提供:北海道マイホームセンター
冬寒く夏もまあまあ暑い!北海道の住宅の断熱と冷暖房を深掘り
冬の寒さが厳しく、春になるまで約半年もある寒冷地北海道。
近年は夏の湿度のある暑さも厳しく、冷房も欠かせません。
今回は、戸建住宅を建てる上で大切な「断熱と冷暖房」について深掘りしていきます。
冬も夏も快適に過ごすために知っておきたい情報が満載なので、最後まで読んでみてくださいね!
北海道の住宅には断熱が大事!
冬が厳しい北海道での家づくりにおいて、必須なのが断熱材です。
壁や基礎、窓など全てに断熱を施工することで、マイナス0℃を下回る地域でも快適に過ごすことができます。
また、断熱と聞くと寒さ対策をイメージする人が多いと思いますが、実は熱を遮断する効果もあります。近年の北海道の夏は、30℃超えの日も多く、ジメジメした暑さですよね…
エアコンの冷房効率を上げるためにも、断熱は大切なんです!
さらに、断熱性能だけでなく、家に隙間がない「気密性」も重要。というのも、せっかく断熱材で外気からの影響を遮断したとしても、家が隙間だらけだと寒く(暑く)なるからです。
高気密・高断熱を意識して、冬だけでなく夏も快適に暮らせる家を目指しましょう!
ZEH住宅
各ハウスメーカーで話を聞いてると出てくる言葉「ZEH住宅」。
一言で言うと「年間の冷暖房代がかからない住宅」のことです。
高断熱化や省エネ設備、可能な限り太陽光発電を導入することで消費エネルギーと創るエネルギーの差し引きによって、より光熱費をゼロに近づけられるのです。
また、国の対策としてZEH住宅の補助金制度もあります。
ZEH住宅を採用していたり、太陽光が標準仕様のハウスメーカーもあるので、詳しい条件や制度は営業担当者に確認してみてくださいね。
参考:札幌市公式HP
デメリットとしては、一般的な省エネ住宅に比べると初期投資がかかってしまうこと。
でも、売電収入や月々の光熱費も安くなるので、十数年ほどで回収できるとも言われています。
モデルハウスを見学した際、メンテナンスが頻繁に必要なものではないと聞き、長い目で見ると導入して損はない印象でした!
見学でチェックしたい断熱性能
断熱について何も知らないままモデルハウスを見学すると、各社の違いがわからなくなってしまいます。そこでここでは、筆者の経験をもとに「これだけは知っておくと便利!」な断熱性能を紹介します。
見学の時にぜひチェックしてみてくださいね。
窓の種類
北海道の戸建住宅で一般的な窓ガラスは、2枚のガラスを組み合わせたペアガラス。
ガラスの間にガスの層を挟んでいるので、断熱効果があります。
最近は、より断熱性の高いトリプルガラスを採用するメーカーも多く、外気の影響を受けにくい窓が増えてきています。
また、窓にはいろんな種類がありますが、北海道の新築住宅であまり採用していないのが「引き違い窓」。
スライド式の窓で、すき間を作らないと窓が開閉できず、どうしても気密性が低くなってしまうからです。
ハンドルを回して外に向かって開ける「すべり出し窓」や「FIX窓」と呼ばれる開かない窓で、断熱性を高めましょう。
基礎断熱?床断熱?
ここでは、基礎断熱と床断熱の違いをお伝えします。
断熱材の種類や厚みによっても変わってくるので、どちらが優れているということではありません。
特徴を抑えて、ハウスメーカーを比較する際の参考にしてくださいね。
基礎断熱
近年増えてきてる基礎断熱。
”基礎も家の一部”という考え方で、基礎部分に断熱材を敷き詰めることで、床下や地面からの冷気を遮断します。
高断熱・高気密で外気からの影響を受けにくく、冷暖房効率が良いですよ!
実際、基礎断熱のモデルハウスを見学した際、床下点検工を開けると室内と同じような温度で驚きました!
ただ、床断熱と比べて
- シロアリの被害にあう可能性が高い
- カビが発生しやすくなる
- 床下収納に食材などは入れられない
と、デメリットもあるようです。
特に家が完成してから1〜2年は、基礎の中に湿気がある状態。
乾燥するまで時間がかかります。
カビが発生しないように換気口を設けて、空気のめぐりをよくしているハウスメーカーが多かったです。
床断熱
床断熱とは、床下に断熱材を敷く工法のこと。
”基礎は家の一部”という考えの基礎断熱に対して、”基礎は外”という考え方です。
メリットは、
- 基礎断熱と比べて費用が抑えられる
- 湿気がこもりにくい
- シロアリの被害にあう可能性が低い
- 床下収納に食材を貯蔵できる
と、基礎に断熱材がない分、通気性がよくてシロアリの被害も受けにくいと言われています。
しかし通気性が良い分、基礎断熱に比べると外気の影響を受けやすいので、室温を一定に保つのが難しいという欠点も…
とはいえ、春先に床断熱のモデルハウスを見学した際は、床や足元が冷たいということはありませんでした。
歴史ある工法で、技術が安定しているのが安心ポイントです!
覚えておくと便利!断熱数値
断熱性能の重要性はわかったけど、これからハウスメーカーや工務店を比較していく際に何を基準に比較すればいいか悩みますよね…
そこで、覚えておくと便利な断熱数値を紹介します!
UA値
UA値とは「どれくらい熱量が家の外に逃げやすいのか」を表す数値です。
もう少し詳しく説明すると、「冬は家を守る部材がどれだけ外に熱を出してしまうのか?」
「夏は外の熱気をどれだけ室内に伝えてしまうのか?」を数値で表したものです。
この値が小さければ小さいほど断熱性能が高いということになり、
建築した住宅の断熱性を把握することができます。
ちなみに国が定めた基準値は地域ごとに異なり、北海道のUA値の基準は0.46。
東京を含む大半の地域の基準値0.87と比較すると、より高い断熱性が必要なことがわかります。
C値
C値とは、「家にどれくらいすき間があるのか」を示した数値で、
計算方法は、住宅全体の隙間の合計面積÷延べ床面積です。
1平方メートルあたりに存在するすき間の面積を示す数値といわれています。
寒冷地北海道の基準は2.0で、つまりC値が小さいほど、
すき間が少ない高気密な家ということになります。
Q値
Q値とは「どれくらい熱が逃げにくい家なのか?」を表す数値です。
数値が小さいほど断熱性が高く、省エネ性能に優れる家といえます。
Q値の計算方法は (各部の熱損失量の合計 + 換気による熱損失量の合計) ÷ 延べ床面積です。
床面積で割るので、住宅形状によって数値が曖昧になり、正確な数字を出しにくいため、
現在の住宅省エネ基準では、Q値に代わってUA値が採用されているようです。
Q値に関しては「こんな数値もあるんだなー」くらいの認識でも良いかもしれませんね。
以上です。ハウスメーカーごとに平均値があるので、ぜひ見学時に聞いてみてくださいね。中には気密測定を標準仕様で実施してくれたり、オプションで測定してくれるメーカーもありますよ!
冷暖房は何を選ぶ?夏も冬も快適に過ごそう!
冬は寒く、夏もまあまあ暑い北海道に必要不可欠な冷暖房。
ここでは、冷暖房の種類とそのメリットやデメリットを紹介していきます。
1年中快適に過ごすためにも、自分たちに合ったものを選びましょう!
セントラルヒーティング
パネルヒーターのことで、ガスや灯油などの熱源で温めた温水を各部屋に送り込んで家を暖めます。
24時間運転することでゆっくりと家全体が暖まり、温度差なく過ごせるのが特徴です。
北海道の戸建住宅では主流な暖房器具で、
- 家のどこにいても暖かい
- ホコリが舞わないから衛生的
- 火災ややけどの可能性が低い
- 省エネ効果◎
など、メリットがたくさんあります。
筆者もセントラルヒーティングの家で育ちましたが、誰もやけどをしたことがありません。
玄関やトイレ、脱衣所にもパネルがあり、家のどこにいても暖かくて快適でした!
床暖房
近年の戸建住宅で増えてきている床暖房。
床下にヒーターパネルや温水を設置し、足元から温まる仕組みです。
正直、足元だけ温かくても部屋は寒いのでは…?と疑っていましたが、友人宅で体感して、家中の温度にムラがなくて驚きました!
メリットは、
- 掃除の手間がない
- ホコリが舞わないから衛生的
- やけどの心配がない
などがあり、小さい子どもがいる家庭でも安心です。
また、土間も床暖房にすれば、雪や雨で濡れた靴も置いておくだけで乾きます!
玄関がべちゃべちゃになりやすい冬に嬉しい設備ですよね。
さらに床暖房は、窓の近くにパネルを設置するセントラルヒーティングと違って場所を取らないのも◎。
部屋が広く使えますよ!
デメリットは、コストがかかること。
初期投資だけではなく、修理の際も床を剥がす必要があるため、他の暖房設備に比べて費用がかかるでしょう。
寒冷地用エアコン
”夏は涼しい”イメージのある北海道ですが、ここ数年は特に蒸し暑い!
学校でもエアコンの設置が進んだりと、冷房機器が欠かせないですよね。
筆者がモデルハウスを見学して驚いたのが、暖房器具がエアコンの家。
リビングにある寒冷地用エアコン1台で部屋全体を温めるそうです。
ちなみに2階は、エアコンや電気パネルヒーターを設置することで1階と温度差なく過ごせます。
本当にエアコン1台で大丈夫か心配になりましたが、北海道で一番寒い町「陸別」のある十勝地方での実績も多いメーカーで、冬でも快適に過ごせるとのことでした。
これは、高断熱・高気密の家だからこそできること。
太陽光パネルを設置すれば、電気代を抑えられて省エネ対策にもなります。
エアコン1台で済むので、部屋を広く使えるだけでなく、メンテナンスも余計にかからないのが嬉しいですよね。
全館空調システム
まだまだ馴染みが薄いですが、ショッピングモールや病院のように、天井付近の吹き出し口から風が流れることで家全体の温度を均一に保ってくれる次世代型の空調システム。
最大のメリットは、全館空調機1台で(または全館空調用のエアコン1台で)真夏も真冬も快適に過ごせること!設置した部屋だけが涼しくなる通常のエアコンと違い、廊下や玄関など家中の温度を均一に保つことができます。寝るときに冷房の風が当たって風邪を引く心配もないでしょう。
また、壁掛けタイプのエアコンの設置が不要なので、
- コスト削減
- お手入れや点検などメンテナンスの手間を軽減できる
- 設計デザインの幅が広がる
といった嬉しいメリットも!
しかし、現状は採用しているハウスメーカーが少ないです。
高断熱・高気密でないと十分な効果を発揮できないため、取り扱いできるハウスメーカーが限られているようです。
今後、各社の断熱性がさらに進めば、導入するハウスメーカーも増えてくるかもしれませんね。
薪ストーブ
火のぬくもりを感じながらじんわり暖まることができる薪ストーブ。
薪火が放つ熱が、天井や壁などを直接温めることで、家そのものが暖まります。
このような熱の伝わり方を「輻射(ふくしゃ)」と呼び、体が芯から温まるのが特徴です。
温風式のエアコンや全館空調と違い、乾燥しにくいのも◎。
他にも、
- 電気もガスも使わない
- 火のぬくもりを感じられる
- 機種によっては調理も可能
などの利点があります。
薪ストーブを使って作るピザや煮込み料理は、遠赤外線効果で美味しさが増します。
光熱費も削減できて一石二鳥ですよ!
デメリットとしては、定期的な煙突のメンテナンスや薪の準備が必要なこと。
薪ストーブ本体や煙突の購入費用に加え、設置費用も別途用意しなくてはいけません。
このように手間はかかるものの、炎には癒しの効果もあります。
寒い冬に薪ストーブの前で家族団らんで過ごすのも素敵ですよね。
まとめ
冬の寒さはもちろん、夏の暑さも年々厳しくなってきている北海道。
どのハウスメーカーも高断熱・高気密ではありますが、細かな断熱数値や扱っている冷暖房の種類はさまざまです。
家族みんなが1年中快適に過ごせる家づくりを目指しましょう!