【苫前町】関西のプロが指名買い!日本最北「とままえメロン」の知られざる物語

提供:北海道苫前町

【苫前町】関西のプロが指名買い!日本最北「とままえメロン」の知られざる物語

北海道産なのに道内に出回らない希少な「とままえメロン」


北海道の夏の味覚といえば、みずみずしく甘い「赤肉メロン」を思い浮かべる方も多いでしょう。しかし、私たち道産子でもなかなか出会うことができない、まさに“知る人ぞ知る”特別なメロンが、日本海に面した最北のメロン産地・苫前(とままえ)町にあるのをご存じでしょうか?

その名も「とままえメロン」。


おそらく、北海道民でもあまり知らないという人が多いかもしれませんが、無理もありません。

というのも、実はとままえメロンは北海道でつくられているにもかかわらず、道内ではほとんど流通していないからです。なんと、生産量の約9割が関西地方へ出荷され、大阪の市場では非常に人気が高いのだそう

でも、一体なぜ関西ではそこまでの人気があるのでしょうか?そこには、単に品質の良さだけではない、生産者たちの苦労と挑戦の歴史が隠されていました。

今回は、そんな「とままえメロン」の知られざる魅力をフカボリします!


そもそも「とままえメロン」って、どんなメロン?


苫前町は日本で最も北に位置する「最北限のメロン産地」でもあります!

とままえメロンは、北海道北西部の苫前町で40年以上にわたってつくられてきた赤肉系のメロン。実は「とままえメロン」という一つの品種があるわけではなく、時期ごとにおいしく育つ品種を選んで生産・出荷されています。

特徴は、果汁感のあると~ってもしっかりとした甘さと、噛むほどに濃い味わいが広がるジューシーさ、そして日持ちが良いのも見逃せないポイント!

そんなとままえメロンの歴史は古く、生産が始まったのは1980年代。40年以上かけて少しずつ産地として知られるようになりました。現在は約25戸の農家で年間約400トンの生産量を誇り、2023年には「とままえメロン」として地域団体商標の登録も行いました。

でも、そもそもなぜ苫前町でメロンをつくることになったのでしょう?その裏には、意外な出来事があったのです。

「米が作れない」から始まったメロンづくり


お話を聞かせていただいた生産者の松原農園の松原さんご夫婦。お父様の代からメロンづくりを行っています。

実は、とままえメロンが誕生した背景には、昭和50年代に始まった「減反政策」があります。

それまで米づくりが中心だった苫前の農業。作付面積の約半分のお米を作ることが出来なくなり、畑地の面積が小さい苫前の農家にとって大きな問題でした

「お米が作れなくなって、これからどうしていくか・・・」強い危機感から、農家の方々はお米に代わる新たな作物を求め、様々な作物の栽培に挑戦しました。

当時、道内の他の産地ではメロンが盛んに栽培されていたことから、一軒の農家さんが試しに育ててみたところ、思いのほか立派なメロンができたそう。これがきっかけとなり、徐々に地域で生産する農家が増え、苫前のメロン栽培の歴史がスタートしたのです。

逆境のなかで、いろいろな試行錯誤を経て辿り着いたのが、実は「メロン」だったのですね。

こうして、1987年に農協への本格的な出荷がスタートしたのですが、実はここからがまた大変でした。

最初は全く売れなかったメロンに悔しさがにじんだ日々。


苫前町でメロン栽培が始まった当時の市場には、すでに北海道産の有名な産地がいくつもありました。

当然、知名度が無かった苫前のメロンは、当初、札幌や東京の市場へ持っていっても全く相手にされなかったそうです。

手塩にかけて育てたメロンは見向きもされず、生産者は途方に暮れました。このままでは、せっかくつくったメロンが売れない。

それでもなんとかしなくてはと思い、お盆前の出荷シーズンには、朝収穫したメロンを車に積んで、近郊の町まで自分たちで売り歩いたこともあったそうです。

そんななかでこの苦境を打破したのが、当時の農協担当者による熱意あふれる英断でした。「関東の市場に量や知名度で太刀打ちできないなら、それを飛び越えて、食に一切の妥協がない関西(大阪)市場へ売り込もうと決断したのです!

「ダメ元」で飛び込んだ、関西市場との運命的な絆


当時の担当バイヤーとの信頼関係は今も続いており、なんと現在は市場を代表する大手仲卸の社長になっているのだとか!

「本当に美味しいものであれば受け入れてくれる関西の市場に、砕け散る覚悟で飛び込もう」

ダメ元で飛び込んだ大阪の市場ですが、ここでメロンを真剣に扱ってくれる市場関係者と出会います。これが、とままえメロンの大きな転機でした。

食にうるさい関西のバイヤーの目利きにも認められる高い品質と、日持ちの良さも相まって、北海道ではなかなか売れなかったメロンが海を越えた関西で評価されるようになったのです。

その後は順調に販路を広げ、現在では毎年生産量の約9割が関西方面へ出荷されるようになり、今では「とままえのメロンはないか」と指名されるほどにもなりました。

北海道でつくられたメロンが関西で知られることになったのは、このような背景があったのですね!

味にうるさい関西も認める「とままえメロン」の品質


採れたてのメロンはツルの断面からほんのりオレンジ色の雫がしたたり落ち、いかにジューシーなのかがひと目でわかります!

では、とままえメロンが支持され続けているのには、一体どんな理由があるのでしょう?

ひとつは、苫前の地域循環型の土づくりです。

北海道の認証制度「YES!clean」の基準をクリアし、農薬や化学肥料の使用を最小限にした安全・安心な農法を採用。さらに、苫前町周辺には酪農家が多く、そこで生まれる良質な堆肥を活用し毎年たっぷりと土に入れることで、有機物に富んだ土壌をつくっています。

これによって木そのものがしなやかに育ち、メロンに深いコクと噛むほどに広がる濃い甘みが生まれるのだとか。


そして、もうひとつは「人の目」。

「メロンは人の足音が好き」と言われています。作り手である生産者は、日々ハウスを歩きながら、葉の状態や実の様子を一つひとつ確かめています。水やりのタイミングも、決められた量を機械的に与えるのではなく、常にメロンの状態を見ながら、自分の目で確かめて判断しています。こうした栽培には、メロンの状態を見極める熟練の目利きも必要なのです。

さらに、収穫後の工程も非常に重要です。とままえメロンは、ブランドとして糖度14度以上を基準にJAの選果場で外観品質と糖度を一箱ずつチェック。産地全体で品質基準をクリアしたものだけが出荷されています。

このように、おいしいメロンは土や品種だけでつくられるものではありません。生産者をはじめ、地域のさまざまな関わりあいと日々の積み重ねが、とままえメロンの味を支えているのです。

「とままえメロン」は苫前の生産者の誇り


「メロンづくりを始めた当初は本当に苦労が多かった」と、当時のことをお話くださった松原さんのお父様、幸博さん。

とままえメロンは現在、約25戸の生産者によって年間約400トンが生産される産地になりました。しかし、ピーク時と比べて人手不足などを背景に、メロンをつくる生産者は減り続けているそうです。

「とままえメロンは、私たち生産者にとって地域の誇りです」と、松原さんは話します。

先代が40年以上かけて育ててきたメロンをこれからも残していきたい。そのために、いま生産者たちが力を入れているのが、次の世代へメロンづくりを繋いでいくことです。

若い後継者が増えている一方、メロン栽培には人手も設備も必要で、決して簡単ではありません。そこで、生産者同士がSNSで栽培の情報を共有したり、使わなくなった資材を融通し合ったりと、困ったときに相談できる関係をつくりながら、産地全体で支え合っています。


さらに、2023年には、「とままえメロン」の地域団体商標を取得しました。

農協の合併などを背景に、「苫前」という名前が産地名として埋もれてしまうことへの危機感があり、40年以上かけて築いてきた名前を守るために取得したものです。

「地域の名前を背負ってメロンをつくることはプレッシャーでもありますが、この商標によって『名前が残る商品』にできたことは、生産者たちにとって大きな誇り(プライド)になっています」と、松原さん。

「とままえ」という名前を守ることは、これまで築いてきた産地の歴史と品質を守ることでもあります。その誇りを胸に、地域が一つになって、次の世代へと受け継いでいく―――。地域団体商標には、そんな生産者たちの想いが込められています。

産地づくりは人づくり。「とままえメロン」を未来へ繋いでいくために


今から約40年前に手探りで始まったメロンづくりは、今では町を代表する特産品にまで成長しました。

一方で、これまで築いてきた産地とブランドを、これからどう守り、次の世代へ繋いでいくかが重要な課題となっています。

先代の幸博さんは、「産地づくりは人づくり」という言葉を口にしていました。「とままえメロン」は、地域の生産者にとって誇りであり、地域の産業を支える大切な存在です。そのブランドを守るため、生産者同士が自主的に横のつながりを大切にし、栽培技術や品質の維持向上にも取り組んでいるそうです。

産地を築いてきた先人たちへの感謝を胸に、これまで培ってきたものを次の世代へ。生産者同士がつながり、支え合いながら「とままえメロン」のブランドはこれからも受け継がれていきます。

美味しいメロンをふるさと納税でも


「とままえメロン」は、苫前町のふるさと納税で返礼品として受け取ることができます。道内ではなかなか手に入れることができない貴重なメロンをぜひ召し上がってみてください!


とままえメロンのふるさと納税はこちら

JAるもい 苫前支所

住所
北海道苫前郡苫前町字古丹別203番地の1
電話番号
0164- 65-4411

掲載している情報は取材時のものです