道内の観光・グルメ・おでかけ情報満載 MouLa HOKKAIDO(モウラ北海道)

「北海道から東京へ」シンガーソングライター湊ゆずが語る新たな決意と音楽への夢

「北海道から東京へ」シンガーソングライター湊ゆずが語る新たな決意と音楽への夢

高校卒業を機に札幌から東京へ活動拠点を移す湊ゆずさん。北海道での3年間の音楽活動の締めくくりとなる最後のワンマンライブ翌日、彼女の表情には期待と強い決意が入り混じっていました。札幌の大通公園で歌い続けた彼女が、なぜ東京を選んだのか。そして、これからの音楽活動にどんな思いを込めているのか。上京前日に語ってもらいました。


【ライブレポート】湊ゆず、高校最後のワンマンライブで見せた"等身大の輝き"はこちら

高校最後のライブと新たな出発

湊ゆずさんにとって、3月30日のライブは北海道での活動の区切りとなる大事な1本でした。まずは彼女に昨日のライブを終えての気持ちをお聞きました。

昨日のライブ終えての今の気持ちを教えてください。

湊ゆず 北海道でシンガーソングライターとしての3年間の活動の区切りとなる節目ライブだったので、すごく大事にしたい1本でした。
初めて来てくださる方もいますし、3年間見続けてくれた方だったり、ストリートで一緒に暑い日も寒い日も過ごしてくれた方もいるので、とにかく皆さんが安心して「湊ゆずいってらっしゃい」って言えるようなライブをしようと思い挑みました。
でも、思うように行かなかった。終わりよければ全てよしってよく言いますけど、なんか神様のいたずらというか、ファーストワンマンやセカンドワンマンの方が良かったし、大きい感動があったんじゃないかなっていう凄い負い目を感じるライブでした。
物販に出る前、すっごい悔しい気持ちを抑えながら行ったら、お客様の笑顔に元気をもらってしまって、「これじゃダメだな」って。
逆に4月からの活動はもうちょっと見直すところもあるかなってすごく感じたので、節目として自分の気持ちを入れ替える部分では大事なライブだったかなと思います。

昨日の反省点、もう少しこうしたかったなとか、こうしたいっていうのはどういう所がありますか?

湊ゆず お客様が見たいものと自分のやりたいものも違うし、自分のやりたいこととできることも違うから、できないことを無理してやる必要はないんだけど、なるべくずっと伸びていけるように、ちょっとした無理をしながらも、お客様が安心して見られるライブを作れるようにしていこうと思いました。

高校生活と音楽活動の両立

湊ゆずさんは高校生活と音楽活動を両立させてきました。特に印象に残っていることを聞くと、彼女は笑いながらも真剣な表情で答えてくれました。

高校生活と音楽活動を両立していく中で、一番印象に残っている出来事は何でしょう?

湊ゆず 高校3年生の1年間が特に精力的に活動した年だったので、どんどん成績が悪くなっていったことがすごく印象に残ってます。
授業中どうしても眠いんですね。やりたいことがあって夜遅くまでやってしまったりして、学校で寝ては怒られて「好きなことばっかやってんじゃねえよ」みたいなことを言われて泣いたり。
それでも優先順位は音楽が上で、それを怒りながらも、他の生徒と差をつけないために許さなかった先生の思いだったり、なかなか付き合いが悪い自分と、ちょっとした時間があったら一緒にコンビニで買い食いしたりしてくれた友達の思いだったり、すごく今でも受け止めて東京に行きたいなと思っていて、一人一人のそういう応援がやっぱり1番心にのこってます。

でも、それって普通の高校生ではなかなか経験できないことですよね。

湊ゆず 頑張るポイントとか時期がバラバラなだけで、みんなはこれからすごく頑張る時期が来るけど、自分がちょっと早かっただけかなと思ってます。

札幌から東京へ~決断の理由

札幌で活動してきた湊ゆずさんが、なぜ東京を選んだのか。その決断の理由を尋ねました。

札幌から東京に拠点を移す決断をした理由は?

湊ゆず これ以上ずっとストリートをやっていても、自分が目指してるのはストリートシンガーではないし、もっと大きい会場でおっきい感動を皆さんと共有したいなっていう思いがあって始めた活動だったので、「ずっと大通り公園で歌ってていいのかな」って思って。
変わりばえしない日々で生まれる曲も、自信を持って届けられない気がして、もっときつい環境に身を置いてみて、色んな人の痛みを分かるようになって、人の心に届く共感できる曲をいっぱい書きたくて行こうかなと思ったんですけど、3回ぐらいやめようっていう決断に至ってて…、物件の値段とか調べてたら北海道と同じ値段で本当にいいマンションとかあって、「何でこんなひもじくなって東京行く必要あるんだろう」「北海道こんなに大好きなのに何で行くんだろう」と思いました。

最終的な決め手となったのは、父親の言葉。

湊ゆず お父さんにちょっと助けてほしいって頼んだ時に「東京行くかやめるかだろ!行かないんだったらやめろ。甘い気持ちなんだったら助けないしやめろ!」って…
お父さんに怒られたこと人生で1回もなかったんですよ。
可愛い可愛いってされてきたのに突然怒られて、すごいショックだったのと、お父さんのそういう気持ち、ちゃんと応えなきゃなって思って、甘えすぎな自分がすごい嫌だったので、一旦好きなバンドのライブ見に行って決断しようと思って、その日東京で3markets[ ]さんのライブを見て、「ああ、こういうレベルに達するには、色んなライブを見たいな」と思って東京に行くことにしました。

音楽との出会いと目指すアーティスト像

湊ゆずさんに、音楽との出会いや影響を受けたアーティストについて聞きました。意外なことに、特定のアーティストに影響を受けたわけではないそうです。

影響を受けたアーティストはいますか

湊ゆず 上京のきっかけになったのは3markets[ ]さんのライブだったんですけど、音楽を始めたきっかけは特になくて…、暇つぶしというか、コロナの自粛期間でギター買って、弾き語り動画を載せるのが流行ってたので、ちょっとそのエモいのとかに憧れちゃって始めたんですけど。
色んな音楽をなるべく聞くようにしてるので、このアーティストだけが好きとかは特になくて、教えてもらったものは大体聞いてすぐ曲に活かすみたいな感じでやってます。

どんなアーティストになりたいですか

湊ゆず 特に誰とかは無いんですけど、自分の理想像、こういう自分になりたいっていうのは常に持ってて、それになるべく近づきたくてやってるっていう感じです。

ギターを選んだのはどうしてですか

湊ゆず ギターを選んだのは、ピアノでちょっと弾き語りを練習してたんですけど、ギターの方が勢いつく気がして。テレビの音楽番組でギターで弾き語ってる方とか見るとかっこいいみたいな。憧れですね。

音楽に込めるメッセージ

湊ゆずさんが音楽で伝えたいメッセージを聞くと、彼女の音楽観が垣間見えました。

これから作る音楽で一番伝えたいメッセージってなんですか

湊ゆず 一番伝えたいのは、やっぱりなんか人を暗い気持ちにさせるためにエンタメを届けるわけではないので、なるべく自分の音楽に触れた人がその時間だけでもちょっと前向きな気持ちになったりできたらいいなって。
でも、それが明るい曲とかじゃなくて、悲しいんだけど結末は何かちょっと自分の行く方向が見えてくるなっていう曲だったり、そういうものを作って行きたくて。だから、それこそなるべくいっぱい辛い思いして涙流して、人をどうやったら導いていけるかっていうところで曲を作っていきたいなっていう思いがあります。

ワクワクと不安が入り混じる東京生活

東京での生活について、湊さんは少し照れながらも夢を語ってくれました。


明日から東京へ行きますが、いま一番ワクワクしてることは何ですか

湊ゆず 表参道で深い帽子とサングラスをかけて、スターぶってタクシーから降り、アミューズの会社に入る所を見られたいです(笑
そして、帰りは青山フラワーマーケットで花を買って、フランスパンのバケットを紙袋で買って、タクシーに乗って帰ります(笑

不安やプレッシャーは何かありますか

湊ゆず 不安はまだないです。結構楽観的なところがあるので、なんか行ける気がしちゃってて。だから逆に思い描いてる通りに行かなすぎて、すごく落ち込む日が来るんじゃないかなっていうのが一番不安です。
プレッシャーはあまりなくて、早くかっこいい姿で北海道に戻ってきたいっていう自分の思いがすごく強くて、誰かに何かプレッシャーを掛けられてるとかはあまり感じてないので、なるべく自信を持って帰ってきたいなと思ってます。

友達に東京行くって言って、よくある「お前東京行っても変わるなよ」みたいな言葉はありましたか

湊ゆず 東京行くって言ってるのに最後のライブ誰も来てくれないし、お友達とか。1回もワンマン誰も来てくれないし。だけど、ライブ前に「頑張ってね」ってみんなLINEしてくれたり、東京のライブ行くから、おうち泊めてってLINEきてたり、東京に行く日が近付くとよく「今会いに行っていい?」みたいなLINEが来たりするから、多分考えてくれてる気はするんですけど、ライブ来れば会えるのに誰も来てくれないなあって思いますね。

東京行っても北海道弁は使い続けてください。例えば「ぼっこ」とか「ゴミを投げる」とか。

湊ゆず 使ってる意識がないので、やめられないんですよ。これが北海道弁だったって知らなかったっていうことが多いので、「それ何?」と聞かれた時に、例えば「コーヒー」(イントネーション ↗↘)って言ったら、「何?何かおかしいよ?(イントネーションが)」みたいなとか、ちょっとどっちがどっちかよく分からないんですけど、そういうものは多分一生自分から消えない財産なので、北海道を感じるものはなるべく大事にしていきたいなと思います。
なんかあと、東京のテレビに出てる大泉洋さんが、やたら聞き馴染みある声してるなと思ったら、やっぱりちょっとイントネーションがこっち(北海道弁)なんですよ。
そういうの見てると安心する気持ちもあるので、自分もそういう人間になりたいなと思います。

「I ♡ HOKKAIDO」から「I ♡ SHIMOKITAZAWA」へ

札幌のファンへの思いを聞くと、彼女は笑いながらも真摯な気持ちを語ってくれました。


札幌のファンに向けてどんな言葉を伝えたいですか

湊ゆず まず、北海道で放課後シンガーソングライターとしての湊ゆずをたくさん応援して、お力添えいただいたことすごくありがたいなと思ってます。
そして明日4月1日に発表するワンマンライブ、これが「I ♡ SHIMOKITAZAWA」(笑)
目移りの激しい女(笑)

「 I ♡ HOKKAIDO」から?

湊ゆず はい、これがだいぶ批判を食らうんじゃないかと思うし、なんだこいつは?ってなると思うんですよ。
でも、住めば都。なるべく東京行きたくないなっていう気持ちを払うためにやっぱり愛そうということで「I ♡ SHIMOKITAZAWA」にして、もう何だろ、これは行く場所行く場所やっぱ好きになっていって色んな人と繋がって、全国のみんなが自信を持って、湊ゆずのファンとして活動をみて楽しめるように作っていけたらなと思うので、目移りは激しめですが、これからも愛を感じる活動を皆さんにも楽しんでいただきたいなと思います。

将来的に、札幌でまたライブをしたいという気持ちはありますか

湊ゆず もちろんあります。
札幌でしたいのはもちろんですし、とにかく色んなところで色んな人との出会い大切にして活動していきたいので、色んなとこ行って得たものを北海道に持って帰ってきて、楽しいお話をしたり、色んなものを見てきた湊ゆずの表情をみんなに届けたいなと思います。

ライブ前のルーティンはありますか

湊ゆず なんだろ…梅干し食べますね。

梅干し?

湊ゆず お腹いっぱいだとギターが浮いちゃって弾きづらいし、お腹空いてると歌えないし。
ちょうどいいとこ取るには、種抜きカリカリ梅(笑)
口にバクバクバクッって入れることですね。

ここからが本当のスタートライン

2025年4月1日から東京で新たな音楽活動をスタートする湊ゆずさん。その歩みは始まったばかりですが、彼女の歌声が多くの人の心に届くことを願っています。
湊さんの音楽には、北海道の広大な空と東京の喧騒が混ざり合う新たな風景が映し出されるかもしれません。そして何より、彼女の言葉にあるように「悲しいんだけど結末は何かちょっと自分の行く方向が見えてくる」——そんな曲との出会いは、私たち自身の人生を豊かにしてくれるはずです。
これからの彼女の活動に注目しながら、下北沢で開催されるライブを心待ちにしたいと思います。カリカリ梅を食べて臨む彼女のパフォーマンスと、北海道弁が織りなす独特の世界観に触れる機会を、ぜひ皆さんも体験してみてください。湊ゆずさんの音楽の旅は、まだ始まったばかりです。

プロフィール

湊ゆず

湊ゆず

2006年11月10日。北海道札幌市出身。
小学2年生の頃から姉の影響で、歌・ダンス・お芝居を習い始め、様々な音楽と出会い、14歳にアコースティックギターを手にして、15歳からオリジナル楽曲を書きはじめ、札幌のLIVE HOUSEを中心にライブを行う。 2023年「SUPERNOVA」、2024年「IMPACT ! XX」、「TOKYO CALLING 2024」などのサーキットライブへ出演。 2024年4月ファーストワンマンの成功を目標にストリートライブでのLIVE活動を精力的に行いチケットを完売。その後、セカンド、サードワンマンライブを大盛況に終えた。 メディアでは、札幌AM FMラジオ番組にレギュラー出演を務め、Webメディア「MouLa HOKKAIDO」にて2025年3月まで記事連載。


この記事を書いたモウラー

編集部

ニャかむら

面白いネタを探して日々アンテナを張り巡らしています。
これは面白いぞと思われるタレコミ情報お待ちしております。