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【川から生まれる「イクラ」!?】海のない地域で老舗が挑み続ける知られざる「ニジマス養殖」

提供:北海道比布町

【川から生まれる「イクラ」!?】海のない地域で老舗が挑み続ける知られざる「ニジマス養殖」


ぴっぷでしか食べられない!?特別なイクラ丼!

皆さん、「イクラ」って聞くと、海の鮭から採れるプチプチの卵を思い浮かべますよね?でも実は、海のない土地で「川から生まれたイクラ」が名物になっている町があるって、ご存知でしたか?

北海道の中央部、豊かな自然が広がる比布(ぴっぷ)町では、ニジマスの養殖業を長年営んでいる老舗、「にじます工房有限会社」さんが作っている珍しいイクラが、全国的にも評判になっているんです。


そのイクラの正体は、なんと「ニジマスの卵」「ぴっぷスキー場のイクラ丼」って聞いたら、「あ!」と思い当たる方もいらっしゃるかもしれませんね。


スキー場にある食堂「雪番屋」

なんとにじます工房さんは養殖の傍らスキー場の食堂も経営していて、イクラは長年人気のメニューになっています。シーズン中はそのメニューを求めて、町外からもたくさんのお客さんがわざわざ足を運ぶほど評判で、最近ではふるさと納税の返礼品としても多くの人気を集めているのだそう

今回は、そんな珍しい取り組みをしているにじます工房さんに、張り切って潜入取材してまいりました!

全国から注文が寄せられる、知る人ぞ知るニジマス養殖のパイオニア


にじます工房さんは、比布町の清らかな水で育ったニジマスやヤマベ、オショロコマなどを養殖している老舗企業さん。

ぴっぷスキー場の食堂や釣り堀も運営していて、最近ではふるさと納税の返礼品としてもその珍しいイクラやニジマスの加工品が注目を集めているんですよ。

でも、インターネットで検索してみても、意外と情報が出てこない、ちょっと謎めいた一面もあるんです。


春から秋にかけて週末は釣り堀もオープン。ニジマス、ヤマベ、オショロコマなど5種類の魚を釣ることができ、狙いめはやっぱりニジマス!中には、50センチを超える大物も!

養殖一筋40年以上。卵から育てるこだわりの活魚


代表の鈴木和博さん。お話を聞いていると、本当にパイオニア精神にあふれたエネルギッシュな方なんです。

にじます工房さんの歴史は古く、創業は40年以上も前に遡ります!もともとは先代のご主人が、森だった地を切り開くところから養殖場を始めたと伺いました。当初は活きた魚を出荷するのが専門でしたが、現在ではニジマスの他にも養殖用卵の注文も道内外から寄せられる、多くの顧客を抱える養殖のプロフェッショナルでいらっしゃいます


ニジマスの成魚は大体40から50センチくらいになります。4~5月にかけて親魚から卵を採る「採卵」を行い、稚魚を大切に育てて秋頃に池に放流します。出荷までには大体4年もの歳月がかかるのだそう。

そんな豊かな比布町の自然環境の中で、川魚の成長に深く関わってきたにじます工房さんの一番の特徴は、魚は全部、自社の敷地内で卵から丁寧に育てていることにあります。


驚くことに養殖場の設備の多くが手作りなんだそう!先代とともに土地の開墾と水槽づくりから始め、何でも自分でやってみるというのが工房のモットー。

一般的な養殖では、魚や卵を仕入れて孵化や養殖を行いますが、にじます工房では仕入れた魚での養殖は一切行いません。それは、「良い親魚からでなければ美味しい魚は育たない」という強い信念があるからです。


写真は検卵器と言う機械で死んで白く濁った卵を大体よけた後、さらにピンセットを使って一粒ずつ手作業で卵チェックするそうで、聞いてるだけでも非常に大変な作業です!

すべての魚は自社で大切に育てられた親魚から採れた卵から生産されており、長年の経験から培われた確かな目で選び抜かれた卵だけが、健康で立派な魚体に成長するのです。このような形でニジマス養殖を行っている企業は、北海道内でも本当に数えるほどしかなく、まさにこの分野のパイオニアと言っても過言ではありません。


魚のわずかな変化も見逃さないように、毎日丁寧に観察しているそう。創業から30年以上もの間、魚の世話のために外泊をしたことがなかったというお話からも、品質への強いこだわりが感じられます!

また、川魚の養殖は本当に細やかな管理が求められるとてもシビアな世界だと鈴木さんは話します。魚の状態は毎日チェックする必要があって、池によっても水質などの環境が微妙に違うため見た目に魚の様子が変わっていないか、日々目を光らせています。

長年培った経験から、水の量や水温や酸素濃度などは特別な計測器を使わなくても魚の様子を見るだけで大体わかるようになるんだそう。環境が悪くなると魚はすぐに餌を食べなくなってしまうため、それほどまでに丹念に行き届いた管理によって一匹一匹、健康な魚が大切に育てられているんですね。

全国の有名テレビ番組でも紹介!ニジマスから作られる『絶品イクラ』!


ニジマスのイクラは、近年ふるさと納税でも人気の逸品になっています!

にじます工房さんでは、20年ほど前に魚の加工をスタートし、「にじます工房」という加工部門を設立しました。それ以来、ニジマスのフィーレやイクラといった加工品を製造して、卸売や直売を行っています。


とれたてのキラキラと光るあざやかなニジマスのイクラ。卵はすべて手作業で丁寧に取り出していきます。

にじます工房さんのイクラは、なんといってもその新鮮さと、口の中に広がる濃厚な味わいが評判で、誰もが知るような有名なテレビ番組でも紹介されたことがあるほどなのです!


生の状態のイクラは卵がやわらかく潰れてしまうため一度湯通しを行います。この温度設定が重要で、にじます工房や他の会社でも企業秘密なのだそう。

やはり特筆すべきは何と言っても鮮度。淡水魚は、海水魚に比べて鮮度が落ちるのが早いと言われているんですが、にじます工房さんでは、生きた魚をすぐに加工しているんです。


魚の水揚げは、二人一組で水槽に入り網を使って行います。選別もオス・メスはもちろん、イクラの有無も見た目でわかるのだそう。

養殖場のすぐ隣に加工場があるという利点を活かして、魚を瞬時に加工し新鮮な状態の美味しさを損なうことなく、そのまま食卓に届けることができるのが最大の魅力です。


養殖した魚は自社の加工場で新鮮な状態で加工され、スキー場でのメニューとして提供されるほか、ホテルなどにも卸しています。

また、長年イクラを作り続ける中で配合を研究してきた、自家製の醤油ダレも美味しさの秘訣!丁寧に手作りされ、シンプルな味付けながらもご飯によく合う味わいに仕上げられているんです。


自家製の醤油ダレに漬け込んだ状態で一晩寝かせることで味をしっかりと染み込ませているのです。

スキー場で味わう幻の味!?地元で評判のニジマス料理


比布町のスキー場で、この新鮮で美味しいイクラが味わえるという珍しさも、人気の理由の一つ。

さらにユニークなのは、近隣のスキー場のレストランでも、自社で丁寧に加工したニジマスを使った様々な絶品料理を提供していること。新鮮なイクラが、まさかスキー場で気軽に食べられるなんて、インパクト大ですよね!


ニジマス料理の他にも、なんとハンターでもあるご主人が町内で駆除した鹿を活用した鹿カレーや鹿肉ハンバーグも提供。料理はすべて手作りで、ハンバーグソースやトマトケチャップまで手作りだというから驚き!

イクラをたっぷりと使った贅沢なイクラ丼や、風味豊かなニジマスの漬け丼、そして、お子様から大人まで大人気のカレーといった、手頃な価格で楽しめるメニューも豊富に揃っているんです。その美味しさが口コミで広がり、冬のスキーシーズンには、道内各地からはもちろん、地元の人たちもこぞって訪れる、知る人ぞ知る人気店となっているんですよ。

「育てることが好き」情熱が育む、比布町の宝


「生き物の成長が目に見えるのが好きなんです。卵から徐々に成長していくところが、本当に面白いんですよ」。そう語る鈴木さんの言葉には、魚を育てることへの深い愛情が、ひしひしと伝わってきます。

もちろん、養殖には大変な面もたくさんあるけれど、その成長を間近で見守ることに、何物にも代えがたい大きなやりがいを感じているとおっしゃっていました。


何もない場所で、文字通りゼロからニジマスの養殖を手がけてきた鈴木さん。想像もできないような様々な苦労を乗り越えながらも、その開拓者精神と、並々ならぬ情熱が、比布町の美味しいニジマスを育て上げてきたんですね。


将来的には銀鮭の卵の出荷という国内でも数少ない試みに挑戦中なのだそう。前例が少ないため課題も多いそうですが、実現に向け日々挑戦と試行錯誤を続けています。

比布町の豊かな自然と、にじます工房の情熱が育んだ清流の恵み。ぜひ一度、その美味しさを味わってみてください。きっと、その奥深い味わいと、作り手の温かい想いに心惹かれるはずです。

にじます工房㈲
住所 上川郡比布町北7線17号

※掲載している情報は取材当時のものになります


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