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北海道新聞2023年11月30日(木)に 映画「カムイのうた」に関する記事が掲載されました。

北海道新聞2023年11月30日(木)に 映画「カムイのうた」に関する記事が掲載されました。

【写真説明】島田歌穂さん(玉田順一撮影)

<ユカラを紡ぐ 映画「カムイのうた」から>2*島田歌穂さん=叔母イヌイェマツ役*独特の節回し 歌声に乗せ

主人公テルの叔母イヌイェマツは、物語の核となるユカラをいっぱい歌う役。とても重責を感じました。ただ、監督が「これは歌穂さんにしか歌えない」と熱く言うので、私なりに精いっぱい、演じようと決意しました。私の父は、美深町出身です。私の半分は北海道にルーツがある。「偶然ではないかもしれない」と不思議な縁も感じました。
 地方の民謡は数多く歌ってきましたが、ユカラは聞いたことのない未知の世界。でもどこか懐かしい感じがした。なんてすてきな音楽だろうと思いました。デモテープを聞き込み、独特の節回しとリズム、変拍子もあって本当に独特なんです。言葉をカタカナで書いたり、音程を示す記号を付けたりして、自分独自の譜面を書いて練習しました。
 (アイヌ語監修の)藤村久和先生がレッスンで「ユカラは自由なもの」と教えてくれました。デモテープや楽譜を踏まえながらも、自由に私なりのユカラにすればいいと。どういう節回しなら歌いやすいか、言葉に気持ちを込めるとしたらどう歌うか、芝居として言葉をどう伝えるか。自分なりの表現や歌い方を解釈して歌うことができました。
 アイヌ民族を身近に感じてはいましたが、本や資料を読み解き、こんな差別があったんだとがくぜんとしました。その中でも、テルのモデルとなった知里幸恵さんは民族の誇りを捨てず、アイヌ民族であることを公にし、命を削って神謡集を書き上げた。気高く生き抜いた女性がいたことを、一人でも多くの方に知ってもらいたいですね。
 しまだ・かほ 1974年、子役でデビュー。87年から2001年までミュージカル「レ・ミゼラブル」に出演し、世界ベストキャストとして英国王室主催のコンサートでも歌声を披露した。今回の映画では主題歌も担当。

◇「ユカラ」の「ラ」は小さい字


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