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北海道新聞2023年11月29日(水)に 映画「カムイのうた」に関する記事が掲載されました。

北海道新聞2023年11月29日(水)に 映画「カムイのうた」に関する記事が掲載されました。

【写真説明】吉田美月喜さん(玉田順一撮影)

<ユカラを紡ぐ 映画「カムイのうた」から>1*吉田美月喜さん=主人公・北里テル役*初めて知った文化と差別

<あらすじ>
 大正時代の旭川、学業優秀な北里テルはアイヌ民族として初めて女子職業学校に入学するが、理不尽な差別といじめに遭う。ある日、東京からアイヌ語研究第一人者の兼田教授がテルの叔母イヌイェマツのもとを訪れる。教授から神謡「カムイユカラ」を書き残すことを勧められたテルは、本格的に執筆活動するために上京を決意する。

 夏の撮影では1カ月ほど北海道にいました。(旭川や東川など)土地の空気を感じて演じられました。これまで実在した人物を演じる機会は少なく、貴重な経験となりました。
 テルのモデル、知里幸恵さんは「大人だな」と思います。生涯をかけて何かを残すことは、今の私にはできない。ただ、「知里幸恵 銀のしずく記念館」(登別市)を訪れた際、記念館の人から、恋をしていたことなどを聞いて「19歳らしい部分もあるんだな」と身近に感じました。
 作品で印象的だったのは、テルが亡くなるシーンです。映画の中のテルは、孤独なイメージもありますが、最後の最後で「たくさんの人に愛されていたんだよ」と言ってもらえたような気持ちになりました。
 私は東京出身で、映画の出演を受けるまで、アイヌ文化や差別のことは知りませんでした。だからこそ皆さんに伝えるチャンスだと思っています。アニメや漫画でアイヌ文化を知る人が増えたといいます。ただ、キラキラした部分だけでなく、知らないといけないこともある。今は多様性の時代ですが、歴史を学んで変わらなければいけない時代でもあります。
 今も学校などで自分の個性をつぶされたり、つらい思いを抱えたりしている人がいます。その人たちにとって、知里さんが生涯をかけて自分の文化を残したことは希望になるはず。大きなことではなく、小さな勇気でもいい。この作品を見て、そうした希望を感じてもらえたら、うれしいです。
                  ◇
 大正期のアイヌ文化伝承者で、旭川で幼少期を過ごした知里幸恵(1903~22年)をモデルとした映画「カムイのうた」が、旭川や稚内の映画館で先行上映されている。旭川や東川でもロケが行われた作品。出演者や監督らに、作品への思いや撮影時のエピソードなどを聞いた。(和泉優大が担当し、4回連載します)

 よしだ・みづき 2003年生まれ、東京都出身。18年にテレビCMでデビュー。TBS日曜劇場「ドラゴン桜」などに出演し、23年公開の映画「あつい胸さわぎ」で主演を務めた。

◇「ユカラ」の「ラ」は小さい字
◇「カムイユカラ」の「ラ」は小さい字


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