【ANTHEM編】札幌でハードロックの祭典！「Hard Rock Night 2024」【ライブレポート PART1】

9月6日（金）、連日猛暑が続いていた札幌でさらに熱い強烈なライブが開催された。道内のイベント会社ミュージックファン（金子淳代表）の設立20周年を記念したスペシャルライブ「Hard Rock Night 2024」だ。

80年代から日本のハードロックを牽引してきた二大バンド「LOUDNESS（ラウドネス）」と「ANTHEM（アンセム）」が競演するというファンにはたまらない、まさにミラクルなライブの模様をレポート。

　夕暮れ時のZepp Sapporoには開場前から道内各地から集まったハードロックファンが長蛇の列をつくり、開演を今か今かと待ち構えている（かくいう筆者も函館からの参戦）。
　
　開演時刻、満員の会場にSEが流れ始めると客席のファンは総立ちになり、幕が上がるとステージに向けて大歓声が送られた。先攻で登場したのは来年結成40周年を迎えるアンセム。

　昨年リリースされた最新アルバム「CRIMSON & JET BLACK」から「SNAKE EYES」、「WHEELS OF FIRE」とアップテンポでヘヴィーなナンバーを立て続けに浴びせかけると、開演わずか10分で Zeppは熱気に包まれた。

　アンセムの往年の名曲「NIGHT AFTER NIGHT」を挟み、リーダーの柴田直人（ベース）が、今回の夢のようなライブが札幌で実現したことについて「長年お世話になった金子代表からのリクエストに応えた。今夜は全て出し切る」と熱っぽく語った。
　
　40年に渡り、ライブで100％出し切るために日頃から厳しく自らを律し、バンドを鼓舞し続けてきたという柴田。圧巻のパフォーマンスはまさに第一線で活躍し続けてきたライブバンドの真骨頂といえるだろう。

　雄々しく力強い演奏が続き、最新アルバムから「ROARING VORTEX」、「BLOOD BROTHERS」、そしてファンにはお馴染みの「IMMORTAL BIND」、「HEADSTRONG」と重厚なナンバーが巨大な山脈のように連なり、「ヘッドストロング！ヘッドストロング！」と大合唱は収まらない。

　「VENOM STRIKE」、「BOUND TO BREAK」と代表曲を演奏した後、柴田がマイクでスペシャルゲストを呼び込む。「ラウドネスとアンセムで長年一緒にプレイしてきた自分の最も好きなドラマー、本間大嗣～っ！」

　現ドラマーの田丸勇に代わり、ラウドネス、アンセムなどでドラムを歴任してきた札幌出身の本間が登場すると、会場から「HIRO！HIRO！本間っ！本間っ！」と熱いコールが湧き上がる。そしてお約束のラストナンバー「WILD ANTHEM」が演奏され、熱気が最高潮に達した。

　現行メンバーのライブに元メンバーが加わって演奏することが可能なバンドはかなり珍しい。40年もの活動期間で解散したこともあるし、メンバーチェンジも繰り返してきたが、リーダー柴田が大事に守り続けてきた「アンセム」というバンドのミュージシャンシップを象徴するようだった。 常により良い作品を追求する姿勢、音楽への頑固なこだわり、そしてファンへの誠実さがライブでの熱い共感へと結びつくのだろう。

　この日、かつてアンセムとラウドネスの両バンドで活躍した札幌出身の本間を招いたことも、金子代表の発案とのこと。ミュージシャンとの強い信頼関係がないと実現できない夢の共演で、しかも柴田の故郷でもあるここ北海道で開催されたからこそ、よりドラマチックでエモーショナルなライブになったことは間違いないだろう。