させていただき講師を担当されている藤原佑輔さんにお話を伺いました。

今回は下川町の小学校のクラブ活動を取材しました。
その中の一つである森歩きの講師を務めた藤原 佑輔さん。
普段は“のらねこ屋”として森歩きはもちろん、森の精油づくり、コケリウムづくりなど、様々な活動をされています。

子ども達に森の良さを伝える“のらねこ屋”の活動とは・・・?

今回はご自身の活動や子供たちへの想いについてお話を伺いました!

藤原さんの活動の詳細はこちら↓
https://sites.google.com/view/noranekoya/?pli=1


お仕事は何でも屋!

(編集部)
今日はよろしくお願いします!
さっそくですが、普段はどのようなお仕事をされているんですか?

(藤原)
えーっとですね、一応何でも屋になっちゃうんですけど、“のらねこ屋”って名前でガイドをしたり木工をやったり、あとは謎解き作りとか、色々頼まれて自分ができることであれば何でもやっています。農家さんのバイトとかもやったりもしますし。

(編集部)
あ~!noteを見たら謎解きのやられてましたよね。あの問題作りをされていたんですね!
https://shimokawa-town.note.jp/n/n5d655339d130?magazine_key=meb7b030dde41

(藤原)
あ~そうです!下川町で謎解きって意外かもしれませんが笑、町の商店街や、学校のレクレーションの一環として依頼いただくこともあります。

森の楽しさを子供たちに伝えたい

(編集部)
下川町に来る前はどちらで働かれてたんですか?

(藤原)
道庁職員だったのですが、NPO法人で働きたい思うようになり、そのタイミングで下川町に来て「森の生活」というNPO法人で働いていました。2年前に退職して、現在はフリーで活動しながら、案件があれば引き続き森の生活のお仕事はやらせてもらっています。

(編集部)
下川町のクラブ活動は、地域の大人が講師となって、自分の専門分野や得意なコトを子供たちに体験してもらうという趣旨になるのでしょうか?

(藤原)
そうですね。流れとしては、まず教育委員会から「こんなことできませんか?」という依頼をいただき、自分でもできそうだと思ったら引き受けて具体的に何をやったら良いかを企画します。私の場合先きほど紹介したNPO法人「森の生活」の仕事として森林環境教育を担当していたので今日のような類似業務はたくさんやってきたと思います。


(編集部)
では今回の森の散策は、まさに得意分野ですね。

(藤原)
森の中で実施する点は同じなのですが、森の生活の時はもうちょっと授業に沿った内容でした。例えば、国語の勉強との一環として実施したり。

(編集部)
え、国語??例えばどんな内容ですか?

(藤原)
オノマトペの勉強のときに、子どもたちが森の中から“ふわふわ”なもの探して持ってきたり。今日の内容は森の中を散歩することをメインとして内容を組み立てています。

(編集部)
森の中を散歩中に、何か発見とか気づきがあればみんなで共有し合うとか。例えばリスがいたよ!とか、そんなイメージですか?

(藤原)
そうですね、私からも気付きがあれば伝えることもありますし、逆に子供たちから質問があれば適宜その場で回答します。でも事前にあえて情報や知識を詰め込むことはせずに、子供たちには自由に歩いてもらって、自然な流れで森に興味を持ってもらえると嬉しいなと思っています。

(編集部)
ちなみに、今回参加してくれている子供たちは初めて会うのですか?

(藤原)
私が3年前までは森林環境教育を担当していたのですが、その時幼稚園児だった子もいますし、私の家の近所の子もいます。下川町って面積は東京23区並みなんですけど人口は3000人程しかいないので知り合い率は高めですね笑。

(編集部)
確かに笑。ただ森に囲まれた美しい景観なのは強みですよね。道内でもなかなかお見かけしないロケーションだと思うのですが、やはり下川町の子供たちって普段から森の中で良く遊んでいるのですか?

(藤原)
おっしゃる通り下川町の面積の約9割を木が占めているのですが、町の子供たちが森に入る回数はおそらく一年で一回行くかいかないかだと思います。

(編集部)
え、そうなんですか?それは意外ですね。

(藤原)
森の中には、当然マダニとか熊とか蜂というリスクもありますし、近所の公園に遊びに行く感覚では行けないと思います。今回のように大人がしっかりサポートできればもちろん大丈夫なのですが。
むしろ移住してきた大人は積極的に森の楽しまれている印象です。今回のクラブ活動をきっかけに、子供たちに森って楽しい場所だと感じてもらえると嬉しいです。

NPO法人で働きたかった理由とは


(編集部)
なぜ公務員をやめてNPO法人で働こうと思ったのですか?

(藤原)
私が公務員を志したときは、各地域の皆さんの取り組みを直接サポートしたい、という思いがあったのですが、実際に道庁で担当していた仕事は規模の大きなプロジェクトが多く、それはそれでやり甲斐があったのですが、公務員を志していたときの思いとの乖離を感じるようになり、本当に自分がやりたいことを改めて考えた時に、
NPO法人として最前線で実際取り組んでる世界にいった方が自分には合っているかな?と思い決断しました。

(編集部)
他にも選択肢になる自治体はあったと思うのですがなぜ下川町を選んだのですか?

(藤原)
実は全国で色々NPO法人を調べていたのですが、下川町で、自然を生かしたまちづくりをしているNPO法人があることを知りました。それが私が在籍していた「森の生活」なのですが、そのタイミングでたまたま求人があったので、勝手にご縁を感じて応募しました笑。

(編集部)
実際に下川町に移住してみてどんな感想ですか?

(藤原)
趣味でボードゲームにハマっているのですが、下川町にもボードゲームをやってる人たちがいて、早速友達がたくさんできました笑。ゲームに限らずですが、下川町には気立ての良い人が多く、コミュニティが作りやすいのが魅力だと思います。見ず知らずの町に移住して、知り合いができなかったらかなり辛いですよね。
先日も陶芸サークルに誘っていただいたので、早速入会して陶芸も始めました笑。

(編集部)
すごい多趣味な人になってきていますね。楽しそう!
なんか人生、180度変わりましたね。

(藤原)
はい。もちろん下川町ならきっとこうなるだろうと予測してきたのですが、自分が思っていた以上に充実した毎日を過ごしています。

森林教育だけではなく子供たちの居場所を作る


(編集部)
藤原さんって、アクティブで、なんでも器用にこなす印象なのですが、ちなみに幼少期はどのような子供でしたか?

(藤原)
自分で「遊び」を作るのが好きな子供でした。思い起こせば、兄弟や友達とボードゲーム作ってましたね。あとは、謎解きを自作して、宝探しをやったり笑。宝の地図描いたりとか、森に行って秘密基地も作ってました。

(編集部)
それはすごい!遊び作りのクリエイターですね!
ボードゲームの企画とか、謎解きのストーリー作りって、自分で「課題」を設定して、その「解決」を試みるものだと思うのですが、それって現在のクラブ活動のコンテンツ作りにも通じるものがありますよね?

(藤原)
まさに、そうだと思います。似てますね。例えば子供たち森を歩くとして、その行程を企画する時にも、子供たちが知りたいこと、困っていることもそうですし、何かしらの課題を思い浮かべて、少しでもその解決につながればいいなと思いながら企画しています。もちろん全ての解決策になっているわけではないですが、一つでも二つでも子供たちの役に立てるように意識しています。きっと、「問題解決」って、ゲームでも、謎解きでも、教育でも、その解決方法のコツみたいなものは通じる部分があるような気もしますね。

(編集部)
今後のクラブ活動でやってみたいことや、こだわりたいことは何かありますか?

(藤原)
子供たちには、理屈ではなく、実際に大人が一緒にやってみせあげることで、「日常を楽しむ方法」を伝えていきたいです。そのためには子供も大人も気軽に集うことができるコミュニティが必要なので、クラブ活動がその一端になればいいですね。子供たちが日常を楽しめるコミュニティができれば、そこは子供の居場所にもなるので、引きこもりがちな子供でも、参加したくなるような魅力が作れるのでは?と期待しています。

(編集部)
本日はありがとうございました。


北海道には食や観光だけではなく、毎日の暮らしの中にも自慢したい「魅力」がたくさんあります。今回は下川町独自の教育に関する取り組みについてたくさんの方に知っていただきたくシリーズで紹介しています。


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この記事を書いたモウラー

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