【知れば”通”】創成イーストでディープなはしご酒
道新、創成イーストエリアへ本社移転します。
2024年11月1日(金)北海道新聞社は本社を大通東4丁目へ移転。
このエリアは「創成イースト」と呼ばれ、札幌の中心を流れる創成川の東側に位置している。
ダウンタウンとしての名残がありながら、時代とともに新たな顔を見せている創成イースト。
これから末永くお世話になっていくこのエリアへ必要なことは何か?編集部は熟考を重ねた。
「まずは飲み(あいさつ)に行かないといけないですよねぇ・・・」
我々の使命は飲み歩くことではなく「伝える」ことである。
自分たちの足で歩き・見つけ・楽しめた情報を厳選し、発信していくことを弛まず続けていくことが何より重要なのだ。
そして、自分たちがモデルケースを提唱し、先駆者として示しを付けなくては気が済まない。
そんなわけで1週間をちょっとフライング、金曜の17:00からの創成イーストはしご酒!
繫華街の喧騒から一歩踏み出し、新たな扉を開けた大人たちが夜な夜な集う、あらかじめ厳選した2店舗と、偶然出会った1店舗へようこそ。
17:00~【聖地で乾杯!】第三モッキリセンター
昭和元年、角打ちとして歴史を刻み始めて今年でなんと創業98年。創成イーストの風情を形成してきた第三モッキリセンターにまずはご挨拶。札幌でなかなか見られない、王道を往く大衆酒場。
17:00過ぎの店内はすでに活況をみせ、あっという間に席が埋まっていく。それもそのはず、第三モッキリセンターは13:00から営業しているので、明るいうちからお店の空気は温まっているのだ。
MouLa編集部一行のグラスも快調に進んでいく。その背景には充実した「アテ」の数々が。
頬がほころぶ「もつ煮」
塩梅の良い「しめさば」
身体が喜ぶ「酢だこ」
ホッとする「アテ」があるから、さらに飲まさる。
朝の代名詞だって、ハイボールに合う。夕刻も過ぎているのに、朝からハイボールを嗜んでいるような背徳感・・・吞兵衛の聖地、極まれり。
第三モッキリセンターの醍醐味の一つ「特価 にごり酒」はぜひ味わって欲しい。特に寒くなるこれからの季節、心も身体も温めるには最適な手段でしょう?ぼうだら煮と一緒に、ほくほくすること間違いなし。口当たりが良くて、ついつい進んでいく。
創成イーストらしい下町の雰囲気に包まれながら、ちょっと早めの乾杯なんて最高かよ。気の置けない仲間と一緒でも、おひとりさまでも大丈夫。なんならこの取材の別日、平日15:00にふらっと1名でホッピーでハッピーした人もいるのですから。
- 住所
- 札幌市中央区南1条東2丁目2
- 電話番号
- 011-231-6527
- 営業時間
- 月曜日 13時00分~21時00分
火曜日 13時00分~21時00分
水曜日 13時00分~21時00分
木曜日 13時00分~21時00分
金曜日 13時00分~21時00分
土曜日 13時00分~20時00分 - 定休日
- 日曜日・祝日
19:00~【吸い寄せられる(た)異国情緒】ガンケット・ダイマ
創成イーストエリアの夕暮れを散策しながら次を見つけようと、辺りをうろつくこと20分。燦然と輝くあんどんが一行の興味を誘う。見慣れない店名、一風変わった佇まいに気付けば吸い込まれるようにして入店。
ガンゲットとは、フランスの大衆酒場を指し、アコーディオンなどの音色をBGMに、ダンスと食事を愉しむ場所だそう。また、ダイマはスワヒリ語で「永遠」を指し、明るく嬉しい毎日が続いていくようにと、思いが込められているとのこと(たまたま開いた辞書で、指が見つけた言葉らしい)。
一行はメニューを拝見して気になった「ダイマライス 昭和モダン」をいただくことに。この時点で、ダイマライスがそもそも一体どんなものであるのかはあえてお尋ねせず、偶然の出会いをオーダーでも楽しむことにした。
ガンゲットはフランス語源であるものの、お店全体に漂う多国籍感。よくお話しを伺うと、お店の歴史とともに触れた国々のエッセンスを取り入れた結果、ヨーロッパ・東南アジアなど、エキゾチックな雰囲気と味わいが生まれたそう。
そしてテーブルにやってきた「ダイマライス 昭和モダン」は、ふんわり・アツアツたまごに覆われたソースめしが絶品。日本らしいソース感の中に漂う、秘密のスパイスがまた良い。焼きたてのキッシュ、最高だった・・・。
実際にお店では定期的にガンゲットとしてアコースティックのライブも行われ、創成イーストの夜をミュゼットが彩る。狸小路がシャンゼリゼ通りならば、創成イーストは洒落た下町であるモンマルトルさながら。お酒が飲めなくても、雰囲気と絶品料理に舌鼓打って欲しい。代表メニューの「ダイマライス」はいわゆる「アジアンテイストチャーハン」で、これもまたエキゾチックなのにほっとする味わい。
お店を始めたはずが、ミュゼットの音色に惹かれた2人のBuddyはいつしか国境を越え、フランスで公演を行い、今はお店の傍らラオスの教育支援や産業発展に貢献もされているとのこと。まるでヒューマンドラマの名画を見ているようなエピソードの数々は、ぜひゆっくり通いながら1話ずつ聞き進めるのも一興。
おそらく、日本にここしかないであろう貴重なオーベルニュ式バグパイプの音色にもぜひ酔いしれて欲しい。編集部が偶然、お店に出会ったように、お店のお二人が紡いだ数々の「ダイマ」が今日も続いている。
なお、お店は月~木は原則「予約制」となっているので、訪問前は電話で営業状況を確認してからを推奨。編集部がお邪魔した金曜日は通常オープンでした。2024年10月7日(月)~24日(木)はお休みなので注意!
- 住所
- 〒060-0053 札幌市中央区南3条東1丁目6
- 電話番号
- 011-222-8522
- 営業時間
- 18:00~24:00(23:30オーダーストップ)
※月~木はご予約をお願いいたします - 定休日
- 不定休
20:30~【大人のステータス】ウヰスキー酒場 STARMAN (スターマン)
呑み場所に創成イーストを選ぶ大人たちが、最後に行き着く場にふさわしい一軒。のれん横丁の一番奥深くに、その入り口がある。
店主の佐々木さん自らセレクトしたウイスキーは、愛好家を唸らせること間違いなし。
アンビエントなBGM、ほんのり灯る照明、微かに燻るオリエンタルなお香。憧れた映画のクールな主人公たちは、こういうお店を選ぶはずだ。
お通しは羊羹とナッツ。モルトとのマリアージュを追及した結果、栗羊羹が最適解だったそう。ピーティーさ・ウッディさはもちろん、モルトの甘みを引き立ててくれる。栗が入ることで、奥ゆかしさが段違いに広がっていく・・・。
店主の佐々木さんは「『好き』を集めただけだよ」とお店を形容したが、それだけではない。大人にしかわからない「良い」が、創成イーストのへそに6席だけ用意されている。腰を下ろして、ゆっくり丁寧に過ごす時間の価値がここにある。こうした粋なお店に出入り出来るのは、大人のステータスと言っても過言ではない。
ふと、カウンターに視線を下ろすと気になるPOPが。これをオーダーせずにはいられないでしょう。
「お蕎麦」を締めにするのも粋な大人ではないだろうか。わざわざ羽幌町から取り寄せているというお蕎麦は味も香りも芳しく、特にかえしが絶品。グラスに残ったモルトとともに、穏やかに流れる時間を最後まで愉しんで欲しい。
スターマンが、のれん横丁で待っている。キッズだった大人たちに、本物を教えてくれる。デヴィッド・ボウイとミック・ロンソンが知ったら、喜んでくれるに違いない。
- 住所
- 〒060-0053 北海道札幌市中央区南3条東1丁目6
- 電話番号
- 011-241-5508
- 営業時間
- 20:00~03:00
- 定休日
- 不定休
創成イーストの夜、最高。
ふと振り返ると夜の色も深くなり、創成川の向こう岸を見渡すと異世界にいるような気分に。
札幌の下町情緒は、夜ひらく。「知ってる」大人が集まる創成イースト。はしご酒3軒、楽しかった~!22:30飲み終わり、きちんと終電にも間に合う時間に解散!
落ち着きがありながら、個性が際立つお店が軒を連ねるこのエリアは、まだまだ良いお店がたくさん。今宵のご挨拶だけでなく、足繫く通ってもっと知りたい・・・!
創成イーストの皆さん、これからお世話になります!よろしくね~!
北海道新聞本社は11月1日に大通東4丁目に移転します。それを記念して、北海道新聞社が運営する各メディアにて創成イーストを特集しています。本記事とあわせ『TripEat北海道』でも「札幌・創成イーストでおいしい朝ごはんが食べたい! おすすめ飲食店ご紹介」と題した記事を配信中!あわせてぜひご覧ください。