
Vol.3「いつもの鍋」を、ちょっと違う味に。チムチム算で料理の方向を変えてみる
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「今日のごはん、何にしよう?」
毎日のごはんづくりで、そんなふうに悩むことはありませんか?
レシピを探して、材料を確認して、足りないものを買いに行く。もちろん、それも料理の方法のひとつ。でも、もっと気楽に考えてみてもいいんじゃないか?
冷蔵庫を開けて、そこにあるものを見てみる。
「お肉があるな」
「野菜も何種類かある」
「これとこれ、合わせてみようかな?」
そんなふうに、手元にあるものをひとつずつ足していく。メニューを先に決めて、材料をそろえるのではなく、材料から料理を組み立てていく。
宅配弁当のお店『free dining food チムチム』を営む中村さんが提案する「チムチム算」とは、そんな料理の考え方です。
Vol.1ではチムチム算の基本を、Vol.2では食材の組み合わせを考えました。
連載第3回のテーマは「料理の方向を変える」。
同じ食材を使っていても、調味料や香味を工夫すれば、いつもとは違った味わいに仕上げられます。さて、今回、中村さんは冷蔵庫にあった食材を使って、どんな料理をつくるのでしょうか?
チムチム算の基本を知りたい方は、「Vol.1|「今日のごはん、何にしよう?」から始めない。チムチム算って何?」をご覧ください。
CHAPTER 01|いつもの食材から、料理の方向を変えてみる
前回のVol.2では、冷蔵庫にある食材から「何と何を組み合わせるか?」を考えました。
今回は、その先のお話。食材の組み合わせが決まったら、次はどんな味に仕上げるかを考えてみます。
同じ食材を使っていても、調味料や香味を変えれば、料理の印象は変わるもの。いつもの味付けにひと工夫するだけで、これまでとは違う料理に仕上げることもできます。
もちろん、今回も最初から完成形を決めておく必要はありません。
「いつもと違う味にしてみたら、どうなるだろう?」
そんな発想から、調味料や香味を工夫してみるのも、チムチム算の楽しみ方のひとつです。
いつものように、実際に中村さんちの冷蔵庫にあった食材を使いながら、調味料や香味を加えて料理の方向を変えていきます。
CHAPTER 02|今日の冷蔵庫には、何がある?
今回は寒い日に食べたくなる鍋料理をつくることにした中村さん。ただ、冷蔵庫に何が残っていたかは、帰宅するまで覚えていなかったそうです。
冷蔵庫を開けてみると、そこにあったのはこちらの4品でした。
- ・牛肉の切り落とし
- ・とうふ
- ・椎茸
- ・長ねぎ
この食材を使って、どんな鍋に仕上げるのか?まずは、これらを組み合わせるところから始めてみましょう。
CHAPTER 03|食材の組み合わせから、料理の方向を考える
今回のチムチム算は、こんな組み合わせです。
メイン食材:牛肉+とうふ
+ 野菜:椎茸+長ネギ
+ 調味料:しょうゆ
+ 香味:生姜+ごま油+花椒
+ 調理法:煮る
食材と調理法が決まると、しょうゆをベースにした和風の鍋料理が思い浮かびますよね?でも、今回のテーマは「料理の方向を変える」こと。
そこで中村さんが加えることにしたのが、「花椒」と「ごま油」。和風の肉豆腐のような鍋を、中華風の味わいに仕上げてみようというわけです。
食材の組み合わせはそのままに、香味や風味を足してみる。これだけでも、料理の方向を変えることができます。
それでは、実際につくっていきます。
今回使う材料と分量(2人前)
メイン食材
牛肉の切り落とし 250g/とうふ 1/2丁
野菜
椎茸 2個/長ねぎ 1/2本
調味料
しょうゆ 少量
香味
花椒 適量/生姜 適量/ごま油 ひとたらし程度
※しょうゆは牛肉の下味と鍋の味付けに使用します。花椒・生姜の分量は、好みに合わせて調整してください。
補足メモ
・ とうふは絹ごし、木綿どちらでも構いません。(今回、中村さんは絹ごしを使いました)
・ 絹ごしを使う際は煮崩れを起こしやすいので火の強さに気をつけて!
・ 椎茸は傘と軸の部分を切り分けましょう。
・ 椎茸の傘の部分に十字の切れ込みを入れておくと、味が染み込みやすく美味しく仕上がります。
・ 椎茸の軸の部分をみじん切りにして入れると、出汁が出るのでおすすめです。
・ 花椒が無ければ、代わりに山椒を使っても構いません。
CHAPTER 04|組み合わせた食材を、料理にしていく
1. 牛肉に生姜としょうゆで下味をつける
まず、牛肉にすりおろした生姜と香り付け程度のしょうゆを加えてもみ込み、10分ほど置いておきます。しょうゆの量は、ほんのひとたらし。しょうゆのキャップ1杯くらいを目安で。
2. 長ねぎ以外の具材を鍋に入れる
牛肉・とうふ・椎茸を鍋に入れ、具材が9割ほど浸る程度の水を注ぎます。しょうゆを鍋にひと回し加えたら、火にかけます。
長ねぎの青い二股の部分があれば、香り付けとして一緒に入れるのもおすすめです。
3. ふたをして、じっくり煮る
中火にかけ、ふつふつと沸いてきたら牛肉をほぐし、ふたをします。その後、弱火で15分ほど煮込みます。
4. 長ねぎを加え、仕上げにごま油を
最後に長ねぎを加え、さらに3分ほど煮ます。
中村さんは、くたくたに煮えた長ねぎが苦手なので、最後に加えました。やわらかく煮込んだ長ネギが好きな方は、最初から入れても大丈夫です。
最終的につゆが具材の7分目程度まで煮詰まっていたら、しっかりとした味わいになっているはずです。
火を止めたら、仕上げにごま油をひとたらし、花椒をお好みでかければ完成です。
CHAPTER 05|いつもの鍋が、中華風の味わいに
「花椒と胡麻油香る中華風肉豆腐 土鍋仕立て」の完成です。
牛肉・とうふ・椎茸・長ねぎを組み合わせた鍋に、花椒とごま油をプラス。いつもの和風の鍋とはひと味違う、中華風の味わいに仕上がりました。
補足メモ
・ 今回は牛肉を使いましたが、脂の多い豚バラ肉でも美味しくできます
・ 少し味が物足りないかな?と感じた際は、調味料を足す前にもう少し煮詰めると味に深みが出ます
これは、どちらも編集長が実際につくってみて感じたことです。
中村さん曰く、ここにあるチムチム算をベースにして、自分好みに仕上げるには?と考えられるようになるのが、料理を好きになっていくポイントだとのこと。
CHAPTER 06|料理は、思いついたことから変えていい
料理をしていると、「これとこれを組み合わせても大丈夫かな?」と迷うことがあるかもしれません。
でも、中村さんの考え方はシンプルです。思いついたことがあれば、積極的に試してみる。そうすることで、自分の料理の幅が広がっていきます。
もちろん、最初からたくさん入れる必要はありません。心配なときは少しずつ加えて、味を確かめながら調整すれば大丈夫。自分の好みに合わないものは、無理に使う必要もありません。
チムチム算は、決まったレシピを再現するためだけのものではありません。
冷蔵庫にある食材を組み合わせ、調味料や香味を足し、調理法を考える。その過程で思いついたアイデアを試しながら、自分なりの料理をつくっていくための考え方です。
いつもの味付けを、少し変えてみる。
そんな小さな一歩から、料理はもっと自由になります。
EX CHAPTER|中村さんのワンポイントな“与太話”
お砂糖は甘くするだけではない。
汁気の多いお料理の際、味見の段階でちょっとしょっぱいかなと感じた時は、少し砂糖を入れると甘くならず、塩気をマイルドにしてくれます。
これは酸味でも同じような効果があります。酸っぱさが感じすぎる時は、少しずつ砂糖を足して、角のある味をを丸くしてみてください。
入れすぎると、思ってた以上に甘くなってしまった…ということもあるのでご注意を。少しずつ、味見をしながら入れることをおすすめします。
以上、砂糖のもうひとつの一面でした!
ポッドキャスト番組
“ながら”からはじめる料理教室-考えないレシピ チムチム算について
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