暑い夏は自宅で『肝が冷えるような』映画を【ツィゴイネルワイゼン】
はじめまして!ぶっくおふたろうと申します!札幌で映画フリーペーパー『スガラムルディ』を制作しています。札幌市内を中心に奇数月に発行。
日頃からよく映画を観ている方ですが、今回は来たる夏に向けて、観ると肝が冷えて涼しい気分になる!?なんかぞわぞわしちゃう……こわーーい映画をセレクトしてみました。地元が釧路市なので比較的に夏の盛りでも気温は穏やかな中で暮らしていたのですが、移住してから4年も経つのに札幌の夏は本当に毎回キツいです…。暑いのなんの…。
というわけでクーラーもしくは扇風機をがんがん回して、快適な自宅で映画を観て、現実逃避クールダウン!一般的なホラーの心霊ものやゾンビや悪者が追いかけてくるものとは違った「なんか薄気味悪いなー」「上手く言い表せないけど首筋がぞわぞわするなー」と言った不気味な雰囲気を醸し出している映画をチョイス。なので人を選ぶかもしれませんが個人的にはとってもオススメな作品なので是非ご覧下さい。
『ツィゴイネルワイゼン』
『鈴木清順 監督作品』
1980年公開。4人の男女と作曲家サラサーテ自身が演奏する『ツィゴイネルワイゼン』のSPレコードを取り巻く、怪しく妖艶な世界。とにかく終始、意味深かつ奇妙なシーンばかりです。同じ顔の娘が出てくるものの別人であったり、奥さんがひたすら蒟蒻を手で千切っているシーンが長回しされたり(無駄に長くて、きっと皆さんの想像する5倍くらいの長さです)初見だと?マークが飛び交います。
男と女が出会い、もつれ合い、ある者は亡くなり、ある者は生きながらえる。直接的な描写を避ける事によってより生々しいリアリティが醸し出されています。
流れ者の『中砂糺』〈なかさご ただし〉
演じるのは若き
『原田芳雄』
まぁーとにかく胡散臭い!仕事もせず、髭ぼうぼうで酒ばかり飲んでいるのに妙な色気があって女性にモテる。(羨ましい…)
ロケ地の一つ、神奈川県鎌倉市にある名所
『釈迦堂切通』
何度も登場人物たちが訪れるこの切通は本作の象徴的な場所です。大自然にぽっかり開いた門。物言わないただの岩のトンネルですが、作中とても重要な役割を担っています。※ちなみにこちら現在は閉鎖中です。
無口な主人公『青地』と『中砂』の身の周りの女性たちが織りなす、エロスとタナトスと宿命の物語。妖しい魅力に溢れた本作に翻弄されて下さい。ラストシーンの冷や水ぶっかけられた感じはなかなか他の映画じゃ味わえませんよ。ゾクゾクしたくて年に何度か見返してしまう映画の一つです。
ちなみに原作の
『内田百閒』『サラサーテの盤』
こちらのラストもめちゃくちゃ怖いので是非ご一読を…。初めて読んで意味が分かった瞬間にマジでガタガタ震えました…。暑い夏は、肝を冷やして乗り越えましょう…。
最後までお読み頂きありがとうございました!
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