【道民が徹底解説!】北海道弁これだけ覚えりゃ良いべ! Part.3【これ方言なの/日常超使い編】
北海道弁ってそんなにあるの!?
※この記事は2022年6月のasatanサイトで掲載したものです。
3回目でしつこいでしょうが、またまた結論から言うと…めちゃくちゃあります!!!
ちょっと前ですが平昌オリンピックでカー娘が「そだねー」を連発したことで、北海道弁が「かわいい!!!」と話題になりましたよね。同時に、「え、そだねーって、北海道弁だったの!?」とショックを受けた道民も多かったみたい…。
そこで、東京都出身・10歳で北海道に渡り、数々の北海道弁にまどわされてきた編集部の一人が厳選した、全国民に教えたい北海道弁を紹介します!
普段使っているあの言葉も実は方言!えっこれ方言なの編
「そだねー」と同じように、道民が「まさか方言だとは!」と驚く日常使いの北海道弁って実は山ほどあるんです。今回も5つにしぼって、個人的なランキング形式でご紹介。ただ、「方言だと気付かない」ということは、正解がわかりやすい簡単なものばかりということ。そこで、後半では道民が日常で使いまくる【日常超使い編】も合わせてお届けします。
【1位】ほろう
皆さん、これ、北海道弁ですよ~!!!
使い方は「雪ほろってから入ってね」「汚れたところほろって」みたいな感じです。簡単なので、もうお分かりですよね。
正解は・・・
はらうです。
「はらう」が変化して「ほろう」になったようですが、はらう、よりももっと軽いものに使うイメージがありますね。
【2位】ひっつく
旭川市民の皆さん、これも北海道弁ですよー!!!
使い方は、「ノリでひっついちゃった」「2人ひっついたの?」とか。ほとんど違いがないので、言うまでもないですが…。
正解は・・・
くっつくです。
いやぁ、北海道ではあまり「くっつく」を聞きません。年代問わず、「ひっつく」はめちゃくちゃ使われていると思います。ハッとしている道民、多いんじゃないかなぁ~。
【3位】ぼっこ
旭川市民の皆さん、これも北海道弁ですよー!!!
「ひなたぼっこ」を簡略化した若者言葉ではないですよ。「ぼっこしなぁ~い?」という使い方は間違いです。
正解は・・・
棒です。
道民は棒のことを、「ぼっこ」っていうんですよ。めちゃくちゃかわいくないですか。そんなふうに呼んだら、ただの棒にも愛着わいちゃいます。
【4位】まかなう
正直にいうと、私も本当の意味を最近知りました…。でも、間違って覚えていても支障はありませんでした。「まかなう」は標準語だと、必要を満たすという意味。もちろん北海道でもその意味で使われるので、意味はそれだけだと思っていたのです。
正解は・・・
身支度をするです。
広~ぃ視野で見ると、標準語と意味は少し似てますよね?ただ、使い方としては、家を出るときなどに「ちゃんとまかなったの?」「寒いからもう少しまかなったほうがいんでないの?」みたいな感じ。「あたたかくする」「着る」のニュアンスで使われることが多いんですよ。
標準語にもあるから、なかなか方言だとは気付きにくいかも。
【5位】寄しかかる
「どこが北海道弁なの?」と思う人がほとんどかもしれません。かなり細かいですが、このわずかな違いが北海道弁にはとっても多いんです。
正解は・・・
寄りかかるです。
北海道弁は何かと「サ」行が多いんです。語尾にも「~しょ」「~さ」をつけますし。会話のなかにやけに「サ行」が多くても違和感は少ないので、このわずかな違いに気付くのはなかなか難しいかも。
毎日方言を使っていたなんて!日常超使い編
旭川市民向けに普段なかなか気付かない隠れ方言をお届けしたところで、今度は全国の皆さんに向けて道民が標準語には置き換えられないほど使う、超便利な北海道弁をご紹介します。本当に便利なので、ぜひ覚えて使っていただきたいくらいです。
【1位】~さる
モンキーじゃないです。
これは、もうなんとも説明しづらいのですが、ひとまず
正解は・・・
間違って、~してしまったです。
「?」ですよね。わかりやすい使い方としては「このボタン、勝手に押ささっちゃったんだって」のような感じ。
これは、「押しちゃった」よりももっと、「わざとじゃないもん」感が強いんですよ。あくまでも、「どうしてか、こうなってしまった、私悪くないのに…」というニュアンス込みです。
不思議ですよね~。これはネイティブレベルの道民はほぼ100%使うといっても過言ではありません。先ほど道民はサ行が多い、と言いましたが、「笹が刺さってしまった」なんて、この場合「ササガサササッチャッタ」ですからね。
【2位】いずい
いずい、は説明できないよ!
道民はみんな思うことでしょう…。そうなんです、表現できる言葉がないんですよ。でもしいて言うなら、
正解は・・・
違和感があるですかね。
使い方は「目にゴミが入っててなんかいずい」「この服サイズ合わなくていずい」のような感じ。フィットしない、しっくりこない…みたいな。伝わりますか?
語源は「恐ろしい」という意味の「えずい」だとか。
【3位】わや
大体「わや」で通じ合えますよね。
関西や九州でも使われるというこの「わや」。意味は広域にわたるので、頑張ればこれだけで会話できます。
正解は・・・
無茶苦茶、道理に合わないです。
使い方としては、「今日雪降りすぎて道がわや」「わやうるさいな」「その答えわやでしょ」などなど…。2文字なのに、わや使いやすいんです。
無理っくり、わやだけで会話するとしたら・・・
A「ねぇこの人のインスタわや(訳:超)可愛くない?」
B「わやー!(約:超かわいい~!)」
A「フォロワー数わや(訳:めっちゃ多い)なんだけど」
B「15万人!?わや(訳:めっちゃ多い)じゃん!」
A「でも待って、これ加工わや(訳:しすぎ)じゃない?」
B「待って、わや(訳:超)歪んでるじゃんwww」
A「わや(訳:やばい)wwww」
B「まじ、わやー(訳:うける)www」
みたいな…。なんか感じ悪いですねこの2人。
【4位】ばくる
後ろに下がる、ではないですよ。
初めて聞いたときは「パクる」かと思って、「盗んでないよ!」と言い返したし、「消しゴムばくって」と言われると「パクッとして(食べて)」かと思って「匂い付きだからか…?」と焦りました。
道民にとっては、「ばくる」が簡単すぎて、言い換える言葉があっても絶対そっちに揺らがないでしょう…。
正解は・・・
交換するです。
使い方は「席ばくってよ」「休みばくって今日出勤なんだ~」のような感じ。
【5位】うるかす
逆に「うるかす」と同じ意味の言葉ってあるの?
って道民は思いますよね。
正解は・・・
水に浸して水分を吸わせるです。
「浸す」だけでは「うるかす」の意味を拾いきれないんですよね。使い方は、「お米うるかさないと」「汚れたお皿うるかしといて」のような感じ。水でふやかせる、というのが大事なんです!
さ~~~ぁ!!!これにて全3回にわたる北海道弁シリーズは終了!いかがでしたか?
ほかにも「ごんぼほる」「あずましい」「あめる」「いたましい」など、謎多き北海道弁はた~くさん!近日中にまたお届けしますので、こうご期待ツ!
【参考文献】
『出身地がわかる! 気づかない方言』(篠崎晃一/毎日新聞社/2008年)
『都道府県別 全国方言小辞典』(佐藤亮一/三省堂/2002年)
『全国方言 スラスラブック』(服部將太/セントラルSOG/2005年)
『方言の日本地図 ことばの旅』(真田信治/講談社/2002年)
協力:北海道弁を日常的に使う旭川市民の皆様