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JOIN ALIVE 2026|15回目を迎える北海道の夏フェス、代表・山本博之インタビュー「遊園地から始まった、誰かの大切な場所」

JOIN ALIVE 2026|15回目を迎える北海道の夏フェス、代表・山本博之インタビュー「遊園地から始まった、誰かの大切な場所」

北海道の夏を彩る野外音楽フェスティバル「JOIN ALIVE(ジョインアライブ)」が、今年で15回目の開催を迎えます。いわみざわ公園の広大なロケーションと遊園地が融合した唯一無二の空間を舞台にしたフェスはどのようにして生まれ、育まれてきたのか。

イベントの生みの親である株式会社マウントアライブ代表・山本博之さんに、これまでの歩みとJOIN ALIVEに込めた想いを訊きました。聞き手は毎年多くのライブに足を運び、JOIN ALIVEではAIR-G’ブースで、さまざまなアーティストにインタビューを行ってきたラジオパーソナリティの森本優さんです。

企画・編集|阿部薫(MouLa HOKKAIDO編集長)
インタビュアー|森本優(ラジオパーソナリティ)

アーティストからの「15回目、出ようか」が何よりのギフト

ーーまずは15回目の開催決定おめでとうございます!本番までもう少し時間がありますけど、心境と言いますか、JOIN ALIVEに対してどういうことを考えて、準備されているのかなっていうのを、お聞きしていきたいと思っています。

山本: 実は自分自身ではそこまで節目の年と強く意識していたわけではないんです 。でも、ツアーで北海道に来るアーティストの方々から、何回目?とか、昨年どうだった?とか聞かれて。そこで、次で15回目なんだよなんて話をすると、やっぱりアーティストの方たちも、「前に出たのはいつだっけ?久しぶりに出ようか?」なんて声をかけてもらうことが増えてね。自分たちだけでなく、アーティストや周りの人たちにとっても、この積み重ねがアニバーサリー的なプレゼントのような意味をもっているんだなと、5回、10回と続けてきた今、改めて感じています 。


ーー山本さん以上に、周りの皆さんがJOIN ALIVEの節目を大切に思っているのかもしれませんね。みんなのフェスになってきているというか、誰かの大切なものになってるっていう感覚…僕はもうすでに感じてるんですけど、いかがですか?

山本: お客さんにも、アーティストにも感じますね。それはすごく感じる。自分自身よりも、もしかしたら周りの人たちのほうが意識してくれてるのかなっていうのがね。昨年の大トリを務めたスキマスイッチが、「来年のトップバッターは僕らだから」なんて言ってくれたのも、彼らが15回という節目を意識してくれていたからこその言葉だし。
お客さん、アーティスト、みんなで楽しい空間を作ってきたからこそ、コロナ禍での2年の中止を乗り越えて、ここまで続けてこられたんだと思います 。

始まりの地はサーカス小屋。オランダの風景が岩見沢に繋がった

ーー北海道にはご自身も立ち上げから関わっていた「RISING SUN ROCK FESTIVAL in EZO」(以下ライジングサン)という大きな存在がある中、ご自身でJOIN ALIVEをスタートする際に、どのようなフェスをめざしたのでしょうか。

山本: 2008年に前の会社でライジングサンの10回目を終えて、「マウントアライブ」という会社を作ったとき、あえて1年間はイベントをせずに会場を探し回りました 。その時に知人から「岩見沢の遊園地がいいよ」と勧められたんです。半信半疑で見に行ったんだけど、今のJOIN ALIVEではベルベットサーカスというステージにあたるサーカス小屋に入った瞬間、EGO-WRAPPIN'の音楽が頭の中に響いたんですよ。その時にね、かつて視察したオランダ・ビッディングハウゼンで行われている「ローランズ・フェスティバル」の、ステージの横が遊園地で、ロックの大歓声とジェットコースターやバンジージャンプの悲鳴が混じり合ってるっていう光景が、すごく印象的で良かったことを思い出したんですよ。いわみざわ公園には「キタオン」(野外音楽堂)があるのは知ってたし、以前に使ったことがあったので、ここかなと思って。オランダまで行かなくても、札幌から1時間の場所にあるじゃないかと 。


ーーまさに、海外のフェスのようなワクワク感が岩見沢にあったんですね。

山本: 周辺の地図をよく見たら、さらにバラ園があったり、スキー場があったりして、こんなに広いんだって。スキー場があって、遊園地もある公園ってなかなかない。公園でフェスをやるっていうのはインフラ的にもすごい楽だろうなというのもあって、よし、ここに決めよう!と思ってスタートしたのが2010年。ライジングサンが上級者向けだとしたら、ハイヒールでも来られるような「初級者向けのフェス」を作ることが自分の役割かなと考えました 。

ーー準都市型というか、完全な都市型じゃないけれども、その中間に位置するような。

山本:最近フェスは都会派と自然派とかって言われるけど、その両方をうまいことミックスした感じの、自然と都市の利便性がミックスされた、ちょうどいいバランスの場所が見つかったことがスタートでしたね。

無理をせず、少しずつ進化させることで深めた街との交流

ーー過去14回開催されてきて、岩見沢っていう土地との交流というか、この街と関わってきて深まった部分って何かありますか?

山本:深まった部分は、まずやっぱり行政でしょうね。市役所、市長含め、信頼関係を生まないと、住民から反対とかされて一番困るのは役所だから。そういう意味ではやっぱり、地元住民の方々に配慮して、あまり無茶をせずに。あんなに広い公園だから、欲が出て、いろんなことをやりたくはなるけれども、待て待てと自分にも社内にも言い聞かせて(笑)。あの街、あの公園で長く続けたいっていう思いがあるからこそ、今はここまでっていう。そうして、なんか街に元気が出てるかも?みたいな、手応えのようなものを感じ始めたのは、5回目以降な気がします。ちょっとずつ進化させて、どれだけの経済効果が…なんてことを最初から言わずに、本当に地元の人たち一人一人にJOIN ALIVEは街にとっていいものだから、必ず街に恩返しするから付き合ってくださいみたいなメッセージを込めてきたのが、少しずつ受け入れてもらえたのかなと感じてます。


「中学生以下無料」に込めた、親子のコミュニケーションのきっかけ

ーージョインアライブの特徴といえば、「中学生以下無料」という驚きの施策です。それはやはり、先述の「初級者向けのフェス」だったり、入り口にしたいっていう思いが強いからこそだと思うんですけど、そのあたりはいかがですか?

山本: ライジングサンを始めた1999年当時、小学生以下を無料にしたのが始まりでした。当時、通常のホールコンサートは3歳までは無料だったのかな。でも託児施設が今のように充実してなかったので、なかなか子どもは連れてこられなかったと思うんですよ。でも、そこは野外フェスだし、開放感ある中で子どもがいるんだったら、じゃあどうぞと。未来のある子どもたちにかっこいいロックを伝えたかったんです。JOIN ALIVEでは、そこからさらに踏み込んで中学生まで無料にしたのは、中学生って一番親離れしたい時期じゃないですか。アルバイトもできない、親ともあまり話さない。そんな時期だからこそ、親に連れてきてもらって一緒に過ごすきっかけにしてほしい。そこでフェスや音楽の楽しさを知って、高校生になったら、今度は自分でアルバイトしてチケットを買って来てくれる…そんな循環が生まれたらいいなという「きっかけ作り」ですよね 。


ーー実際、山本さんの思惑通りに「JOIN ALIVE」なら親について行くか…みたいな、反抗期の中学生はいそうです(笑)。

山本:下の世代だけじゃなくて、小さな子どもをもつお父さん・お母さんはライブが観たい!でも、子どもは遊園地がお目当てとなると、おじいちゃん・おばあちゃんまで一緒に参戦して子どもを任せて、お父さん・お母さんは音楽楽しんで…みたいなのを聞くと、おじいちゃん・おばあちゃんの世代にも音楽を楽しんで欲しいなと思って。おじいちゃん・おばあちゃんたちは僕世代ぐらいの人たちだから、過去にはキャリアのある人たちーゴダイゴやBARBEE BOYSを呼んだりとか。今年でいえば、BUCK∞TICKとかね。そういう世代やジャンルへの気の使い方も含めて、どんな世代にも楽しめる場面をつくるようにはしてるかな。

サカナクション・山口一郎との挑戦

ーーこれまでの開催で、いろんなことが起きてたと思います。楽しいこともあれば、運営サイドとしてこれは大変だったなど、いろいろあると思うんですけれど、山本さんが覚えている景色だったり、誰かの言葉だったりっていうのは何かありますか?

山本:JOIN ALIVEを始めた時に、まさかここでオールナイトでやるとは、さすがの僕も思ってなかったんだけど、サカナクションの(山口)一郎くんから、オールナイトでやりたいんだよねって言われた時に、あそこの山のスキー場の上のてっぺんも公園なので、まあ、いつかここで、リフトで上がって、山の上から壮大な景色を見ながらライブっていうのも、まあ一個のステージとしてはいいなと思ってはいたんだけど、一郎くんもそこに目をつけてて。ああ、来たかと思って(笑)、じゃあとメンバーを連れて山の上まで行ったんですよね。それで、ここでぜひやりたい!みたいな。あの山の上の手前に展望台があるんですよ。ここも実はすげえいいんだよって、ここでDJプレイとかやったら、最高に面白いと思うよ!なんて言って見せたら、それいいですねと。その時に一郎くんがすごくいい提案をしてくれて、岩見沢の地元の人たちに空間のデコレーションをお願いしたいと。岩見沢って北海道教育大学があるじゃないですか。教育大の先生の方々も知り合いが多いから、協力してもらってボランティアを募集して、教育大の生徒たちが装飾をやることになったんです。そのために一郎くん本人が教育大まで出向いて、生徒たちに説明までしてましたね。


スケールアップよりも先に利便性を進化させる

ーー公園という固定のインフラがありながらも、年ごとに変わる景色や会場づくり、広い公園内にはまだまだ余白があったり、JOIN ALIVEは、ここからどこまで行くんですか?

山本:会場として使ってるのは公園の6〜7割くらいかな。まだまだ使われてないところはあるけど、もう今で十分だなって思っておいた方が(笑)。やっぱり移動距離はなるべく短くしてあげたほうがいいだろうし、だから遊園地に必ずステージは2つ用意してあって。メインのローズステージまで行くのも、なるべく移動を短くと考えていたり、今年も1か所、ミラクルリーフって一番端っこのステージから、そのまま遊園地に行ける動線を作ろうとかね、お客さんの声をちゃんと聞き入れながら、そういった利便性は考えますね。だから入場口もJOIN ALIVEは初回から2か所にしてるんです。全国どこのフェスに行っても、大体メインゲート1か所だと思うんですよ。でも、ウチはキャンプの人はすぐにキャンプサイトへどうぞっていうのと、最初からライブをがっつり観たい人はローズエントランスからぐるっと回ってちょうだいみたいな感じで。

岩見沢の「街のお祭り」のような存在をめざして

ーーフェスが一過性のブームじゃなく、文化になったと感じます。日本全国で春夏秋冬、どこでもフェスをやっているような中で、今後、山本さんとしてはJOIN ALIVEを、どういうふうに続けていきたい、もしくはどういう位置づけにしていきたいとお考えですか?

山本:一時フェスブームみたいな言われ方をして、コロナで足踏みを余儀なくされて、淘汰されるんじゃないかと思ってたら、それどころか増えてきたよね。僕は神社のお祭りのように「毎年、この場所で音楽のお祭りがある」という、地元に根ざした当たり前の存在にしたいんです。そんな当たり前のお祭りが本当の意味でのフェスティバルだと思うし。キャンプが目的でライブを一本も見なくてもいい。そこで友人と再会して、「また今年も会えたね」なんて言い合えるような場所であって欲しいよね。



ーー街のお祭りのひとつにしたい…なるほど、いいですね!僕自身「久しぶり!」「来年もジョインで!」みたいな会話を実際に聞いたことがありますし。今日は貴重なお話をたくさん聞かせていただきました。ありがとうございます。1ファンとして、今年のJOIN ALIVEも楽しみにしています!


取材は山本さんの膨大なレコードコレクションに囲まれた社長室にて

取材は山本さんの膨大なレコードコレクションに囲まれた社長室にて

インタビューはまだまだ続く

実は今回のインタビューでは、メインの聞き手である森本優さんとは別に、4月からMouLa HOKKAIDOの新編集長となった阿部薫からの質問も用意していました。15年前の2011年、2回目のJOIN ALIVE開催を控えた山本さんにインタビューした彼が、どうしても今聞いておきたいことがあったのです。

二人の話は弾み、予想以上のロングインタビューとなったため、インタビュアー阿部による“延長戦”は明日4月17日(金)に公開します。お楽しみに!


JOIN ALIVE 2026|山本博之インタビュー【延長戦】はこちら

JOIN ALIVE 2026


JOIN ALIVE 2026
日時|2026年7月18日(土)・19日(日)(雨天決行)開場 9:30 / 開演 11:00 / 終演 21:00
会場|いわみざわ公園(野外音楽堂キタオン&北海道グリーンランド遊園地)岩見沢市志文町794番地

出演アーティスト(2026年4月21日現在)


これまでのJOIN ALIVE

2010年にスタートし、2020・2021年のコロナ禍による開催中止を経て、2022年から再開し今年いよいよ15回目の開催となるJOIN ALIVE。これまでのラインナップを歴代のポスタービジュアルとともに振り返る。
















この記事を書いたモウラー

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