北海道東川町では、アイヌ民族をテーマにした映画「カムイのうた」を制作し2023年11月23日に公開しました。
映画を通して、世界へ誇れる北海道の先住文化を広く伝えるだけではなく、
差別のない持続的な社会の構築を目指しているとのこと。
MouLa HOKKAIDOでは様々なカルチャーシーンで活躍するアイヌ民族の人々にフォーカスし、
その人となりや活動の様子を紹介することで、
本映画のモデルでもある「知里幸恵さん」が後世に受け継いだ
アイデンティティについても掘り下げてみたいと思います。
CREDIT
監督・脚本 菅原 浩志
「ぼくらの七⽇間戦争」「写真甲子園0.5秒の夏」
「早咲きの花」「ほたるの星」「北の残照」「ヌプリコロカムイノミ」
プロデューサー 作間 清子
撮影 上野 彰吾
美術 長 寿恵
編集 時任 賢三
助監督 桑原 昌英
製作協力:写真文化首都「写真の町」北海道東川町
映画「カムイのうた」
INTRODUCTION
全てに神が宿ると信じ、北海道の厳しくも豊かな自然と共存してきたアイヌ民族。その生活も文化も和人が入って来た事で奪われてしまいました。
生活の糧であった狩猟・サケ漁が禁止され、住んでいた土地が奪われ、アイヌ語が禁止された差別と迫害の日々。
1903年に生まれた知里幸恵さんも差別の中で生きた少女でした。成績優秀にもかかわらず、アイヌだからという理由で希望する学校への進学が許されず、差別を受け苛められたのでした。
彼女は幼い時からユカラ(詩物語)を聞いて育ち、アイヌ語学者金田一京助教授から勧められ、文字を持たないアイヌ文化を初めて日本語に訳したのでした。
それは、失いつつあったアイヌ文化の文字での継承であり、アイヌ民族に自信と誇りを与えるものでした。
知里幸恵さんをモデルとした本映画を通じて、北海道の開拓に多く貢献し、差別と迫害と戦い続けてきたアイヌ民族の事を少しでも理解していただき、苛めと差別のない共生社会となり、未来に向かって日本中、そして世界中に融和な社会が拡がることを切に願い、本映画を製作するものであります。
『カムイのうた』監督 菅原 浩志