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年末になると道路工事が増えるのなーぜなーぜ?

年末になると道路工事が増えるのなーぜなーぜ?

毎年秋から年末にかけて急に道路工事が多くなりますよね。なぜわざわざ雪が降り始める季節に、しかも師走の慌ただしい時に道路工事に拍車をかけるの?そう感じたことはないですか?はっきりした理由がわからないまま毎年モヤモヤしていたので、今年こそは!と思い調べてみました。

どうして年末や年度末に工事が増えるの?

道路工事の工程にも要因があった

道路工事は、契約・申請から着工・完成まで一定期間必要となります。一般的な道路工事の流れとしては、予算が決められるのは1月ごろで、その後公共工事の計画が作成され入札によって受注企業が決定する場合が多いようです。実際に事業としての工事がスタートするのが4月ごろで、手順通りに工事を進めていくと、例えば道路工事なら最初に地中にある水道管などの工事を行った後、最後にアスファルトによる路面の舗装を行います。一般人の目に触れやすい工事の最後の方の工程が年末や年度末ごろに集中しやすくなるので、年末や年度末に工事が増えている印象になりやすい。ということもあるようです。意図的に工事を年末や年度末に増やして行っているわけではないのですね。

工事の規模で事情も異なる

道路の公共工事を大きく分けると、道路の新設や交差道路、歩道橋の補修などの大規模な工事と、ガードレールや交通標識の補修、交通量の少ない一般道の補修などの小規模な工事に分かれます。

大規模な道路工事は必要性に応じて発注されますが、小規模な工事は実は市民からの要望が大半だそうです。そして、市民の公共工事に対する要望は幅広く数も多い為、ひとつひとつに対応するには多くの手間と時間がかかります。まず必要度の高い大規模な道路工事を行った後に、余った予算を使ってできるだけ市民の要望に応えるために小規模な工事を行っているそうです。

そのような流れになっているとは調べるまで知らなかった。。。

つまり無駄にたくさん工事をしているのではなく、大規模工事に加えて、適宜市民の要望としてあがってきた小規模工事にも対応しているため結果として施工数が多くなるのですね。

予算が余ることはあるの??

ちなみに「予算が余る」ということは実際にあるようです。なぜ予算が余るのかというと、工事の受注者決定は入札制度が採用されているので、入札した結果、当初の予算より低予算で工事ができることがその理由です。公共工事の入札制度は公平性の他、できるだけ低予算で公共工事を実現させることが目的なのでそれは当然の結果ですよね。

予算を使い切るため?税金の無駄遣い?

道路工事が年末に集中している様子を見て「予算使い切りだ!」とか、いつも同じ場所を繰り返し工事をして「税金の無駄遣いだ!」って思ったことないですか?私は今回調べるまで、本気でそう思っていました。笑 でもこうやって調べてみると、どうやらそうではなさそうですね。

同じ個所を繰り返し工事している気がするのは気のせい??

同じ個所を繰り返し工事しているように見えたり、ずっと同じところを長期工事していたり「同じ場所を何度も工事しているのでは?」と感じたことはないですか?

これにも理由があるそうです。

道路の下には、水道管やガス管、インターネットのケーブルなど色々なインフラの為の管や線が通っていてそれぞれで所有者が異なります。水道管なら水道局、ガス管ならガス会社、インターネットのケーブルなら電話会社や光プロバイダなどです。これらのインフラ設備の新設時や故障した時などに工事を行うのは、水道会社やガス会社などのインフラ設備を所有している会社や団体が行いますので、公共工事ではなく「占有工事」と呼ばれています。

占有工事をする時には、ひとつひとつのインフラ設備の所有者に許可を取って工事の日程を組むため工事が長期化することもあるようです。

水道管やガス管、ケーブルなどまとめて工事できないものなの?

効率化を図るために、まとめて工事できないものなの?と思うのですが、管などのインフラ設備ごとに掘る深さも工事に使用する機器も異なるのでいっぺんに行おうとすると逆に効率が悪くなるんですって。・・・まあ確かに、それはそうかも。そして、万が一の事故やトラブルが起きてしまった時にも、責任の所在を分かりやすくするという理由もあるそうです。インフラ設備の工事中に事故が起きると市民のライフラインが止る可能性もありますよね。

どうして道路工事は交通量の多い昼間に行うの?

道路工事は道路渋滞の原因にもなるので、それなら交通量の多い昼間は避けて、夜間に工事をすればよいのでは?との考え方もあると思うのですが道路工事を昼間に行うのは主に3つの理由があります。

ひとつめは費用の問題です。夜間に工事を行うと深夜手当が発生するため人件費がかさみます。また夜間用の照明など設備費も必要になります。

ふたつめは安全性の確保です。夜間は照明を使用して工事を行うにしても、あたりが暗くなるので、通行している自動車が気付きにくいなど夜間の方が昼間よりも安全性は低くなります。また、夜間に作業を行う人員の確保が難しいという問題もありそうですね。

みっつめは騒音を立てないためです。夜間は就寝している人がほとんどなので、そんな中で大きな音を立てて行う道路工事は、騒音となり苦情の原因にもなるからです。

北海道ならではの事情もあるそうです

冬季間の工事の場合、北海道は本州と違い雪が降るため工事の難易度は上がります。例えば舗装中に積雪があった場合、工事に取り掛かる前に除雪が必要になります。除雪の規模によってはお金もかかります。また路盤とアスファルトの間で剥離が発生し道路状況が悪化する危険性もある。さらに大雪の場合だと行政が行う除雪や排雪の妨げにもなりかねない。

また、冬季間は道路工事ではなく除雪や排雪作業に人員を多く割きたいと考える事業者も多いようです。その他冬季は出稼ぎに行く人もいるので人手不足という問題もありそうです。このような事情から北海道に関しては、出来る限り前倒しして道路工事を完了したい事情もあるようです。

今年度札幌市建設局土木部で現在行っている道路事業は下記のとおりです。

道路工事について理解が深まってきたところで、ふと思う。今年度札幌市ではどんな道路工事が予定されているのだろうか?
今年度札幌市建設局土木部で行なっている道路工事を調べてみました。※札幌市公式サイトより引用 ※令和5年3月31日現在



事業区間(事業起点の所在地) 事業認可期間 計画延長 計画幅員 事業認可(変更)告示日
文書件番号
北19条線~宮の森・北24条通
(札幌市北区北19条西4丁目)

平成16年5月28日

令和6年3月31日
800m 25m 令和5年3月31日北海道告示第184号
麻生1号通~新琴似中線
(札幌市北区北40条西5丁目)
平成13年4月27日

令和6年3月31日
940m 18.18m~22.25m 令和2年2月7日北海道告示第90号
月寒通~菊水・旭山公園通
(札幌市中央区南4条西6丁目)
平成12年8月25日
令和7年3月31日
680m 25m 令和5年1月13日北海道告示第24号
菊水・旭山公園通~米里・行啓通
(札幌市中央区南9条西6丁目)
平成30年4月3日
平成43年3月31日
830m 25m 平成30年4月3日北海道告示第273号

西7丁目通~石山通
(札幌市中央区南19条西7丁目)

平成24年8月31日
令和6年3月31日
560m 27m 令和5年1月6日北海道告示第11号
藻岩山麓通~米里・行啓通
(札幌市中央区南19条西16丁目)
令和4年4月22日
令和14年3月31日
890m 27m 令和4年4月22日北海道告示第280号

南1条通~菊水・旭山公園通
(札幌市中央区南1条西15丁目)

平成12年8月25日
令和10年3月31日
940m 25m 令和5年1月13日北海道告示第24号
札幌市豊平区西岡3条8丁目
札幌市豊平区西岡4条9丁目
令和5年3月31日
令和9年3月31日
【福住・桑園通】60m
【水源池通】230m
【福住・桑園通】20m~23m
【水源池通】20m~24.5m
令和5年3月31日北海道告示第183号
米里・行啓通~菊水・旭山公園通
(札幌市中央区南9条西14丁目)
平成31年4月1日
平成45年3月31日
850m 25m 平成31年4月1日北海道告示第228号
石山通~福住・桑園通
(札幌市中央区南14条西11丁目)
平成27年9月15日
令和9年3月31日
580m 20m 令和5年1月6日北海道告示第11号
札幌駅前通~西7丁目通
(札幌市中央区南1条西6丁目)
平成26年4月1日
令和11年3月31日
360m 25m 令和5年1月13日北海道告示第24号
新川通~創成川通
(札幌市北区北23条西14丁目)
平成14年7月30日
令和6年3月31日
1,700m 20m~22m 令和5年3月31日北海道告示第184号
北1条・雁来通~南7条・米里通
(札幌市東区東雁来3条1丁目)
※「北24条桜大橋」が令和5年8月4日(金曜日)15時に開通しました
平成23年7月1日
令和6年3月31日
1,320m 20m~50.5m 令和5年3月31日北海道告示第184号
北5条・手稲通~西野1・2条1・2丁目線
(札幌市西区西町南7丁目)
平成12年4月28日
令和7年3月31日
580m 22m 令和3年3月23日北海道告示第231号
北13条・北郷通~厚別通
(札幌市厚別区厚別西3条1丁目)
平成26年4月15日
令和7年3月31日
540m 28m 令和元年10月25日北海道告示第712号
三里川~北13条・北郷通
(札幌市白石区流通センター7丁目)
平成26年4月15日
平成40年3月31日
【山本通】1,080m
【北13条・北郷通】200m
【山本通】25~40.8m
【北13条・北郷通】20~25m
平成26年4月15日北海道告示第310号
篠路2条5丁目~篠路3条8丁目 令和2年6月9日
令和13年3月31日
670m 20~27m 令和2年6月9日北海道告示第407号
【北海道旅客鉄道株式会社札沼線(2)】百合が原7丁目~篠路7条7丁目
【3・4・71号横新道】篠路2条6丁目~篠路3条7丁目
【7・5・42号篠路駅前団地本通】篠路5条6丁目~篠路5条7丁目
【8・7・39号高架側道7号線】篠路4条7丁目~篠路5条7丁目 
令和2年11月20日
令和14年3月31日
【北海道旅客鉄道株式会社札沼線(2)】2,100m
【3・4・71号横新道】100m
【7・5・42号篠路駅前団地本通】20m
【8・7・39号高架側道7号線】320m
【北海道旅客鉄道株式会社札沼線(2)】9.1m~22.1m
【3・4・71号横新道】27m
【7・5・42号篠路駅前団地本通】15m
【8・7・39号高架側道7号線】6m
令和2年11月20日北海道告示第718号
琴似・栄町通~新琴似通
(札幌市北区新琴似5条1丁目)
平成23年7月26日
平成36年3月31日
980m 21m 平成30年1月9日北海道告示第24号
新琴似通~創成川通
(国道231号)(札幌市北区西茨戸)
平成24年5月22日
令和8年3月31日
1,420m 33m~49m 令和4年1月4日北海道告示第8号
【屯田・茨戸通】屯田・紅葉山通~新琴似通
【屯田・紅葉山通】防風林南通~屯田・茨戸通
(札幌市北区屯田町、西茨戸)
平成25年6月28日
令和8年3月31日
【屯田・茨戸通】1,690m
【屯田・紅葉山通】70m
【屯田・茨戸通】33m
【屯田・紅葉山通】20m
令和5年3月31日北海道告示第184号
石山通~市街化区域界
(札幌市南区石山2条7丁目)
平成27年9月11日
令和9年3月31日
630m 16m 令和4年1月4日北海道告示第8号
石山・穴の沢通~藤野1号通 令和3年7月20日
令和10年3月31日
850m 16.0m~17.1m 令和3年7月20日北海道告示第519号
大通~北6条線 令和3年12月10日
令和10年3月31日
830m 20m 令和3年12月10日北海道告示第774号

道路工事ってめっちゃ多い!

普段何気なく道路工事の様子を見ていましたが、実際に調べてみると、札幌市建設局土木部で現在行っている(もしくは予定されている)道路工事は、こんなにたくさんあるのですね!改めてびっくりです。確かにこれだけの工事が行われていれば、工事が多いな〜って印象になりますよね。

道路に関するご意見・ご相談

家の前のガードレールが曲がっているので直してほしい、など標識や設備を含めた道路に関する要望や、道路工事の音がうるさくて子供が寝ない!などの苦情は道路の管轄元によって窓口が異なります。国や地方など、道路の管轄元を問わずに道路に関する相談や苦情、問い合わせができるのが国土交通省の設けている「道の相談室」です。電話の他、FAXやホームページ上でも受付を行っています。国土交通省が地方自治体、高速道路管理会社などと連携を取っているので、一回の相談受付のみで済みます。

※北海道開発局 札幌開発建設部の連絡先はこちら

まとめ

これから道路工事が増えてくると思いますが、市民としてできることは率先して協力しつつ、車を運転する時も、歩行時も、みんなで安全に道路を利用していきたいですね。


この記事を書いたモウラー

編集長

aotona

MouLa HOKKAIDOの編集長です。
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