道内の観光・グルメ・おでかけ情報満載 MouLa HOKKAIDO(モウラ北海道)

【北海道を代表するアスリート】高梨沙羅選手にインタビュー

【北海道を代表するアスリート】高梨沙羅選手にインタビュー

2023年10月21日(土)に大倉山ジャンプ競技場で行われた「スキージャンパー高梨沙羅と巡る 大倉山ジャンプ競技場ツアー × ランチ&トークショー」のあとに、高梨沙羅選手にインタビューをさせていただきました!大事な大会を控えているタイミングでしたが、全ての質問に丁寧に答えてくださり感謝です!!

実は、私たちオリンピック3大会一緒に出場していますが・・・

そうなんです、見出しの通り、高梨選手と大澤(インタビュアー)は、2014年ソチオリンピック2018年平昌オリンピック2022年北京オリンピックに、共に日本代表として出場しています。
・・・が、ほぼ初対面です。笑

高梨選手のスキージャンプは雪競技、大澤のアイスホッケーは氷競技のため、選手村自体も、試合会場も、全く別のところにあり、オリンピックで顔を合わせることってほぼないんです。
オリンピックだけではなく、普段の練習拠点も競技によって偏りがあるため、冬競技の選手は他競技の選手と関わることってなかなかないんですよ。

なので、今回のインタビューは普段なかなか接することのできない他競技の選手のお話が聞ける、とても貴重な時間となりました!


初めましての挨拶中

初めましての挨拶を終えて、いよいよ本題へ

オリンピックに3回も一緒に行っているけど、初めましてって不思議ですね〜と笑いつつ、色々と質問させて頂きました!


まずは、競技を始めたきっかけを教えてほしいです!

父と兄がやっていたこともそうですが、地元(上川町)が雪深い場所で、スノースポーツをすることがメジャーだったので、始めました。完全に場所柄です。

なるほど。私もアイスホッケーを始めたきっかけは、苫小牧という場所柄。ウィンタースポーツは場所柄で始める人がきっとほとんどですよね。

学校でも、冬の体育で雪競技をするのか、氷競技をするのかで変わりますよね。

夏競技は、体育の授業である程度の競技はやるから、一定のラインで競技を始める人がいるけど、私たちの場合は地域によっては一切触れることがないから、難しいですよね。私は現にスキーは1度しかしたことがないです・・・

「ウィンタースポーツは場所柄で始める人が多い」と競技が違えど、共通の課題を抱えていることを知ったところで、競技についてや選手としてのお話を、もう少し詳しく聞いていきます!


競技を始めてから、実際に世界やオリンピックを目指すようになったのはいつ頃からですか?

小学校高学年くらいの頃から、それこそ、ここ大倉山競技場で、先輩たちがかっこよく飛んでいる姿を見て、自分も夢を与えられるような選手になっていきたい!と思うようになりました。

その夢を持ち始めてから、競技に対する向き合い方は変わりましたか?

それからは、「競技が生活の一部」になりましたね。スキージャンプを軸に、その他の生活が回っている感じ。
学校が終わったらまっすぐジャンプ台に行って、夜遅くまで練習して帰ってくる、みたいな生活でした。

スキージャンプって1日にどれくらい練習するんですか?

集中力とかを考えると、大体8本が限界かなと。

1本飛ぶのに要する時間ってどれくらいなんですか?
(無知ですみません…)

ん〜、準備〜着地までで、10〜15分くらいですかね。

それを8本繰り返しているってことなんですね。

そうです、飛ぶ本数はその日によって違ったりしますが。
スキージャンプって、体よりも頭が疲れる競技で、精神的に疲れてしまうと転倒などに繋がる危険性があるんです。
だから、8本くらいでやめる選手が多いですね。

じゃあ短時間で集中して、練習するみたいなイメージなんですね!
実はアイスホッケーも、氷で練習できる時間が決まっていて、大体1時間半くらい。それ以外は、陸でのトレーニングになるので、氷の上では1時間半だけ集中するみたいな感じです。

そうなんですね!似てますね!
夏競技、例えば野球とかサッカーって朝から晩まで練習しているじゃないですか?集中力すごいなぁと思います!
スキージャンプの場合は、スタートしてから着地するまでの、必ず集中しなきゃいけない時間が決まっているから切り替えやすいけど、その他の競技の方たちってずっと集中しているのか、って考えるとすごいです。

アイスホッケーも1シフトのプレー時間は40秒前後。自分がプレーしているシフトの40秒間に集中できれば良いので、切り替えはしやすいのです。
新たな共通点も見えてきたところで、さらに深掘りしていきます!


「集中力」というワードが出ていましたが、オンとオフはありますか?

私は切り替えが下手くそなので、常に競技のことを考えちゃうタイプかもしれないです。

え、ずっと考えていたら疲れないですか?
(大澤は、ホッケーの時しかホッケーのことを考えないタイプです)

ん〜、ちゃんと解決しないまま過ごしている方が疲れちゃうから、解決するために考えているって感じですかね。クリアにするまでずっと考えています。

常に競技のことを考えていて、ずっとオンでいる、みたいなイメージですが、リフレッシュはしていますか?

リフレッシュする時間は作っています!

どうやってリフレッシュしているんですか?

え〜友達と会ったり、お酒飲んだりですかね(笑)

(笑)
アナザースカイ見ました!ワインを嗜んで、リフレッシュしている姿が印象的でした!笑

あまり強くはないんですけど、飲みながら友達とお話しして、という時間が好きです。その人の意見を聞いて、自分と合う時もあれば、真逆な時もあったりして、色々な意見が自分にとってはプラスに働いてます。

わかります!
私もお酒が大好きで、お酒を飲む瞬間に気持ちをリセットしてます。

わかります!また明日から頑張ろうって思いますよね。


お酒の話で盛り上がる私たち(笑)

お酒でリフレッシュすることも共通点でした!嬉しい!
いつか高梨選手と一緒にお酒飲みたいなぁと密かな期待をしています。笑

ここからは、現在拠点にしているスロベニアについてのお話を。


スロベニアを拠点にしている理由はなんですか?

練習環境がすごく良いんです。今トップで戦っている選手は、スロベニアの選手が多くて強豪国なんですけど、1つの場所に、ミニヒルから、スモール、ミディアム、ノーマル、ラージ、フライング、全てのジャンプ台が揃っている環境なんです。

へ〜、1カ所にそんなにあるんですね!

そうなんです。とても良い練習環境なんです。日本ではなかなかない環境だから行ってみたいと思っていて、3年前くらいから拠点を移しました。

色々な種類のジャンプ台で練習することは、競技力にはどんな影響があるんですか?

ワールドカップで使われるジャンプ台の大きさが、大体ラージヒルか、それよりも少し小さいノーマルヒルなんですけど、たまに、フライングヒルやミディアムサイズに近いノーマルヒルもあったりするので、そういったときに、マルチに飛べる技術が必要で、色々なジャンプ台があると練習しやすいんです。

なるほど。じゃあ日本だと、全部の種類を満遍なくというのは難しいけど、スロベニアだと満遍なく練習できる、みたいな感じなんですね!

そうです。やっぱり練習の環境が整っている、というのがスロベニアを拠点に選んだ1番の要因です。

すごく良い環境なんですね!
実際にスロベニアを拠点にし始めて、競技力的に変わったなって実感はありますか?

ジャンプと向き合うことができているな、という実感があります。

それは「時間的に」という意味ですか?

そうです。ゆったりとした時間の中で、ジャンプについて考えたり、自分と対話できるようになったり、第三者的に見れるようになったり。日本でやっていた時よりも、より生活の一部になった感じです。

私も海外を拠点にしていた時期があったんですけど、やっぱり日本で競技をやる環境とは違いますよね。
スロベニアでの生活は楽しいですか?

楽しいです!
日本は日本で友達に会えたりして楽しいけど、海外にいる時は自分らしくいられるなぁと。
より自分のやりたいことにフォーカスできているな、と思います。

スロベニアは、世界で一番日本人が少ない国なんですよ〜」と、豆知識も教えていただきました。
実は、男子アイスホッケーの日本代表もたまに、スロベニアに遠征に行ったりしているので、ぜひホッケー観戦もしてほしいです!

今の夢は・・・

高梨選手の思い描いていることについても、お聞きしてみました。


今は見ている方々や応援してくださる方々に、何かを与えられるような選手になることが夢です。
そこが達成されるまでは頑張らなきゃな、と思っています。

もうすでにたくさんの方々に、たくさんの夢やエネルギーを与えていますよ!

スキージャンプってメジャーな競技ではないので、より多くの方々に興味を持ってもらうために、という意味でも、頑張っていきたいなと思っています。

アイスホッケーもメジャー競技ではないので、私も今はアイスホッケーの普及を目標に活動しているんですけど・・・

そうですか!?アイスホッケーってメジャーだなって思います!試合見に行きたくなるし!

ええ〜嬉しいです!でもアイスホッケーはまだまだマイナースポーツですよ・・・
やっぱり夏競技に比べて、冬競技はマイナースポーツと言われる競技が多いですよね。その中で自分たちの競技をいかに知ってもらうかが、課題ですよね。

間違いないですね。いかにたくさんの人に知ってもらえるか、ですよね。

選手としての夢はあったりしますか?

選手としては、フライングを飛んでみたいです!

おおー!フライングは、距離が長いんですか?

そうです、200mあります!ラージヒルが120mなので、フライングはモンスター級です。笑
昨年から女子の大会もできましたが、まだ私は飛べていなくて。

相当大きいんですね!練習では飛んだことあるんですか?

ないんです。フライングヒルのジャンプ台って、試合にならないと作らないジャンプ台なんです。
スロベニアにはあるけど、そこでも飛んだことはなくて。

そうなんですね!じゃあもしフライングを飛んだら、また違った景色や世界が見えてくるかもしれないですね!
飛んだらまたお話聞かせてくださいね!

わかりました!笑


ジャンプ台の説明も丁寧にしてくれる高梨選手

「JUMP for The Earth」プロジェクト

高梨選手が発起人となってスタートしたプロジェクトをご存知ですか?
こちらのプロジェクトについてもお話を聞きました!


どんなプロジェクトなんですか?

「雪を残していきたい」というのが1番の目的ではあるんですけど、自然環境に触れて、みんなで学んで、行動して、ということをプロジェクトの中でやっています。
1人で何かやることでは、地球環境への影響は小さいのかなと思っていて、みんなで何かしていくこと、それぞれが小さいアクションを起こしていけたら、と思っています。

競技をしている中で、自然環境の変化って感じていますか?

感じますね。人工雪で作られるジャンプ台が多くなってきていたり、雪不足でキャンセルになってしまうジャンプ台も増えてきていて、変化を感じています。

私たちアイスホッケーは屋内競技なので、そこまで直には変化を感じなかったりするので、そこは屋外競技と屋内競技での違いかもしれないですね。

そうですよね。私はアウトドア競技なので、自然環境に触れることが多いからこそ、感じているんだと思います。みんなでこの変化を知って、一緒に何か考えていけたらいいなと思って活動をしています。
2024年1月にワールドカップがあるので、まずはそこに向けて何ができるのか、地元の高校生たちとも一緒に考えたりして進めています。まだまだ始まったばかりのプロジェクトなので、これからが楽しみです。

素晴らしいプロジェクトですよね。正直、きっかけがないと、改めて環境のことを考えよう、とはならないと思うので、このプロジェクトでの活動をきっかけに、たくさんの人を巻き込んでみんなで変化を感じていけたらいいですよね。

高梨選手が発起人となっている「JUMP for The Earth」プロジェクトについての詳細は、公式サイトにも詳しく載っていますので、ぜひチェックしてみてください!


「JUMP for The Earth」公式サイト

魅力たっぷりな高梨選手をこれからも応援します!

今回のインタビューで初めてゆっくりお話しましたが、優しい口調に安らぎは感じるけど、言葉の端々から重みと力強さがあって、内に秘めているエネルギーがすごいなぁと感じる時間でした。
雪競技と氷競技の違い、個人競技と団体競技の違い、そして1アスリートとしての違いも、まだまだ聞きたかったです!

高梨選手、シーズン中のお忙しいところ、インタビューにお答えいただきありがとうございました!
競技もプロジェクトも応援しています!!


イベント会場となっていた「ヌーベルプース大倉山」でインタビューさせていただきました!

皆さんもSNSや公式サイトで、高梨選手の活躍の様子をぜひチェックしてみてくださいね!





高梨選手の公式サイトはこちら

この記事を書いたモウラー

ゲストモウラー

大澤ちほ

北海道苫小牧市出身。元日本代表選手の父の影響で6歳からアイスホッケーキャリアをスタート。16歳で日本代表に初選出され、ソチ、平昌、北京と3大会連続でスマイルジャパンのキャプテンとして五輪に出場。2022年8月に現役引退を表明。現在は札幌を拠点にアイスホッケーの普及やとまこまい観光大使として活動中。
【 主な経歴 】オリンピック3回、世界選手権8回、 U18世界選手権2回