【連載VOL.21】KOREA DO?ソウル玉邑記者番外編【ソウル発 秋の日帰り旅行】韓国北東部・江原道へ
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今週は、北海道新聞社ソウル支局 玉邑記者のコリア通信です。
ソウルから行くオススメ日帰り旅行
韓国の秋は足が早く、すぐに冬の寒さがやってきます。
行楽の季節が過ぎ去る前に、いつもいるソウルを離れ、韓国北東部・江原道(カンウォンド)の原州(ウォンジュ)を訪ねました。
高速鉄道(KTX)に乗れば、ソウルから1時間ほど。
韓国の人たちにとっても人気の日帰り旅行先です。
日本を代表する建築家が設計した美術館
まずは美術館「ミュージアムSAN」に足を運びました。
標高275メートルの山中にあり、訪問した10月下旬の時点で赤や黄に色づき始めた山並みが広がっていました。
この美術館を設計したのは、日本を代表する建築家の安藤忠雄さんです。
実は安藤さんは韓国での知名度が高く、私が訪れたこの日も、多くの来場者でにぎわっていました。
建物の中だけでなく、野外にも多くの作品が展示されており、広大な敷地全体の設計を安藤さんが手がけたといいます。
石造りのミュージアム本館が水の上に浮いているように見える庭園「ウオーターガーデン」は特に人気のフォトスポット。
真っ赤なアーチ状の巨大オブジェもあり、SNS映えする写真を撮ることができます。
水の中にある小石は、美しさを保つため週に1度の休館日である月曜日に全て取り出して磨くというから驚きです。
古代朝鮮の新羅時代の古墳をモチーフにした「ストーンガーデン」もあります。
館内には、韓国伝統の紙「韓紙(ハンジ)」に関するアートや、彫刻などが展示されています。
打ちっ放しのコンクリートなどで造られた展示スペースを連結する空間にも趣があります。四角形や三角形、円形をした独特の空間で、上部から太陽の光が差し込んでいました。
窓から建物の外を眺めると、自然の風景が広がります。
自然と建築が調和している印象を受けました。
ミュージアムの学芸教育室長、ノ・ウンシルさんは「春に訪れた人には『夏にはまた違った景色が楽しめます』と言い、夏に訪れた人には『秋にはまた』と話します。秋には冬、冬には春、晴れた日に訪れた人には『雨の日も』と。いつ来ても違った美しさがあるんです」と話していました。
ミュージアム本館から窓の外を眺めると、建築と自然が調和した風景が広がっていました。屋外カフェも人気です
絶景のつり橋でスリリングな空中散歩
アートを堪能した後は、スリルを味わいたいですよね!?
韓国の地方では、山に架かったつり橋が目玉となる観光スポットが、相次いで誕生しています。
その先駆けが、ここ原州の「小金山(ソグムサン)グランドバレー」です。
トレッキングコースにある500段以上の階段を上ると、山の峰と峰を結ぶ長さ200メートルのつり橋が現れます。
下には川が流れ、山の木々が美しく見える絶景が広がります。
ただ足元は格子状の金属で、下が丸見え。人が通ると左右に揺れ、想像以上に怖いです。
トレッキングコースの中につり橋や展望台が組み込まれており、もう一つ別にガラス張りのつり橋もあるそうですが、やめておきました。
原州の名物を味わうなら「キムチマンドゥ」
小腹が空いたところで、原州の名物である韓国式蒸しギョーザ「マンドゥ」を求めて飲食店へ。
韓国ではどこでも食べられるメニューですが、原州の歴史はひと味違います。
原州市によると、1953年に朝鮮戦争が休戦となって以後、故郷を離れた避難民が定着し、駐屯した米軍から小麦粉の援助を受けて作り始めたのだそうです。
地元産の白菜キムチが入った「キムチマンドゥ」は、他の地域のものと違い、肉が入っていないのが特徴だとか。辛さも控えめで、ヘルシーです。
原州の中心部にはいくつものマンドゥ店があり、湯気が上がっていました。