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ゆめぴりか発祥の地のプライド。比布町の米農家「久保農園」のこだわり

提供:北海道比布町

ゆめぴりか発祥の地のプライド。比布町の米農家「久保農園」のこだわり

北海道の真ん中、旭川の隣町である比布町で、50年以上に渡り米作りを行っている久保農園。

歴史ある米農家の3代目を継ぐ、久保昌義さんが作る「ゆめぴりか」は、ふるさと納税で注文が殺到する人気商品だ。数千件の申し込みが集まり、比布町で注目度が高い返礼品のひとつとなっている。

「一度、久保さんのゆめぴりかの味を知ってしまうと他のお米を選べない」という人が居るほど、その味に魅了されるファンが多い米農家さんである。

米農家を継げなかった、若かりし頃の失敗を経て


久保農園は30haの面積でお米を栽培しており、特別栽培米(減農薬)にも力を入れている。最近では試験的に無農薬の栽培にも取り組んでいるという。

久保さんが農業に就いたのは、30歳という少し遅いスタートだった。「それまでは札幌で飲食関係の仕事に就いていたんです。最初は農業を継ぐ気だったんですけど、両親を説得できなかったんですよね」と少し気恥ずかしそうに久保さんは話す。

当初、農家を継ぐことを志していた久保さんは、20歳の頃に農業研修でアメリカに渡り、2年間農業を学び、経験を積んだ。その時、現地で見た生産者の姿が日本の農家とは大きく異なっていたことに衝撃を受けたという。「彼らは自分たちで農作物をブランド化し、販路拡大のために直接買い手と商談も行うんです」。

当時の久保さんにはそれが衝撃的で、自身もやってみたいという気持ちで日本に戻り、実家の両親に思い描く農業を伝えたが、当時は若かったこともあり、首を縦に振ってもらうことが出来なかったという。

理想の米作りを目指して。試行錯誤の先にたどり着いた「ゆめぴりか」


全国各地から注文が入る、農園の看板商品である「ゆめぴりか」。もっちりと甘い食味が特徴

紆余曲折を経て、実家を継ぎ農家として米作りを始めた久保さん。農業を始めた当初、自身が納得する米作りを追求する日々は、答えのない試行錯誤の連続だったという。

1平方メートルあたりに植える稲の本数を変えたり、肥料を与えるタイミングや量を変えて、稲が健康的に育つバランスを見出していった。

「昔は今みたいにドローンのような便利な機械が無かったので、田植え機を改造して肥料を理想的に管理出来るよう工夫していました」。理想の米作りのためなら、無いものは作るという飽くなきこだわりへの追求の姿勢には驚くばかりだ。


実りの時期には立派な稲穂が頭を垂れて、徐々に金色を帯びていく。トンボが稲にとまりはじめ、もうすぐ収穫の時期を知らせてくれる

そんな久保さんとゆめぴりかとの出会いは約10年前。現在は米どころとして有名な北海道は、かつては味が悪く不評な産地だった。

そこで、「日本一美味しい米を作ろう」という思いで、比布町にある北海道上川農業試験場で開発が始まり、10年の期間を経て2008年に誕生した「ゆめぴりか」。食味ランキング最高位の「特A」を獲得するほどの非常に美味しいお米とあって、久保さんも試食をしてみるとあまりの美味しさに衝撃を受けたという。

ゆめぴりかに惚れ込んだ久保さんは早速に栽培に取り掛かり、現在では久保農園の出荷量の半分を占める人気の品種となっている。

お客さんの「おいしい」が一番の喜び!味への追求は続く


収穫の時期には金色の穂が一面に広がる。大雪山の借景とともに美しい自然の中で育つお米は絶品だ

現在、久保農園ではゆめぴりかをはじめ、おぼろづき、ななつぼしといった品種を生産している。

大雪山の雪解け清水がそそぐ肥沃な土地が育むお米は、低農薬栽培にもこだわっており、安心・安全で美味しいと評判だ。その他に、にんにく、じゃがいも、かぼちゃなども手掛けている。

米作りにおいて、一番こだわっているのは「味」と、久保さんは言い切る。「同じゆめぴりかを生産している米農家は多いので、味にはこだわっています。お客さんが美味しいと言ってもらえるものを作りたいと思っています」。

久保農園のお米は全国各地から注文が入り、毎年楽しみにしているリピーターも多い。久保さんにとって、美味しかったから今年もまた買いたい!というお客さんの声が、何よりの励みになっているのだ。


ゆめぴりかは、程よい粘りと甘み、つややかな炊き上がりで「日本一美味しいお米」と言われています。食べ比べ試験第一位「最もおいしい」の評価。(一財)日本穀物検定協会令和2年度産米 最高位「特A」

そんなおいしい米作りのためには、土作りだけでなく精米の工程も注意が欠かせない。

一般的な精米機でお米を精米する場合、米に機械の熱が伝わって鮮度が低下してしまうことが多い。久保農園は精米機にもこだわり、精米時に熱が発生しにくい環境をつくることで、米の鮮度低下を防いでいる。

また、精米のタイミングもこだわっており、基本的に注文が入ってから精米を行うため、徹底的な鮮度管理のもと、お客さんには常に新鮮な状態のお米を届けられるように様々な工夫がなされているのだ。


最後に、久保農園の今後の展望について尋ねてみると、久保さんは「子供が胸を張って、お父さんのお米が一番おいしいって思える、お米作りをしていきたい」と言って、少しはにかみながら語った。

お米にも、お客さんにも、家族にも愛情たっぷりの久保さんのお米を、ぜひ一度味わっていただきたい。


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※記事の内容は取材当時のものです。