【札幌】日常のモノが別世界に!親子で楽しむ「MINIATURE LIFE展2」田中達也展レポ

【札幌】日常のモノが別世界に!親子で楽しむ「MINIATURE LIFE展2」田中達也展レポ

食欲の秋、スポーツの秋、行楽の秋、読書の秋――。秋はいろいろな楽しみ方ができる絶好のシーズンです。そんな中、我が家に圧倒的に足りていないもの。それが「芸術の秋」でした。旅行先で博物館などに立ち寄ることはあっても、息子はあっという間に飽きてしまい、「もう帰ろう!」と出口へ一直線。芸術鑑賞は、我が家にとってなかなかハードルの高いものでした。

そんな中で見つけたのが、北海道立近代美術館で開催中の「MINIATURE LIFE展2 田中達也 見立ての世界」です。ミニチュア模型がずらりと並ぶ展示なら、レゴブロックやLaQ(ラキュー)が好きな息子も楽しめるのでは?そんな親のもくろみは、見事に的中!気づけば親子で夢中になり、あっという間に時間が過ぎていました。

「そう来たか!」ワクワクが止まらない展示の数々


会場に入ってすぐ、目に飛び込んできたのは、ピンク色のボタンを桜に見立てた大きなオブジェ。一気にミニチュアの世界に入り込んだ気分になりました。思わず触ってみたくなりますが、展示作品に触るのはNG。その代わり、会場内の作品はすべて撮影OKです。気になった作品を写真に収めながら、じっくり楽しめます。


「臭かったので草刈った」

会場には、主にミニチュア作品の実物と、それを撮影した写真が飾られています。
こちらの作品、近づいてみると、ミニチュアの人が草刈りをしている様子が何ともリアル。でも、少し離れて見ると、草に見えたものの正体は緑色のブラシ!日用品が別のモノに変身する「見立て」の発想に思わず引き込まれます。


「ボーっとせず、まめに餌を変えましょう」

写真作品を眺めていると、額縁の隅にも注目ポイントを発見。写真の中の世界だけでなく、その手前にも実物のミニチュア作品が展示されています。
こちらは、落花生をボートと陸地に見立てた作品。見慣れた食べ物が、全く違う世界をつくり出しています。


日常生活に欠かせないトイレは、冬の山岳地帯に。


トイレのふたが雪山になり、その上ではミニチュアの登山家たちが奮闘中。普段は用を足す場所なのに、ここでは登山家たちの挑戦の舞台です。見慣れたモノも、視点を変えるだけでこんなに違って見えるんですね。


さらに、某住設メーカーさんの社名をもじった作品タイトルも秀逸。何を使い、何を見立て、そしてタイトルにどんな意味が込められているのか。作品を見るたびに、頭の中で答え合わせが始まります。


「スリップしやすいスリッパ」

スリッパも、こうして見るとトンネルの中のよう。タイトルまで読んで、もう一度作品を眺めると、面白さがじわじわ増してきます。

クリップに座って作品の世界へ


「しばらくここで待ってクリップ」

カラフルなクリップをベンチに見立て、そこに座る人々を表現した作品。その後ろには・・・


クリップを模したベンチが置かれていました。最初は「座っていいの?」と戸惑いましたが、こちらは実際に座れます。クリップのつまみ部分が背もたれになっているのも面白い!自分もその世界の一部になれるのは、何だか嬉しいですね。


「永遠に溶けない雪だるま」

結婚指輪で雪だるまを形づくった、素敵なフォトスポットもありました。ミニチュアの世界で記念写真を撮るのもおススメです。

親の想像を軽々と越えてくる子どもならではの視点


手描きイラストがかわいい、テーマ別パネル

次々と登場する作品に、飽きている暇はありません。息子もすっかり夢中になり、独自の視点でさまざまな発見をしていました。


こちらの作品タイトルは、「時間が解決してくれることもあります」。時計の長針に押し出され、羊たちが小屋に入っていく様子が描かれています。「35分になったら家に帰るんだね」と息子。作品を見て時刻を読み解き、そこから物語を想像する。まさか美術鑑賞で、算数で習ったアナログ時計の読み方が生かされるとは思ってもみませんでした。


さらに、「空港に出てきた人だ!」と指さしたのが、展示の下に描かれた人影です。


最近まで放映されていた空港を舞台にした某ドラマに登場する、覆面芸術家・バンクシーをモデルにしたキャラクター「ノーバディ」が描いた絵に似ているというのです。大人が見落とすところを、思わぬ角度から見つけてきます。


もう一つの注目ポイントが、ミニチュアに使われた食べ物が本物なのかどうか。「これ、腐らない?」確かに、作品を制作している間も展示している間も、食べ物がずっとそのままだったら大変です。

そんな疑問を抱きつつも作品を見ていると、作品タイトルの下にある「#(ハッシュタグ)」が付いていることに気づきました。


例えば、こちらの作品には「#食品サンプル」(※写真の丸で囲んだところ)と書かれています。本物そっくりのイクラも、実は食品サンプル!


一方、こちらは「#このあとおいしくいただきました」。金平糖は本物だったようです。
その後、食品を使った作品が登場するたび、どちらなのかをくまなくチェック。何ともマニアックな視点ですが、こんなふうに自分なりの視点で作品を楽しめるのも、この展示会の魅力です。作品をどう見るかは、見る人次第なのかもしれません。


「裁縫のプロポーズ」

会場内では、家族や一緒に来た人同士、作品とタイトルを見比べながら「面白いね」と感想を言い合う姿があちこちで見られました。一人でゆっくり鑑賞するのもよし。また、誰かと一緒に「何に見える?」「どうしてこうなった?」などとあれこれ話しながら見れば、面白さはさらに広がります。

遊び心が止まらない!寿司レーンを車が走る


こちらは、回転寿司屋を街に見立てた作品、その名も「おスシティー」。かなり食べたと思われるお皿の高さを利用して、高層ビルが表現されています。


さらに、ビルの合間を車が走る様子まで再現。何となく「首都高」が頭に浮かびました。動く作品まで見られて、新鮮な驚きがずっと続きます。


「客をひきつけてやまない店」

ほかにも北海道限定作品など、紹介しきれないほど魅力的な作品が盛りだくさんでしたが、このままだとすべてを紹介してしまいそうなので、このあたりでやめておきます。ぜひ実際に足を運んで、思いがけない発見を楽しんでみてください。


ちなみに、作者の田中達也さんは、Instagramにいろいろな作品を投稿されています。展覧会で見た作品を振り返ったり、新たなお気に入り作品を見つけるのも楽しいですよ。

いつもの景色に新たな発見を


「この自転車は誰んだー?」

気づけば、会場にいた時間は約1時間半。あれこれ話しながら作品を見ていたら、あっという間に時間が過ぎていました。帰り際、息子に感想を聞くと「楽しかった!」の一言。よかった。親のもくろみは大成功です。


美術館を出て、ふと目に留まったのは赤く色づいたツタでした。いつもなら何気なく通り過ぎてしまいそうな風景も、今日はちょっと違って見えます。「これは、何に見えるかな?」そんなふうに、日常のモノや風景まで別の何かに見えてくる。そんな変化も、この展覧会ならではの魅力なのかもしれません。


MINIATURE LIFE展2 田中達也 見立ての世界

住所
札幌市中央区北1条西17丁目
備考
開催日時|
2026年9月12日(土)~11月8日(日)
9:30〜17:00(入場は16:30まで)
休館日|月曜日(11月2日を除く)
観覧料| 一般 1,500円/高大生 800円/小中生 500円

この記事を書いたモウラー

モウラー

えぞかんぞう

岡山出身の旅好き人間です。コロナ渦を機に2021年、東京から札幌に家族(夫、息子)とともに移住。道内各地のおもしろそうなところを巡っています。