Vol.2「食材の組み合わせ」から、料理を考えてみる。

Vol.2「食材の組み合わせ」から、料理を考えてみる。

「今日のごはん、何にしよう?」

料理をする人なら、一度は考えたことがあるはず。

レシピを探して、材料を確認して、足りないものを買いに行く。もちろん、それも料理の方法のひとつ。でも、もっと気楽に考えてみてもいいんじゃないか?

冷蔵庫を開けて、そこにあるものを見てみる。

「お肉があるな」
「野菜も何種類かある」
「これとこれ、合わせてみようかな?
」

そんなふうに、手元にあるものをひとつずつ足していく。メニューを先に決めて、材料をそろえるのではなく、材料から料理を組み立てていく。

宅配弁当のお店『free dining food チムチム』を営む中村さんが提案する「チムチム算」とは、そんな料理の考え方です。

連載2回目は「食材の組み合わせ」がテーマ。今回も中村さんちの冷蔵庫にあった食材を使って、まずは「何と何を組み合わせるか?」から考えてみます。

“料理は、最初から完成形を決めなくてもいい。食材を組み合わせて、そこにひとつずつ足していく。”

さて、今回はどんな料理ができるのでしょうか?

チムチム算を詳しく知りたい方は、「Vol.1|「今日のごはん、何にしよう?」から始めない。チムチム算って何?」をご覧ください。



NORTHERN SHAPERS-北をかたちづくるひと-チムチム 中村さん編はこちら

CHAPTER 01|「何と何を組み合わせる?」から始めてみる

前回のVol.1では、「メイン食材+野菜+調味料+香味+調理法」というチムチム算の基本的な考え方を紹介しました。今回は「食材の組み合わせ」に注目します。

料理を考えるとき、つい「何をつくるか?」から考えてしまいますよね。

でも、チムチム算では、

「何がある?」

そして、

「何と何を組み合わせてみる?」

から考えてみる。

たとえば、冷蔵庫に鶏肉と玉ねぎがあったら、まずはその2つを組み合わせてみる。

「豚肉とキャベツなら?」

「魚と大根なら?」

まずは食材を組み合わせてみる。そこから調味料や香味、調理法を足していけばいいんです。

CHAPTER 02|今日の冷蔵庫には、何がある?

今回、中村さんちの冷蔵庫にあったものから選んだのはこちら。

  • 豚ロースの薄切り
  • お揚げ
  • トマトの缶詰(使いかけ)
  • ミニトマト
  • ブロッコリー
  • じゃがいも
  • 玉ねぎ

さて、この食材を見て、あなたなら何を組み合わせますか?


冷蔵庫にあった豚ロースの薄切り お揚げ トマトの缶詰(使いかけ)ミニトマト ブロッコリー じゃがいも 玉ねぎ

冷蔵庫にあった豚ロースの薄切り お揚げ トマトの缶詰(使いかけ)ミニトマト ブロッコリー じゃがいも 玉ねぎ

中村さんがまず選んだのは、豚肉とお揚げでした。今回は、この2つをメインの食材にして料理を組み立てていきます。

CHAPTER 03|豚肉+お揚げ。ここから何を足す?

メインの食材は、豚肉+お揚げ。ここに野菜を足していきます。今回は、じゃがいも・トマト缶・ミニトマト・玉ねぎを選びました。ブロッコリーは別で加熱して、付け合わせにします。

調味料は塩、香味にはガーリックパウダー。

そして、調理法は「煮る」を選びました。

今回のチムチム算を整理すると、こうなります。

メイン食材:豚肉+お揚げ
+ 野菜:じゃがいも・トマト缶・ミニトマト・玉ねぎ・ブロッコリー
+ 調味料:塩
+ 香味:ガーリックパウダー
+ 調理法:煮る

これで、今回の組み合わせが決まりました。

では、実際につくっていきます。

今回は2人前の想定ですが、分量はあくまで目安。チムチム算ではメイン食材の量と、それに合わせた調味料の分量を基本に、野菜などは好みに応じて調整できます。

今回使う材料(2人前)

メイン食材 豚肉ロース肉:3枚/お揚げ:1枚
野菜 じゃがいも:Mサイズ程度を1個/トマト缶:200g(缶の半量程度)/ミニトマト:5〜6個/玉ねぎ:1/4個/ブロッコリー:2房(一口大に切り分け)
調味料 塩:ひとつまみ×3(下味にふたつまみ、仕上げにひとつまみ)
香味 ガーリックパウダー:お好みで

ミニトマトは無くても大丈夫。ガーリックパウダーの代わりに、にんにく一片をスライスやみじん切りにして使っても構いません。

材料はすべて1センチ程度の厚さに切ります。食材はできるだけ厚さをそろえて切ると、火の入り方もそろいやすく食感も楽しめます。

CHAPTER 04|組み合わせた食材を、料理にしていく

まずは豚肉に下味をつけます。

調味料の分量は、チムチム算では肉100gに対して塩ひとつまみが目安。

今回は3枚で200g以上あったので、まずふたつまみをふりかけます。

先に下味をつけておけば、その間にほかの材料を準備できます。材料を切っている時間を、下味をなじませる時間に使えば効率的です。


豚肉に塩をふって下味をつける

豚肉に塩をふって下味をつける

次に、玉ねぎから炒めます。

少し焼き色がつくまで炒めるのがポイント!


玉ねぎを炒め、少し焼き色をつける

玉ねぎを炒め、少し焼き色をつける

次に豚肉・お揚げ・ガーリックパウダー・トマト缶・ミニトマト・じゃがいも、トマト缶と同量の水を加えて、中火にかけます。

沸いてきたら弱火にして、じゃがいもが柔らかくなるまで10分ほど煮込みます。

今回は早く仕上げたかったので、じゃがいもは千切りにしてみました。同じ食材でも、切り方を変えるだけで火の入り方も変わります。

※生のにんにくを使う場合は、煮込み終わる前(3分前くらい)に鍋に入れてください


具材とトマト缶、同量の水を加えて煮込む

具材とトマト缶、同量の水を加えて煮込む


じゃがいもを千切りにすると、火が入りやすくなる

じゃがいもを千切りにすると、火が入りやすくなる

全体に火が入り、じゃがいもの千切りによって、少しとろみのある仕上がりになりました。


CHAPTER 05|組み合わせたら、料理になった!

最後に塩ひとつまみを加えて味を整えたら完成。

今回できあがったのは…「ガーリック香る豚ロースとジャガイモのトマト煮」です。

ブロッコリーは別の鍋で茹でて添えましたが、電子レンジで加熱してもOK。煮込み終わる3分ほど前に鍋に加える方法もあります


今回のVol.2は「食材の組み合わせ」がテーマ。

こんな組み合わせでも大丈夫な一例として、豚肉&お揚げをメイン食材としてみました。

そこに野菜を足し、塩で味を整え、ガーリックパウダーを加える。そして「煮る」という調理法を選んだ結果、ひとつの料理ができあがりました。

豚肉とお揚げという組み合わせから、トマトを使った洋風の料理もつくれる。

食材の組み合わせから考え始めると、料理の可能性は思っている以上に広がります。

CHAPTER 06|「合う・合わない」を決めつけない

「豚肉とお揚げって合うの?」

もしかすると、最初にそう思った人もいるかもしれません。

料理には、「これは合う」「これは合わない」という定番の組み合わせがあります。もちろん、そうした組み合わせを知っていることは、料理をする上での助けになります。

でも、チムチム算では、最初から食材の組み合わせを限定しません。

「これとこれを合わせたらどうなる?」と、まずは試してみる。そこから、調味料や香味、調理法を変えてみる。

もし思った味にならなかったら、次は別のものを足してみる。料理は、決められた答えを当てることではないはず。食材を組み合わせながら、自分で答えをつくっていく。

それも、料理の面白さのひとつだと思います。

冷蔵庫を開けて、「今日は何をつくろう?」ではなく、「今日は何と何を組み合わせてみよう?」と考えてみる。

それだけで、料理に向かうきもちが、いつもとは少し違ってくるかもしれません。


上記の画像はダウンロードが可能です。スマートフォンに保存しておけば、調理中でも手軽にご覧になれます。

EX CHAPTER|中村さんのワンポイントな“与太話”

油は「足す」タイミングも大事!

油(脂質)は、身体にとって必要な栄養素なので『生』でいただける油は積極的に食べましょう。例えば、オリーブオイルやアマニ油、ごま油など。

Vol.1でご紹介した「基本の調理法」にもある通り、焼くときなどは、できるだけ食材がもっている脂質を利用する。

そして、仕上げに油をひと垂らしするのは、美味しく健康的に脂質を取り入れるコツです。

今回の料理にも、エキストラバージンオリーブオイルなどを垂らすと、香りが立ち、味わいの変化を楽しみながら美味しく召し上がれます。

何を足すかだけでなく、いつ足すか。 そんな工夫も、チムチム算の楽しみ方のひとつです。

ぜひ取り入れてみて下さい!



PROFILE|プロフィール



中村正敬|『free dining food チムチム』代表

自身の病気がきっかけで、2008年に“五感と身体に優しい食事”をコンセプトとした宅配弁当『free dining food チムチム』を立ち上げる。お弁当以外にもケータリングや年末年始に予約宅配を行うクリスマスオードブルやおせちも人気。2026年10月1日(木)からはポッドキャストも配信されている。




ポッドキャスト番組

“ながら”からはじめる料理教室-考えないレシピ チムチム算について

2026年10月1日(木)よりApple Podcasts、Spotify、Amazon Musicにて配信中

 

 


この記事を書いたモウラー

編集部

MouLa編集部

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