【連載VOL.5】KOREA DO?ソウル編【コーヒー共和国のカフェタイム】
カジャ!コリアでは、韓国在住の皆さんからライブ感あふれる情報を毎週配信!
今週は、北海道新聞社ソウル支局 玉邑記者のコリア通信です。
驚きの店舗数!韓国のコーヒーカフェ事情
急増するコーヒー店
先日、韓国のコーヒー専門店が初めて10万店を超えたというニュースに触れました。
確かに、ソウルの街を歩いていると、あらゆるところにカフェがあります。カフェの隣にカフェ、その向かいにもカフェ…と2軒、3軒並んでいるのも珍しくありません。
カフェには電源や無料のWi-Fiが整っているのが当たり前で、打ち合わせや学生の勉強場所としても、日本よりよく使われています。SNSで映える写真が撮れる、おしゃれなカフェも多いです。
韓国統計庁が6月末に発表した統計によると、2022年末時点のカフェ数は10万729店。
前年より4.5%増えました。これは韓国コンビニエンスストア大手4社の合計店舗数の2倍に当たるというから驚きです。
米コーヒーチェーン大手のスターバックスは、23年末時点で韓国の店舗数が1,893店になりました。
人口が2.4倍の日本(1,901店)と店舗数がほぼ並んだのです。
低価格店が人気
「韓国はコーヒー共和国」。韓国人がいかにコーヒーを愛しているかを表す表現として、韓国メディアではこの言葉がよく登場します。
韓国独自のカフェチェーンに加え、個人経営の店もたくさんあります。
最近は物価が高騰する中、1杯1000~2000ウォン(約115~230円)程度の低価格コーヒーが人気で、店舗数が急速に増えています。
メガMGCコーヒー(MEGA MGC COFFEE)やコンポーズコーヒー(COMPOSE COFFEE)が低価格の代表的なチェーン。
このほか、中価格帯チェーンのイディヤコーヒー(EDIYA COFFEE)に、ケーキなどデザートもおいしいと評判のトゥーサムプレイス (A TWOSOME PLACE)など、韓国はカフェチェーンが充実しています。
比較的少ない元手で創業でき、特別な技術を必要としないため、起業する人が多いといいます。
ただライバル店が多いため廃業も多いようで、いつの間にか違うカフェや他の店に変わっていることもしばしば…。
人気メニュー、極寒でも飲みたい「アア」
韓国でとりわけ人気が高いのは、「アア」との略語があるアイスアメリカーノ。
極寒の冬でもアアを飲む人は多く、「凍え死んでもアイスアメリカーノ」の頭文字を並べた「オルチュガ」との造語も定着しています。
アアは普通サイズが、日本でのLサイズ並みの大きさのことが多く、味は薄めです。
「辛くて熱い料理が多い韓国料理には、さっぱりとしたアイスアメリカーノが合う」との韓国人の知人の解説にも納得です。
オフィス街では朝やランチの時間帯、アアを片手に歩いている人たちをよく見かけます。
かくいう私も韓国に赴任しカフェ文化に親しむあまり、今では立派な(?)オルチュガです。