無形重要文化財級!?下川町の新たな文化をご紹介
道北に位置する人口3,000人ほどの町、下川町。
湖や温泉など有名な観光資源はありません。ところが自分たちの手で作った、新しい文化が次々と生まれているのです。今回はそれらについて掘り下げていきたいと思います!
コンディションが最高なのは-15℃の夜
下川町は厳寒期-30℃近くまで気温が下がります。-10℃を下回るような日はだいたい天気が良く、風もありません。覚悟を決めて下川に遊びにくると、なんとも拍子抜けしてしまうくらい。防寒着さえきていれば、少し歩いただけでぽかぽか汗ばむくらいです。
実は下川町では1980年代、過疎率が北海道No.1となったという黒歴史があります。当時の若者たちは、「この町をなくしてはいけない!」と様々ななアイデアを持ち寄ってまちおこしを行いました。
そのうちの一つ“アイスキャンドルミュージアム”は、下川町の寒さを生かしたイベント。アイスキャンドルとは、バケツに水を入れて凍らせた氷のランプシェード。2月中旬のイベントでは(次回開催は2023.2.11-12)町中に、2,000個以上のアイスキャンドルが飾られます。
このアイスキャンドルを作るのに一番適している気温が-15℃。一晩で、誰でも簡単に美しいアイスキャンドルを作ることができます。イベントの日には各家の前にも並べられ、下川の冬の風物詩にもなっています。
〜アイスキャンドルの作り方〜
①バケツ8分目まで水を入れる
②夜のうちに圧雪された雪の上に①を置く
(雪の温度は0℃。バケツの底面は外気温の影響を受けにくくあまり凍りらないので、水を捨てやすい形状になる)
③翌朝、玄関等少し暖かい場所にバケツごと置き、周りを少し溶かす
④バケツから取りだして、底面から中の水を捨てれば出来上がり!
夜になったらひっくり返して、中心にロウソクを灯して飾ります。
映画館のない町に生まれた映画文化
昔は2つの映画館があった下川町も、人口減少に伴い1980年代には映画館がゼロになりました。現在の下川町は、映画をみるなら車で1時間半ほど離れた旭川まで出向くか、ネットの映画ストリーミングサービス等を利用して、自宅で鑑賞しかありません。
そんな下川町で近年、町民が夢中になっているのが映画上映会。企画している団体は、実に2団体もあるのです!どちらも月に1度、選りすぐりの作品を町内施設を利用して上映しています。
【ボギス、バンスとビーンズシネマ】
主催者の地域おこし協力隊・安部さんが毎月1-2作品映画を選んで、町内の昭和初期に建てられた恵林館や屋外の広場に大きなスクリーンを用意して上映をします。映画に合わせたフードやドリンク、焼きたてクッキーも用意。下川町とゆかりのあるアーティストによる音楽LIVEも併せて行うこともあり、とっても好評です。
【すまっこシネマ】
町内の在住の女性たちが集まって、自分達の暮らしを足元から見つめ直す取り組みを考えるサークル「りくらしネット」が主催する映画上映会。食や環境など、下川と親和性の高いテーマの映画をチョイスして上映を行います。映画のテーマに合わせたワークショップなども交える回もあり、とても有意義な時間を過ごすことができます。
町民交流会「タノシモカフェ」はもはや下川町の代名詞
下川町は移住者の多い町。そして、町への馴染みやすさはおそらく日本で一番。そんな下川町コミュニティへの入り口の機能を果たしているのが、町民交流会「タノシモカフェ」です。
下川町の移住推進を行うタウンプロモーション推進部が中心となって、2017年1月から月に一度開催し、もうすぐ7年が経過。参加対象者は移住者のみならず、地元民や視察者・旅行者もOKです。
毎月30名前後、多いときは50名ほどが参加。子連れでも気軽に参加できるようにキッズスペースを設けたり、交流が促されるよう席替えをしたり、と工夫を凝らしています。
参加対象を移住者に限定しないことで、移住者と地元民との交流が生まれて一緒にイベントを開催したり、町内にいながらにして町外の人とつながりがもてるため、それを楽しみに参加する地元民も多数います。
参加費無料で敷居を低くし、かつ公費を入れなくても成立するような持続可能な運営を目指して、食べ物・飲み物は各自持参する形式。会話のきっかけとなるように、持参した食べ物にはメニュー名と自分の名前を記載し、バイキング形式でシェアしています。飲み物は自分の分を持参する形だが、「みんなで飲もうよ!」とシェアしてくれる方が多く四合瓶がずらりならぶことも笑。
〜開催情報を入手するには?〜
開催は月1回、第1or2週目の金曜日or土曜日のいずれか。町の他イベントと重複しない配慮のために、上記日程内で変動させています。開催情報は以下をチェック
これらはどれも、下川町民以外の参加も可能です。
移住検討中の方はもちろんのこと、下川に興味がある方も、下川町の新たな文化に触れに足を運んでくださいね。