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【クスサンと出会わないために 2024年版】札幌市内の最新状況と回避法

【クスサンと出会わないために 2024年版】札幌市内の最新状況と回避法

「クスサン」は、全国に生息するヤママユガ科の大型の蛾です。ここ数年は札幌市内の繁華街などでも大量発生し、夜な夜な飛び交う怪獣モスラのような巨大な姿が市民や観光客を恐怖のどん底に陥れています。
この恐怖に打ち勝つため、“北の虫とり学芸員”として知られる、北海道博物館の学芸員・堀繁久さんにクスサンの生態や回避法(そして、楽しみ方)を伺いました。

苦手な方も多いと思うので、以下にクスサンの画像・イラストは掲載しておりません。安心してお読みください!

クスサンとは? その特徴と生態

大型の蛾、クスサンの生態

クスサンの成虫は羽を広げると10センチを超えるほどの大きさになります。見た目は迫力があるかもしれませんが、毒を持っていないため、触れても問題ありません。幼虫は大型の毛虫で、白くて長い毛を生やしていることから俗に「シラガタロウ」と呼ばれます。

札幌での生活と行動

札幌市内のクスサンは、公園の街路樹などで育ちます。成虫になると餌を食べず、幼虫期に蓄えた栄養のみで1週間ほどの短い寿命を生き抜きます。日中は葉や軒下などでじっとして、夜になると光に集まります。明かりに引き寄せられるのは習性です。そこでオスとメスが出会い、新たな生命をつないでいくのです。

札幌市のクスサン発生状況

2023年と2024年の比較

2023年、札幌市内ではクスサンが大量発生し、ニュースやSNSでも話題になりました。堀さんによると、2024年は昨年ほどの大発生ではないとのこと。今年もススキノや地下鉄・琴似駅出口など各地で目撃されていますが、サイズが大きく、街の光に集まるクスサンは、どうしても目立ってしまうため、数が少なくても「大量発生」と言われてしまうのが実態のようです。

2024年のピークと今後の見通し

2024年のクスサンの発生は、9月上旬にピークを迎えます。成虫になると1週間ほどで死んでしまうため、9月中旬には収束する見込みです。

クスサンに出会わないための対策と注意点

クスサンの習性と避けるための方法

クスサンとの遭遇を避けるために重要なポイントは、やはり「光」です。できるだけ夜間の屋外照明を抑えることと、光の少ない場所を選んで行動することが有効となります。街灯やネオンが低い位置にある場合、クスサンが顔に近い場所を飛ぶ可能性があり、注意が必要です(防犯の観点では明るい場所を歩くことが望ましいです)。

来年に向けての対策

来年のクスサンの発生を防ぐためには、成虫になる前の対策が重要です。クスサンは樹木や白っぽく表面がザラザラした壁に産み付けられた卵で越冬します。クスサンの黒い卵を見つけた際には、削り取ってごみに捨てるか、燃やすことを推奨しています。これにより、翌年のクスサンの発生や生息域の拡大を抑制する効果が期待できます。

クスサンの楽しみ方

勇気を出して

多くの人にとって恐ろしいクスサンの“大量発生”も、堀さんは「間近で観察するチャンス」と話します。注目するのは羽の色と模様。クスサンは刺激を受けると、羽を広げて目玉模様を見せ、威嚇のポーズをとります。この模様は一匹一匹異なるため、観察する際の見どころとなります。羽の色も薄い黄色やピンクなど、微妙な色彩の違いが楽しめます。

この特別な期間に勇気を出して近づいてみてはいかがでしょうか?


この記事を書いたモウラー

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