北海道東川町では、アイヌ民族をテーマにした映画「カムイのうた」を制作し2023年11月23日に公開しました。
映画を通して、世界へ誇れる北海道の先住文化を広く伝えるだけではなく、
差別のない持続的な社会の構築を目指しているとのこと。
MouLa HOKKAIDOでは様々なカルチャーシーンで活躍するアイヌ民族の人々にフォーカスし、
その人となりや活動の様子を紹介することで、
本映画のモデルでもある「知里幸恵さん」が後世に受け継いだ
アイデンティティについても掘り下げてみたいと思います。
CREDIT
監督・脚本 菅原 浩志
「ぼくらの七⽇間戦争」「写真甲子園0.5秒の夏」
「早咲きの花」「ほたるの星」「北の残照」「ヌプリコロカムイノミ」
プロデューサー 作間 清子
撮影 上野 彰吾
美術 長 寿恵
編集 時任 賢三
助監督 桑原 昌英
製作協力:写真文化首都「写真の町」北海道東川町
映画「カムイのうた」
INTRODUCTION
全てに神が宿ると信じ、北海道の厳しくも豊かな自然と共存してきたアイヌ民族。その生活も文化も和人が入って来た事で奪われてしまいました。
生活の糧であった狩猟・サケ漁が禁止され、住んでいた土地が奪われ、アイヌ語が禁止された差別と迫害の日々。
1903年に生まれた知里幸恵さんも差別の中で生きた少女でした。成績優秀にもかかわらず、アイヌだからという理由で希望する学校への進学が許されず、差別を受け苛められたのでした。
彼女は幼い時からユカラ(詩物語)を聞いて育ち、アイヌ語学者金田一京助教授から勧められ、文字を持たないアイヌ文化を初めて日本語に訳したのでした。
それは、失いつつあったアイヌ文化の文字での継承であり、アイヌ民族に自信と誇りを与えるものでした。
知里幸恵さんをモデルとした本映画を通じて、北海道の開拓に多く貢献し、差別と迫害と戦い続けてきたアイヌ民族の事を少しでも理解していただき、苛めと差別のない共生社会となり、未来に向かって日本中、そして世界中に融和な社会が拡がることを切に願い、本映画を製作するものであります。
『カムイのうた』監督 菅原 浩志
【予告編】映画『カムイのうた』
制作発表会
第1弾映像
主題歌MV 島田歌穂
メイキング・撮影対談(上野彰吾×大塚友記憲)
メイキング映像/藤村久和編
メイキング映像/加藤雅也編
メイキング映像/清水美砂編
メイキング映像/島田歌穂編
メイキング映像/望月歩編
メイキング映像/吉田美月喜編
この映画で伝えたい想い
19歳という若さで亡くなった、知里幸恵さんの力強さとその生きざまを通して、アイヌ文化という世界に誇れる文化の存在を改めて多くの人に知っていただきたい。特にこれから社会を担う子ども達や若い人たちが、文化や価値観の多様性とその重要さに改めて向き合う機会になるならそんな嬉しいことはありません。この映画が、国内外の次世代が、更なる次世代への多文化共生社会継承のきっかけになることを祈っています。最後に、ロケ地として東川町の旭岳を中心とした大雪山の自然の美しさ、カムイミンタラ〜神々の遊ぶ庭〜という日本遺産の素晴らしさもご覧いただけますのでぜひそちらもお楽しみください。
PROFILE
プロフィール
-
映画監督・脚本家菅原 浩志 -
女優・モデル吉田 美月喜 -
川村カ子トアイヌ記念館副館長川村 久恵 -
アイヌ文様刺繍サークル岡田 育子
フッチコラチ代表 -
知里幸恵 銀のしずく記念館館長木原 仁美 -
アイヌ民族デザイナー貝澤 珠美 -
木彫師貝澤 徹 -
アイヌ工芸家貝澤 守 -
アイヌ語講師関根 健司 -
大雪山自然学校代表理事荒井 一洋 -
伊澤民芸代表伊澤 修一 -
アイヌ文化継承者関根 摩耶 -
阿寒アイヌ民族文化保存会会長松田 健治 -
シンガーソングライター加藤 登紀子 -
一般社団法人阿寒アイヌコンサルン理事長廣野 洋 -
北海道アイヌ協会理事結城 幸司 -
札幌大学企画部学術支援課岡田 勇樹 -
札幌大学ウレㇱパクラブ学生代表岸 愛香 -
札幌大学ウレㇱパクラブ学生代表結城 泰 -
北日本文化研究所代表藤村 久和 -
北海道大学名誉教授小野 有五 -
札幌大学教授本田 優子 -
(公財)アイヌ民族文化財団佐藤 花耶 -
株式会社平取町アイヌ文化振興公社原田啓介・梨乃
Profile
映画監督・脚本家
菅原 浩志
北海道札幌市出身。映画監督・脚本家。UCLA芸術学部映画テレビ学科で映画製作・演出を学び、クームルーデ賞(優秀賞)を受賞し卒業する。
帰国後「里見八犬伝」や「天国にいちばん近い島」などのプロデューサーを経て、1988年「ぼくらの七日間戦争」で監督デビュー。ブルーリボン作品賞、くまもと映画祭監督賞を受賞し、「日本映画100本」の一本に選ばれる。
監督作品に「That’s カンニング!」「ときめきメモリアル」「マグニチュード」「ドリームメーカー」「DRUG」「ほたるの星」「早咲きの花」「写真甲子園 0.5秒の夏」他多数。2004年より周南公立大学客員教授。
Profile
女優・モデル
吉田 美月喜
2003年生まれ。東京都出身。女優。2017年にスカウトされ芸能界デビュー。
初めて受けたオーディションで大手企業CMに抜擢。その後、日本テレビ「シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。」(2020年)、Netflixドラマ「今際の国のアリス」(2020年)、日曜劇場「ドラゴン桜」(2021年)などの話題作に立て続けに出演。22年には舞台「エゴ・サーチ」でメイン出演、映画「メイヘムガールズ」では主演を演じる。
今年は主演映画「あつい胸さわぎ」の公開、日本テレビ「沼る。港区女子高生」にてメイン出演をし、夏には映画「パラダイス/半島」」の公開を控えている。
Profile
川村カ子トアイヌ記念館副館長
川村 久恵
東京都出身。川村カ子トアイヌ記念館副館長、ピリカ ウレシカの会代表、旭川アイヌ協議会会長、旭川チカップニアイヌ民族文化保存会会長。大学生の頃にアイヌ文化に出会い結婚を機に旭川市に移住。2000年頃から本格的に伝承活動を始める。
アイヌ記念館を生活拠点に、日々アイヌ文化に触れながら、観光客やアイヌ文化を学ぶために訪問した方にムックルの製作・演奏、アイヌ刺繍、アイヌ紋様切り紙体験などを通して日々伝承活動に注力する。100年以上の歴史を持つアイヌ民族の川村カ子(ネ)トアイヌ記念館は「旭川のアイヌに特化した特色ある記念館」を目指し、2023年7月にリニューアルオープンを迎える。
Profile
アイヌ文様刺繍サークルフッチコラチ代表
岡田 育子
35年間もの長きにわたりアイヌ伝統文化の知識・技能を習熟し、北海道アイヌ伝統工芸展における優秀賞をはじめ、数多くの受賞歴を持つ。
平成9年「アイヌ文様刺繍の基本技法を学び、日常生活で用いられる作品を製作し、いつでも、どこでもアイヌ文様に触れられるようにすることで、アイヌ文様が生活の一部になってもらいたい」との思いから、アイヌ文様刺繍サークル「フッチコラチ」を立ち上げる。
白老アイヌ協会の女性会員有志とともにアイヌ文様刺繍の勉強会を開催するなど、向上心も高く、後進の指導にも熱心に取り組む貴重なアイヌ文化伝承者である。
Profile
知里幸恵 銀のしずく記念館館長
木原 仁美
1974年生まれ。千葉県佐倉市在住。
知里幸恵の功績を伝える「銀のしずく記念館館」(登別)の設立に尽力した、幸恵のめい・故横山むつみさん(永世館長)の長女。東京・アイヌ文化交流センター所長代理と兼任で2022年5月から記念館館長に就任。
Profile
アイヌ民族デザイナー
貝澤 珠美
1974年生まれ。平取町二風谷出身。
北海道造形デザイン専門学校インテリア学科卒業後、アイヌ民族の伝統的な技法を生かしたデザインで97年に『TAMAMIブランド』設立。2008年の北海道洞爺湖サミットでは各国首脳に贈るアイヌ文様の風呂敷を製作。その他新千歳空港国際線ラウンジに飾られた作品『Konru(氷)』など作品多数。2015年のイタリア・ミラノ万博ではアイヌ文化のステージ演出を手がけるなど国内外で活躍している。
札幌市内でアイヌアートデザイン教室を開催。
Profile
木彫師
貝澤 徹
1958年、二風谷に生まれ、工芸家の父(勉)やその仲間の職人に囲まれて育つ。
曾祖父の貝澤ウトレントクは、明治時代に名工といわれた二人のうちの一人。その曾祖父から引き継ぐ伝統を重視しながら、そこに独自の感性と技術をとけ込ませ、自分らしさやメッセージを表現する、独創的なアイヌアートに精力的に取り組んでいる。ふと気づいたことを題材に作品を創作。代表作「UKOUKU(ウコウク)/輪唱」は、昔のアイヌ民族の入れ墨をした女性の手の写真から発想し、世代交代しながら文化が受け継がれるというメッセージをこめて創り上げた。
北海道アイヌ伝統工芸展北海道知事賞ほか受賞多数。「北の工房 つとむ」店主。
Profile
アイヌ工芸家
貝澤 守
幼少時代より、木彫職人であった父・守幸(1977年没)の彫刻を見て育った。12歳のとき父が亡くなり、高校卒業後は一時期札幌で暮らしたが、ふるさとへ戻り21歳から工芸作品を作り続けている。
二風谷のイタ(盆)には、先人の味わい深い技が生き残っていると、その伝承に努めながら、独自の作品づくりに力を注いでいる。特に、ラムラムノカ(ウロコの文様)は、ノミを木に対して鋭角に入れることで陰影を出す、繊細で美しい彫り込みが特徴だ。アイヌ文様を施した革製品、鹿角を彫り込んだフクロウのストラップやペンダントも人気。
2010年に、国土緑化推進機構のコンクール・森の伝承・文化部門で「森の名手・名人」に全国で80人、道内でただ一人選ばれたアイヌ伝統工芸作家である。「貝沢民芸」店主。
Profile
アイヌ語講師
関根 健司
兵庫県生まれ。1998年より平取町二風谷在住。
2005年ごろに、二風谷の親子アイヌ語教室に娘と一緒に行き始めたのを機に、その後、研究者やお年寄りなどから本格的にアイヌ語を学び続ける。今では「平取アイヌ語教室・子どもの部」の講師をはじめ、北海道各地の学校でもアイヌ語を教えるなど、講師としての経験も豊富。また、ニュージーランドのマオリ民族の言葉の習得方法に倣った「テ・アタアランギ」をアイヌ語に取り入れ、二風谷でアイヌ語の合宿を開くなど、グローバルな視点でも、アイヌ語の復活・普及に取り組んでいる。
映画・テレビ・漫画・出版物など、アイヌ語翻訳や監修が出来る貴重な人材として、各方面から声がかかり、年間を通じてアイヌ語に関する仕事に携わる。
Profile
大雪山自然学校代表理事
荒井 一洋
1977年生まれ。北海道札幌市出身。Lincoln University(NZ)にて国立公園管理を専攻。
2000年に東川町へ移住し大雪山自然学校を設立。エコツアーや森のようちえんを運営するとともに、大雪山国立公園・旭岳にて自然保護業務を受託し「利用者による環境保全の仕組みづくり」に取り組んでいる。Asian Ecotourism Network理事として、GSTC(サステイナブルツーリズム推進協議会)公認トレーナーとなり、持続可能な観光の日本での普及に努める。趣味は、自転車とスローフードと小さな焚き火。
Profile
伊澤民芸代表
伊澤 修一
上川アイヌ協会。木彫作家である父親の後ろ姿を見て木彫の技術を習得する。2013年には映画『許されざる者』に出演するなど幅広く活動。現在は上川町「北の森ガーデン」(2021年10月閉業)に併設するチセをアトリエに日々木彫作りに励んでいる。
Profile
アイヌ文化継承者
関根 摩耶
1999年、平取町二風谷で生まれ、アイヌ語教師の父(健司)や工芸家の母(真紀)、伝統織物の継承者である祖母に囲まれて育つ。
2018年4月より始まった道南バスのアイヌ語アナウンスやSTVラジオ「アイヌ語ラジオ講座」のパーソナリティなどを務める。ACジャパン北海道地域CM出演や、各種教育機関で非常勤講師、またYouTubeチャンネル「しとちゃんねる」を運営するなど、様々なかたちでアイヌ文化やアイヌ語の発信をしている。
Profile
阿寒アイヌ民族文化保存会会長
松田 健治
1954年白糠町生まれ。幼少期を白糠で過ごした後札幌で就職。その後阿寒に移り、家業の民芸店で働き始める。
平成4年、阿寒アイヌコタンに飲食店「北国の味 ばんや」を開業。阿寒アイヌ民族文化保存会会長として、アイヌ文化を世界に紹介するなど、長きに渡りアイヌ文化の振興・普及活動に従事する。
Profile
シンガーソングライター
加藤 登紀子
1943年ハルビン生まれ。東京大学在学中に第2回日本アマチュアシャンソンコンクールに優勝し歌手デビュー。1966年「赤い風船」でレコード大賞新人賞、1969年「ひとり寝の子守唄」、1971年「知床旅情」ではミリオンセラーとなりレコード大賞歌唱賞受賞。以後、80枚以上のアルバムと多くのヒット曲を世に送り出す。
私生活では1972年、学生運動で実刑判決を受け獄中にいた藤本敏夫と結婚し長女を出産。現在 子3人、孫7人。次女Yaeは歌手。
Profile
一般社団法人阿寒アイヌコンサルン理事長
廣野 洋
1964年生まれ。釧路市出身。
転職をきっかけに21歳で東京に移り2010年に阿寒湖に移住する。阿寒アイヌ工芸協同組合でアイヌ舞踊の踊り子などを経験したのち、一般社団法人阿寒アイヌコンサルンを立ち上げる。アイヌ文化を知的財産として正しく普及させることを目的に様々な活動を展開する。
Profile
北海道アイヌ協会理事
結城 幸司
1964年、釧路市生まれ。2006年から札幌市南区在住。
版画や木彫を中心に現代アートの制作活動を行う。東京で約10年間のサラリーマン生活を経て、ネイティブアメリカンの本に出会ったことをきっかけに、アイヌ活動家だった父・結城庄司の本を読むようになり、創作活動を始める。現在はアイヌアートプロジェクトの代表も務め音楽活動も行う。
Profile
札幌大学企画部学術支援課
岡田 勇樹
苫小牧市出身。苫小牧駒澤大(現北洋大学)を卒業後一般企業に就職する。
2010年に札幌大学で、全国初のアイヌ民族対象の奨学金制度ができることを知り、改めて「自分の出自とじっくり向き合ってみたい」との思いが高まり、33歳で札幌大学に入学し第1期の奨学生になる。1期生としてウレㇱパクラブに入り4年間、アイヌの言葉や文化を学ぶ。
現在は札幌大学で職員として働きながら、アイヌ文化の若き担い手を育てる活動を続けるウレㇱパクラブの専任担当職員としても活動している。北海道大学の博士課程にも通っている。
Profile
札幌大学ウレㇱパクラブ学生代表
岸 愛香
札幌出身。小学生の頃、授業でアイヌ文化について触れたのをきっかけに考え方や精神文化に興味を持ち始める。
札幌大学ウレㇱパクラブ 第12期生として入学。歴史文化専攻に所属する現在3年生。学生代表として、知里幸恵(1903~22年)の生誕120年、「アイヌ神謡集」刊行から100年を記念した「知里幸恵フォーラム'23」に参加。
Profile
札幌大学ウレㇱパクラブ学生代表
結城 泰
札幌市出身。北海道アイヌ協会理事の父(幸司)と共に幼い頃からアイヌに関するイベントに参加してきた。
高校3年生の頃に自身のルーツでもあるアイヌ文化について学びたいと考えるようになり兄も在学していた札幌大学ウレㇱパクラブ 第11期生として入学。現在4年生。学生代表として、知里幸恵(1903~22年)の生誕120年、「アイヌ神謡集」刊行から100年を記念した「知里幸恵フォーラム'23」に参加。
Profile
北日本文化研究所代表
藤村 久和
小学校の教諭、北海道開拓記念館研究員を経て、1984年(昭和59年)に北海学園大学教養部、後に同人文学部教授、2013年現職に就く。
アイヌ民俗学全般を研究領域とし、精神文化、口承文芸、民族医療、整体儀礼等の文化研究、文化保全に関する自然との共存に関する研究の他、古老からの聞き取り作業や近年は食事文化からみた食育等も研究している。
Profile
北海道大学名誉教授
小野 有五
1948年、東京生まれ。
小学校では昆虫少年。中学校時代に山と化石のおもしろさを知り、大学では地質学を専攻。氷河を研究し、地球環境の変化を日高山脈やヒマラヤで研究。1986年から北海道大学で教え、自然保護をめざした市民活動も始める。
若い人に自然の大切さ、ひとりひとりの個性の大切さを知ってほしいと思い、「自然をみつける物語」全4巻(岩波書店)を書き、1996年、第44回産経児童出版文化賞を受賞。地形学的研究による北海道の自然保護への貢献により、2001年、第1回 沼田 眞賞(日本自然保護協会)を受賞。千歳川放水路計画を中止させ、6か所の遊水地の造成を提案、実現させたことで、2022年、国際地理学連合(IGU)「顕著な地理学的貢献賞」を日本人として初めて受賞。
Profile
札幌大学教授
本田 優子
石川県金沢市生まれ。
北海道大学卒業後、アイヌ民族でアイヌ文化研究者の故萱野茂氏の助手として、平取町二風谷(にぶたに)に移り住みアイヌ語を学びながら過ごす。2005年、札幌大学に奉職。アイヌ文化の担い手を育成する「ウレㇱパ・プロジェクト」を立ち上げ、アイヌの学生に対する奨学金制度を学内に創設。同時にアイヌ民族の学生と和人の学生が一緒にアイヌ文化を学ぶ「ウレㇱパクラブ」を結成。
専門分野は、アイヌ文化、アイヌ史、アイヌ語。著書・著作に、『伝承から探るアイヌの歴史』(本田優子編)、『二つの風の谷 ―アイヌコタンでの日々―』(本田優子著)など。
Profile
(公財)アイヌ民族文化財団
佐藤 花耶
1999年生まれ。高校まで白老で育つ。
高校で卒業後の進路に迷っていたときに、地元の先輩や知人からウレㇱパクラブの話を聞くなかで、自然と興味がわきウレㇱパクラブを目指し札幌大学に進学する。
大学卒業後は(公財)アイヌ民族文化財団に就職し、伝統芸能課の職員として日々ウポポイにて舞踊を担当。踊りだけではなく広くアイヌ文化を学び、発信できることを目指し日々奮闘中。
Profile
株式会社平取町アイヌ文化振興公社
原田啓介・梨乃
原田啓介
1996年、札幌生まれ。高校生の頃にウレㇱパクラブの存在を知り札幌大学に進学する。大学一年生の頃に、アイヌ語地名を学んだことをきっかけにアイヌ語に興味をいただくようになる。大学卒業後は平取町二風谷に移り、平取町アイヌ文化振興公社に勤務。アイヌ文化伝承のための業務を担当する。
原田梨乃
1997年、平取町生まれ。大学4年間以外は平取町二風谷で過ごす。高校3年生の進路を決めるギリギリまで保育士を目指していたが、ウレㇱパクラブを知ったことがきっかけで札幌大学進学を決意する。就職を機に地元二風谷に戻り、現在は平取町アイヌ文化振興公社に勤務。アイヌ語、木彫、踊り、歌などオールマイティにアイヌ文化について学ぶ。
MESSAGE
映画「カムイのうた」の制作応援メッセージ
公益社団法人北海道アイヌ協会
北海道と命名され150数年を経て、ようやくアイヌ民族が「先住民族」と認知される時代を迎えました。こうした中で知里幸恵没後100年を偲ぶ映画「カムイのうた」が東川町の主宰で製作されることを心から歓迎いたします。アイヌ民族は長年にわたりこの広い大地で生活を営み、伝統文化を語り継いできました。明治政府の同化政策により貧困にあえぎ差別や偏見に苦しむ中において、知里幸恵は金田一京助との出会いを機に世界に誇れるアイヌの神謡を文字に起こし伝えるという大きな功績を残しました。本編はフィクションとはいえ、知里幸恵の思いやアイヌの世界観が込められている作品ですので、多くの皆様の心に届きますことを願っております。
公益社団法人北海道アイヌ協会
理事長
大川 勝
北海道経済連合会
東川町が企画された映画「カムイのうた」が、菅原浩志監督の下で、ALL北海道を撮影場所とし鋭意制作されていること、心より歓迎し、応援いたします。苦難にさらされたアイヌ民族、そしてアイヌ文化の豊かさと尊さを、史実に基づき北海道の雄大な自然を舞台に、多くの国内外の方々に深く理解される作品として描き上げられることを期待しております。また、東川町は、2020年「共生・共和・共栄のまちづくり」を目指すと宣言されました。この映画が、「多様性を認める平和で平等な社会」づくりの一助となることを願っています。
北海道経済連合会
会長
真弓 明彦
ホクレン農業協同組合連合会
豊かな自然に囲まれた北海道。開拓から150余年、先人たちは時に厳しい環境の中でも互いに協力しながら順応し、共生してきました。私たちは今、平和な日本で令和の時代に生きています。ここに至るまで、いわれのない差別などと戦い、共生に向け多大な努力を重ねられた先人達のご苦労はいかばかりであったかと察します。そのご苦労と功績の一端を発信する企画に大いに期待しています。ホクレンも共生の大地北海道から農と食の未来を担うことを経営理念としています。共生の大地北海道から世界へ向けた発信の成功を祈念いたします。
ホクレン農業協同組合連合会
代表理事会長
篠原 末治
公益社団法人 北海道観光振興機構
今回、日本の先住民族であるアイヌの方々の歴史や文化についての映画が東川町を中心に北海道内で制作されることを、大変喜ばしく思います。2019年にアイヌ施策推進法が成立し、アイヌの方々が民族としての名誉と尊厳を保持し、これを次世代に継承していくための幅広い施策がすすめられています。また、2023年9月には「アドベンチャートラベルワールドサミット」が北海道で開催される予定で、アイヌ文化をはじめ北海道の歴史や文化を世界に発信する貴重な機会となります。この映画が、より多くの人々に北海道の先住文化や自然の魅力を感じてもらう契機になることを心より祈念申し上げます。
公益社団法人 北海道観光振興機構
会長
小金澤 健司
株式会社北海道新聞社
知里幸恵没後100年に合わせて、映画「カムイのうた」を企画された東川町の英断と、コロナ禍を乗り越えて制作に当たられたスタッフの皆さんのご努力に敬意を表します。北海道新聞社は、知里幸恵の業績を広める活動をしている登別市のNPO法人知里森舎に2022年度の北海道新聞文化賞を贈呈したところです。アイヌ民族として過酷な運命をたどりながらも、自分たち民族の証しであるアイヌ語とそれが紡ぐ物語を後世に伝えようとした彼女の思いを多くの人に知っていただきたいと思います。この映画を、北海道を愛する多くの皆さんにご覧いただけるよう、地元メディアとして応援していきます。
株式会社北海道新聞社
代表取締役社長
宮口 宏夫
ほくでんグループ
国内外の次世代、更なる次世代に多文化共生社会を継承する機会を提供するため、東川町が映画「カムイのうた」を制作されていることに深く敬意を表します。映画の撮影に使われた「アイヌ文化の森 伝承のコタン」の伝統的家屋(チセ)の建て替え作業には、ほくでんグループ社員もボランティアとして参加し、アイヌ文化の尊さに触れる貴重な体験をさせていただきました。本映画を通じて、旭岳を中心とした大雪山の自然の美しさ「カムイミンタラ~神々の遊ぶ庭」をはじめとする北海道の雄大な自然の魅力と、アイヌ文化の尊さ・先人達のご苦労が多くの皆さまに伝わることを強く祈念申し上げるとともに、北海道に根差す企業として微力ながら応援していきます。
北海道電力株式会社
代表取締役社長執行役員
藤井 裕
三菱UFJ銀行
東川町は従来から、関係人口との「つながり」が生む多様性を大切にされ、インクルーシブなまちづくりを実現し、経済的なインパクトも創出されてきました。そして今回、多文化共生の価値観を、映画を通じて世界に発信されようとしています。
本映画の発信事業は、弊行が取り組んだ「MUFG北海道推しごとオーディション」にもご応募いただき、有識者やZ世代から成る外部審査員から「日本文化にもある多様性を知り、グローバルな観点を育むきっかけになる」「未来の世代の価値観に良い影響を与えられる」と高く評価されました。
この映画が多くの方にとって、アイヌ文化やアイヌ民族自信と誇りを与えた人々の歴史について知るきっかけとなり、DEI(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)の視点を育む一助となる事を願っています。
三菱UFJ銀行
取締役頭取執行役員
半沢 淳一


