映画は食うか食われるか。『殺しを呼ぶ卵』と『卵と私 札幌アピア店』の「オムライス」
こんにちわ!ぶっくおふたろうです!札幌で映画フリーペーパー『スガラムルディ』を制作しています。
映画にまつわる料理を映画鑑賞後に近所の飲食店で同じものを食べてみよう!という企画です。今回鑑賞したのは、イタリアのカルト映画で養鶏場に渦巻く愛欲と陰謀『殺しを呼ぶ卵』1968年公開時の本編に残酷な場面が追加された最長版です。
いやーここ最近というか毎週映画館に通えども料理について絡めて記事にするっていうのに「なにたべよう」「たべものぜんぜんでてこないじゃん!」と難儀していたのでタイトルにもある通り、デカデカと『卵』を取り扱えるとなるとラッキーです。
映画は養鶏場が舞台。不倫や暴力、社会問題や不条理など生臭さ100%な本作。早速鑑賞して参りました。
養鶏場が舞台ですがメインは経営する夫婦とその夫の愛人の三角関係が主軸となって物語は進んでいきます。そこに夫の異常な秘密やそれを暴くものが現れるなどしてサスペンス性が高まっていきます。加えて養鶏の効率化を図る為の遺伝子組み換えなどからも倫理観を揺さぶるシーンが続き、不穏な空気を高めていきます。ショッキングなカットの羅列や画面の揺らぎが多く、同じくイタリアの映画監督『ミケランジェロ・アントニオーニ』のような空気を感じました。「私たちは異常な出来事を共有しなければいけないの」という台詞が印象的でした。長い期間過ごす事で変化する関係性。着地点の読めない本作。是非劇場の大画面で見届けて欲しい1作です。
そしてなんとも予想外なところで、劇伴音楽がとても奇妙で良かったです。アートリンゼイやシュトックハウゼン的な現代音楽が不穏に鳴り響いたかと思いきや、鶏たちの刺激になるように厩舎内に響き渡る調子外れなフレンチポップスの妙。加えて愛人役のエヴァ・オーリンのキッチュな衣装と相まって観客の感情を撹乱してきます。ダークな中に紛れこむ清涼感。サントラ欲しいです。
さてさてところで 卵 みなさんお好きですか?卵焼き、チャーハン、親子丼と沢山の卵料理がありますよね。鶏そぼろと卵の2色丼とか好きですわたし。はい!ということで今回はオムライス!先日某店で期待に胸踊らせながら注文したものの、オムレツ部分を割ってみると中身が白いご飯で愕然としながら泣く泣く完食したという事がありました。口が、既に、その頃から、オムライス!だったのです…。というかチキンライスの口になっていた年末…。
卵と私 アピア店
- 住所
- 北海道札幌市中央区北5条西4丁目 札幌駅南口広場地下街
- 電話番号
- 011-209-3414
札幌駅直結なので冬でも行きやすいこちらの店舗をチョイス。ショーウィンドウがオムだらけで既に楽しい。デミグラスも好きだし、トマトクリームも気になるけれど今日はスタンダードなケチャップソースをチョイス!
おいでやす!ふわふわのきいろちゃん!艶々していて完璧なフォルムだ…。コンソメスープはデフォルトでついてきたので、サラダを追加しました。うまそげです。
「そうだよ…これだよオムライスって…」と感動しながら手が止まりませんでした。オムレツの火の通り具合が絶妙で、しっかりチキンライスを包みつつ柔らか食感を残していて感動の嵐。中身のチキンライスも控えめですが卵とケチャップと絡まると完璧なバランスでした。ふわっと香るバター。最高。今回の映画の不穏さと対極にある心地良さ。
シーザーサラダとコンソメスープで三角食べ(今も言う?死語?)してあっという間に完食!癒やしを呼ぶ卵。天国飯でした。今度はどんな映画と食べ物に出会えるか、乞うご期待!
映画フリーペーパー、スガラムルディは、札幌市内を中心に奇数月に発行。配布店は、札幌市・サツゲキ(ディノスシネマズ札幌)、カフェboiler、ディノスシネマズ苫小牧 江別市・喫茶ファロ、浦河町・大黒座、釧路市・古書かわしま などに設置させて頂いております。