
【必見!韓国語の勉強方法】キム先生に聞いてみました【お悩み解決】
안녕하세요!カジャ!コリアです。
この春カジャ!コリアでは、韓国語に関するアンケートキャンペーンを実施いたしました。
アンケートに答えてくださった約半数の方が、何らかの形で韓国語学習をされているという結果となりました。同時に、みなさんが韓国語の勉強方法についても様々なお悩みを抱えていることがわかりました。
そこで今回は、連載50回を超えたカジャ!コリアの超大人気コラム「キム先生の旅に役立つ韓国語」のキム・ミョンチョル先生に、わたくしカジャ!コリア編集長のパク・スエが突撃取材をして、韓国語学習のポイントをお話していただきました。
くじけそうになる韓国語学習も、これを読めば大丈夫!
日本語が堪能なキム先生だからこその、目から鱗の解説が満載です。
是非皆さんのこれからの韓国語学習に役立ててみてくださいね。
韓国語学習のお悩み解決、スタート!
自分の韓国語のレベルがわかりません

先生안녕하세요!
今日はコミュニティの皆さんから寄せられた、韓国語の学習方法のご質問について、ぜひ先生からのアドバイスをいただければと思います。
はい、わかりました。


韓国語を勉強しているけれど、自分のレベルがよくわからないという方がいらっしゃいます。例えば韓国語学校のクラス選びの時に、迷われるケースがあるようです。
はっきりとした基準はありませんが、初級1はハングルが少し読めて、単文、例えば「雨が降っています」「花が咲きました」「韓国に行きたいです」というような、述語が一つだけの文が理解できるレベルです。
初級2は、ハングルの発音の流れが何となく分かって、よく使われている「接続詞」を使った文が理解出来るレベルです。「だから」「それで」「そして」など。
さらに「連結語尾」といわれる「~て」「~ので」「~けど」「~から」などが理解出来るレベルです。
例えば、
「勉強をしました。そして朝ごはんを食べました」
「勉強をして、朝ごはんを食べました」
「雨が降ってきました。それで、タクシーに乗りました」
「雨が降ってきたので、タクシーに乗りました」
「うまく出来ません。だけどやってみたいです」
「うまく出来ないけど、やってみたいです」
ここまでが初級のレベルといえると思います。


おお…初級2でも難しそうですが、中級はどのようなレベルでしょう。
「受け身」「使役」「伝言」「間接話法」といった表現ができるようになると中級です。
例えば、
「お母さんに、帰りにお米を買ってきてと言われました」
「いつも子供を10時前には寝かせます」
などの表現です。


間接話法は会話でも使いたいシーンがたくさんありますが、これはすでに中級レベルなんですね。
そうです。「間接話法」は中級1の教科書の中でも半分くらいを占めています。
独自で韓国語を勉強していて、これから学校に行こうと思っている方、もしくはこれから韓国語を再開しようとしている人は、参考にしてみてください。

独学で韓国語を学んでいます。おすすめの参考書を教えてください。

韓国語学習のための参考書で、何かおすすめのものはありますか?
正直どの参考書でも良いと思いますが、一つの参考書を選んだら、その参考書を全部マスターすることが一番大切です。
学習したページを、何度も反復、復習出来たら最高です。


色々なものに手を出さないということですね。
はい。参考書を選ぶ基準としては、自分の基準より少しやさしめのテキストをチョイスして、それをまる覚えすることが大切です。
自分のレベルより難しいと、なかなか長続きしません。

独学に限界を感じています

韓国語を独学で学んでいる方も多いですが、限界を感じている方もいらっしゃるようです。
韓国語学習で一番難しいのは「活用」と「発音」だと思いますが、独学だとそれを理解するのはなかなか大変ですよね。限界を感じる一因だと思います。
独学していた方がたまに私のクラスに入って来られることもありますが、やはり発音が弱いことが多いです。日本語なまりの韓国語になっていることが多く、伝わればそれでもちろん良いと思いますがせっかくなら、もっときれいに韓国人に伝わる発音が身に付けられたらいいですよね。
もし限界を感じたら、学校や語学教室で「活用」と「発音」の基本的な流れや、日本語との違いを理解してほしいなと思います。


地方だったり時間がなかったり、教室に通える環境がなかなかない方もいらっしゃいます。
今はオンラインで受講できる講座もたくさんありますし、YouTubeなどで良い動画コンテンツを作っている人がたくさんいらっしゃるので、それらのコンテンツをうまく活用するのもいいですね。


なるほど。
ちなみに私、パク・スエも最初独学から入り、行き詰まりを感じてオンライン授業を1年間受講しました。
そこから生の会話をしてみたくて次にオフライン授業へ行き、今はそれを継続しながらプチオンライン授業も併用しております。
私にはこれくらい追い込まれ気味の学習が心地いいと思っています(笑)
皆さんも、ご自身のリズムにあった学習スタイルが見つかればいいですね。
発音の壁、越えられますか?

発音といえば先生、わたくし、今通っている韓国語学校の授業の中で出てきた、ㄴ「ニウン」とㅇ「イウン」ㅁ「ミウム」の聞き分けが全く出来ず絶望しておりました…。
わからなくて当然だと思います。


え?そうなんですか?
はい、一部の子音やバッチㇺの音は、韓国語が流暢に話せる人でも、
正確な聞き取りができる方は少ないと思います。
聞き取れるようになったら当然それが最高ですが、中々聞き取れなくても諦めないでください。韓国語を話す時には、喉、歯茎、唇を意識して、はっきりと話すことが大事だと思います。


なるほど。しかしなぜ、そんなに聞き取ることが大変なんでしょう。
韓国語と日本語では、根本的な発音の違いがあるからです。
例えば一部の子音の発音ですが、日本語の子音は声帯で音を分けています。声帯を鳴らすと濁音、鳴らさないと清音になります。
一方で韓国語の子音は声帯とは関係なく、息の吐き方で音を分けています。
さらに、パクスエさんが困っている「二ウン」「イウン」「ミウン」、いわゆる日本語の「ん」に聞こえる音は、韓国語では喉と歯茎と唇を使って発音する音なのです。
日本語は基本「あいうえお」で発音が終わる言葉(「子音+母音」で終わります)で、日本語の「ん」と小さい「ッ」だけが、「あいうえお」で発音が終わらず、はねる音やつまる音になっています。この「ん」と「ッ」の音が、韓国語では「パッチㇺ」というものになりますが、それぞれ三つの音に分かれています。
「방=部屋」「반=半分」「밤=夜」
この三つの言葉に日本語のルビを付けるとすべてが「バン」になってしまいます。しかし、「방」は喉、「반」は歯茎、「밤」は唇を使う音です。
これは、日本人にはなかなか聞き分けられないと思います。


韓国語と日本語の発声方法の違いが、聞きづらい要因なのですね。
そうですね。ちなみに韓国語のテキストで「가」は語頭にくるとカ、語中にくると「ガ」になるという説明を見たことがあると思います。
確かに日本人の耳にはそのように聞こえるのかもしれません。しかし韓国人は使い分けてしゃべっているわけではありません。


ええーー?!
語頭に来ようが語中に来ようが、ただただ息を軽く吐きながら同じ音で発音しているのです。
日本語は声帯で音を分ける、韓国語は息の吐き方で音をわける。
このような根本的な違いがあることを理解して、韓国語の勉強に取り組むと良いと思います。


目からうろこの説明でした…!
先生は来日されてもう20年。
日本語が堪能なキム先生だからこその解説ですね。
いいえ、そんなことはありません。
これまでとは逆に、韓国人が中々聞き取れない日本語も沢山あります。
例えば、元々韓国語にはない音「ざ、ず、ぜ、ぞ」。
この音を知らない韓国人にはどうしても「じゃ、じゅ、じぇ、じょ」にしか聞こえません。
あとは、伸ばす音。
日本人は「大通り」を「おおどおり」とは読まないで、「お~ど~り」と読みますね!この「お~ど~り」が韓国人には「おどり」に聞こえるのです。
もう一つ言うとしたら、語頭に来る清音の音。
例えば、「ともだち」にの「と」が清音なのか濁音なのか、中々聞き分けられません。ですから、僕は大げさに発音するようにしています。
「お~ど~り」 「ッともだち」みたいに!


なんとキム先生でも!
母国語の発音にないものは、何年経っても聞き取りづらいということなのですね。しかしこうして、韓国語と日本語の根本的な発音の違いを知ることで、苦手意識が少し軽減されました。
韓国語を楽しく学ぶコツ

韓国語を楽しく、わかりやすく学ぶコツはありますか?
これは教える立場として、わたしの永遠の課題でもあります(笑)


例えば私などはK-POPが好きなのですが、歌詞を見てみるのはどうでしょう?
良いと思います。
ただ、もし韓国語を習いたてだとわからない部分がほとんでしょうから、その場合は分析しないで、まずは曲をまるっと覚える。フレーズだと思ってまるごと覚える。日本語ではこういう意味なんだ~?程度でOKです。
その後、韓国語学習が進んでいくと覚えた単語やフレーズで、歌詞に使われているものと同じものが登場する時があります。そうすると自分のものとして記憶にとどまります。
どんなものであっても、韓国語に触れた経験は間違いなくあとで役に立ちます。

ずっと勉強しているのに、言っていることが全然わかりません&話せません

ヒアリングとスピーキングが出来ない!
実はこの質問が一番多かったんです。私も他人事ではないので切実です…。
韓国語学習で読解はある程度理解できていても、聞き取りは相当難しい、話すのも難しいという方は本当に多いです。
まず聞く能力を身に着けるために、一番大事なのは集中して韓国語を聞くことです。
しかし韓国語を集中して聞く機会って意外に少ないですよね。
そんな時は、みなさんお使いのテキストの中にある、聞き取り問題がいいと思います。
聞き取り問題に取り組む時、すごく集中しますよね。
それを繰り返し繰り返しやることが大切です。


世間でよく言われている「シャドーイング」はどうなのでしょう
とても良いと思います。
シャドーイングこそ、音に集中出来る最高の学習方法ですね。
韓国語がわからなくてもドラマを見ながら、単語や短いフレーズなどを真似して話してみる習慣をつけることはとても大事なことだと思います。
他の勉強と共にシャドーイングを続けていたら、そのうち両者が結びついて、勉強がますます楽しくなってくるはずです。


なるほど。では「シャドーイング」の具体的な方法を教えてください。
シャドーイング方法は、聞こえるセリフどおりに、抑揚も真似て声に出して話すことです。同じフレーズを繰り返すことが効果的です。
ドラマを見ながらシャドーイングを取り入れるとしたら、
「なるほど、このような状況ではこのように話すのか」
と、状況を理解しながらフレーズを声に出します。
この時、字幕を見て意味が分かるともっと覚えやすいです。
(※但し字幕は意訳が多いので、混乱しないように気を付けましょう)
次に巻き戻しをして、繰り返し声に出して練習します。
それから目を閉じてセリフを聞いて、セリフを追うように発声します(シャドーイング)。
時間を特に決めず、自分が集中出来る範囲で、一つのセリフからやっていき、少しずつフレーズを増やしていってください。


なるほど、根気が入りそうです。
そうですね、でもこの勉強方法を身に付ければ、いつの間にかぐんと力がつくはずです。


そういえば、急にある時、韓国語が耳にはいってくるようになったという人もいますが、上達の仕方はいろいろですよね。
そうですね。徐々にわかるようになる、階段式にわかるようになるなどいろいろだと思います。
どんな伸び方をするのか、みなさんの勉強のやり方は違いますから、はっきりとはわかりません。
朝起きて「急にわかった!」的なことはないとは思いますが(笑)

日常の中での韓国語向上のヒント

ほかに、韓国語を向上させるヒントは何かあるでしょうか
韓国語のヒアリングやスピーキングを向上させるには、アウトプットが必要不可欠なのですが、この機会が圧倒的に不足しているので、なかなか聞いたり話したりが出来ません。
アウトプットの場がないこと、これがみなさんの大きな悩みですよね。
オンライン、オフラインの韓国語レッスンを受けることも勿論アウトプットの一つですが、週1や週2でもなかなか少ないですし、独学だとなおさら難しいですよね。
なので例えば、家にいる時に独り言で韓国語を言ってみる。
思ったことを韓国語にして、わからない時は調べて、それを感情を込めて声に出して言ってみる。
生徒さんのなかには、飼っているペットに韓国語で話しかける方もいらっしゃいますよ。


私も韓国語の独り言をやってますし、好きなアーティストの生配信動画を見て韓国語で相槌を打ったりしています。チンチャ?とかモシッソ!とか(笑)
いいと思います(笑)
あとは、例えば数字を覚えたい時など、スーパーに行って値札を見た時に韓国語で考えてみてください。
カレンダーを見た時にも、韓国語で数字を考えてみてください。可能なら口に出してみてください。
日常生活の中に韓国語をこまめに取り入れることを意識してみることが大事です。

結論:韓国語学習の秘訣とはズバリ?

ここまで先生にお話を聞いてきましたが、韓国語学習において一番大切なことはズバリなんでしょう
毎日学習することです。これ以上にいいことはありません。
まとまった学習時間がない時は一日一文でもいいので、ノートを用意して韓国語で自分の想いを書く習慣を作ってみてください。
時間があるときは少し多めに書いてみる。忙しい時は寝る前の5分、10分でもいいんです。
毎日やれたら相当なプラスになります。
1週間まとめて学習しようというのは難しいですよね。
なので朝起きたらコーヒータイムで10分やってみる、寝る前10分やってみるなど、韓国語のルーティンを作ることが大切です。


毎日コツコツ、日常の中に隙あらば韓国語を意識し、アウトプットする。
やはり継続は力なりですね。
先生、私たちカジャ!コリアでも、韓国人の方と喋ることのできるイベントをこれから考えていこうと強く思いました!
その時は先生来てくださいますか?
はい、もちろんです(笑)

↓キム先生の韓国語レッスンに興味をお持ちの方はこちら↓
道新文化センター キム先生の「楽しい韓国語会話」