【不定期連載VOL.2】パク・スエの韓国推し活日誌【タクシーと韓国語と私】
チーム「가자! KOREA」編集長、パク・スエの韓国推し活日誌。旅に役立つかもしれない?情報なども織り交ぜて、楽しい韓国時間をゆる~く綴ってゆきます。
アンデー!韓国語わかりません!
十年以上ぶりの海外旅行。大雑把で楽観主義、ノリでやってしまうのが好きな性格ゆえ、下調べもよくせずに初めての韓国旅行、釜山に渡り、英語くらいはどこでも通じるだろうと高をくくっていたわたくしの試練。
金海国際空港から都心へ
初めての韓国旅行の行き先は釜山。
推しの故郷ということで、金海空港に降り立った瞬間は感無量でした。
2022年10月当時は、万博の誘致活動に関連するVISIT BUSANキャンペーンが盛り上がりを見せ、空港ではチマチョゴリを着た可愛いお姉さんたちが記念品を配っていました。
空港では必ず「タクシー乗り場からタクシーに乗る」というのは鉄則ですが、「乗っていかない?」おじさんが必ず寄ってきます。
この旅行の時もおじさんが近寄ってきて、流ちょうな日本語で「タクシー探してますか~」と話しかけてきます。この時は何を思ったのか「この人は信じられる」と直感的に思い、試しに交渉するととても安い。我々が大人数、さらにスーツケースも巨大で複数だったこともあり、大きなワンボックスカーのおじさんタクシーでホテルまで行くことにしました。
結局とっても安かった。
貰ったタクシーカードを見ると、普通のタクシー会社さんっぽい。日本語が話せるアジョシもいるため、よく日本人を乗せてるそうです。結局帰りの空港のお迎えも頼みましたが、我々はたまたまちゃんとしたタクシーに当たっただけで、やはり原則乗り場からきちんと乗ることをもちろん推奨します。一応旅の忘備録として。
釜山は大都会です。
一緒に行った友人の一人が韓国留学経験者だったため、言葉は彼女にお任せして、ひたすら豪快に飲んで食べて、釜山の夜を楽しみました。
いきなりのソロタク
そして翌日。
我が推しの整地巡礼に徹するため、推しが別の友人たちと別れ、わたくしは単独行動にいきなり打ってでました。最初の目的地は、推しのお父さんが経営するカフェ。
韓国語もわからず公共交通機関を使う余裕もなかったため、交通手段はタクシー一択。どでかい通りで手を上げて、流しのタクシーをいきなりつかまえて乗り込みます。
「メ、メグネイト、カジュセヨ・・・」
「???」
…やばい、唯一教えてもらった韓国語(もどき)がなんか通じてないっぽい。
釜山市民ならきっと誰でも知っていると思い込んでいた、メグネイトという店名が通じてなかったようです。もし有名な場所でも韓国語の発音が難しいなどの理由で、口頭で行き先が伝わらないことが多いので、言葉に自信が無い方は、行き先の住所がわかるものを見せた方が早いかもしれません。例えばスマホの場合は住所を大きく拡大して、タクシーアジョシ(おじさま)に見せます。小さいままだと、「アンボヨヨ アンボヨヨ(見えない見えない」言われてしまいます。
チェックインの時にホテルカードをピックアップして持ち歩くと、帰る時のタクシーも安心です。
ネイバーマップアプリがあれば、Googleマップのように自分の現在地がわかって、いまどこを走っているのかがわかるので安心です。
「ヨギエソ セオジュセヨ(ここで止めてください)」
当時はこんな言葉も勿論しらなくて、目的地に近づいて身振り手振りと英語でストップヒアプリーズとか言ってたと思います。
まぁ通じればよし。
なんとか目的地について聖地を存分に堪能したあとは、次なる聖地へ。
カカオタクシーのお時間です
店を出るとタクシーなぞ一台もない。
ここでカカオタクシーアプリの登場です。
使い方は日本のGOタクシーとほぼ一緒ですが、
カカオの方は運転手さんの顔写真も入ってきますw
但し注意が必要なのは、到着の報告が来てその場にいないと、すぐに立ち去ってしまうこと。
そう、韓国はとってもパリパリ(急ぎ)文化。
韓国語が堪能であれば、メッセージで「ちょっと待っててください」等返せるのでしょうが、
とてもそんな芸当はできません。
道端でふらふらしている間に、いつのまにかあっという間にいなくなってしまっていたタクシー。
めげずにもう一度タクシーを呼んで、目を皿のようにしてやってくるタクシーのナンバーを探していると、
なんとか3度目の正直でマッチング、乗り込めました。
タクシーアジョシがなにやら韓国語で話しかけてきます。
「…?」
まるで宇宙語のようで全く理解できなかったけれど、何度か聞き返していると、
なぜ私が乗車した場所のカフェが、こんなに人であふれかえっているのか、という質問っぽい。
「BTS」「ジミンアボジ」「ショップ」
これで何とか通じたようで、「えーーーーーーー?!」とびっくりしていました。
釜山の英雄のお店も、誰もが知ってるわけではそりゃありませんよね。
さらに、身振り手振りでお互い話しているうちに(運転中である)、私のような年齢の人間がアイドルを追いかけているということがどうやら理解不能らしく、推しを追って日本からやってきた私のことをとても不思議がっていました。
帰国して韓国の方にこの話をすると、韓国人は大学生になると推し活は卒業して、リア充に生きる人が多いとのことでした。そうなんだ…おばさんが推し活するのはいかんのか?
いいえ、いいんです。
いいに決まってるんです。
推しは推せる時に推せと言うじゃありませんか。
好きなものを好きになるのに、早いも遅いもないんです。
人生いつ輝いてもいいんです。
そして決意する
これまでメディアの向こう側で私たちを魅了し続けてきた彼らが、同じ空間にいる。
釜山アシアード競技場、5万人のコンサート。
始めて逢えた彼ら。
夢みたいなルックスと、あまりにもハイレベルな歌とダンス。大いに盛り上がる世界最高にピースフルな空間。
このコンサートのことを私は一生忘れません。
そして同時に感じたこと。
…推しの言葉が全くわからない。わたしの感情が迷子。
兵役前という重要なタイミングでのコンサート。
メンバーがそれぞれ話すコメントに対して、会場からは「お~…」というなんだか心配そうな歓声なども聞こえるたびに、心臓が氷つきそうでした。
同じ人間なのに違う言語を喋っている彼らに対してなんだか不思議な気分まで感じて、もう情緒がぐちゃぐちゃでした。
「推しの言葉を理解したい…!」
わたくしは帰国してすぐに学校を調べ、オンラインの韓国語レッスンを開始したのです。