道内の観光・グルメ・おでかけ情報満載 MouLa HOKKAIDO(モウラ北海道)

RISING SUN ROCK FESTIVAL 2026|朝日がメインディッシューRSRが25年を超えてなお進化し続ける理由

RISING SUN ROCK FESTIVAL 2026|朝日がメインディッシューRSRが25年を超えてなお進化し続ける理由

北海道の短い夏の終わりを告げる、国内最大級のオールナイト野外ロックフェス「RISING SUN ROCK FESTIVAL in EZO(以下、RSR)」。1999年の初開催から四半世紀を超え、いまや石狩の地に現れる“2日間だけの音楽の街”として多くのファンに愛されています。

今回はRSRの立ち上げ時から運営に携わる主催の株式会社ウエス 西木基司さんをゲストに迎え、公私にわたり20年以上RSRに参加してきたラジオパーソナリティの松尾亜希子さんが、その舞台裏と「ライジングらしさ」の真髄に迫ります。

企画・編集|阿部薫(MouLa HOKKAIDO編集長)
インタビュアー|松尾亜希子(ラジオパーソナリティ)


何がベストなのか?ー答えがないまま手探りで形にした1999年のRSR

始まりは「ピンクのリボン」と「手探りのルール」

ーーまずは1999年から始まったRISING SUN ROCK FESTIVAL in EZO(以下ライジング)ですけど、西木さんは立ち上げの時から関わっていらっしゃいますよね。当時のエピソードからおうかがいしたいのですが。

西木:1999年の初開催の時は、その年の頭ぐらいに「フェスをやる!」となったんです。当時は世の中に「フェスティバル」っていう言葉自体が浸透していなくて、ルールもなければ何を準備するのがベストなのか、すべてが手探り。本当に手作りでしたね。


ーー何もわからないままのスタートだったんですね。

西木:イメージは、その前々年の1997年に開催された「FUJI ROCK FESTIVAL」。あれが日本における欧米スタイルの音楽フェスの最初ですよね。それに影響を受けて「邦楽だけでやろう!」っていうのがライジングの始まり。最初はテントサイトに区画すらなくて、町内会で使うような巨大なテントを持ってきちゃう人がいて、「それはここに立てたら後ろの人が見えないから一番後ろに立ててください」みたいな感じでしたね(笑)。

ーーサイズ関係なく、自由に(笑)。

西木:さらに、開場してテントが並んでから「誰がテントチケットを持ってる人か見分けがつかない」って気づくんです(笑)。それで慌ててピンクのリボンを用意して、一軒ずつテントを回って「ここはテントチケット持ってます」って確認してリボンを結んでいきましたね。そうやって、ひとつひとつ「こうしたら快適だよね」と確認しながら、1年ごとにブラッシュアップしてきたんです。

開催4ヶ月前に起きた会場探しのドラマ

ーー場所は最初から石狩と決めていたんですか?

西木:1998年の夏に、札幌芸術の森で清志郎さんやブランキー(・ジェット・シティ)、ミッシェル(・ガン・エレファント)が出たロックイベントがあったんです。その打ち上げで、ライジングの初代プロデューサーの山本さん(現マウントアライブ代表)とブランキー、ミッシェルのマネージャーさんたちが「北海道でフジロックみたいなのをやろうぜ!」と盛り上がったのがきっかけでした。

ーーそこから会場探しが始まったと。

西木:年が明けて、1999年の春から探し始めて、最初は盤渓が候補に挙がって、実際にPA(ライブにおける音響設備やシステム)を組んで音を出してみたら、すぐに近隣から苦情がきてこれはダメだと。それが4月だから初開催の4ヶ月前ですよ。その後、場所を転々として行き着いたのが石狩でした。当時は半径3キロ以内に誰も住んでいないことを確認して決めたんですけど、25年以上経った今は1キロ以内に人が住んでますよね。周辺の環境は変わりつつあるけど、あの真っ平らな土地と、札幌からのアクセスの良さは代えがたいですね。

主催者とお客さんによる共創ー石狩の地で共に街をつくり、守り続ける矜持

運営50%、お客さん50%で完成する100%のフェス

ーーあの広大な地でやる「ライジングらしさ」って、西木さんはどこに感じますか?

西木:四半世紀以上経って、今や全国にフェスが増えましたが、音楽が「絶対的な主人公」ではないってところが“ライジングらしさ”かもしれないですね。数多くのアーティストたちの音楽を聴いて楽しむっていうのは一緒かもしれないけど、じゃあそれがメインディッシュかっていったら、いや、メインは「朝日を見るまで自由に楽しむこと」 じゃないかなって思うんです。日曜の朝日を見るまでの2日間48時間の中に“音楽もあります”っていう。


ーー過ごし方はあなた次第、という懐の深さですよね。会場が広大なので、めちゃくちゃ歩くし、正直、自由が多いのと引き換えに不便さもあるわけじゃないですか。その辺りも一緒に楽しむ感じですよね。

西木:よく「我々プロジェクトチームが提供しているのは50%だけです」と答えるんです。アーティストやインフラは私たちが用意するけど、それは全体の50%ですよと。残りの50%は、来るお客さんが「どう楽しもうか?」とイメージしてもってきてもらうもの。不便さや過酷な環境も含めて、自分たちで考えて参加するマインドがあれば、合わせて100%の楽しさになりますよ。

ーー半分は自分たちで自由に選べますよってことですよね。

西木:最低限のルールはあるけれど、あの環境―野外で暑い、寒い、雨風、砂埃…といった中で、どう楽しもうか?って考えて準備したり、イメージしたりして参加してくれると絶対楽しいと思うんですよね。

最強の「ごみ13分別」と次世代へ続く絆

ーー環境への取り組みもライジングの特徴ですよね。初めて行ったとき、あのごみの分別には本当に驚きました。

西木:1回目が終わったあと、ものすごい(ごみの)量で、これは良くないとなったんです。それで翌年から環境NGOに入ってもらった。そこにボランティアでいたのが、今の「ezorock」(※)の草野くんで、北海道出身だし一緒にやろう!となって。当時、まだ大学生だった彼が「50年後もこの会場をきれいに、気持ちよく音楽を聞ける場所に」と有志を募って、2001年につくったNPO法人が「ezorock」です。もう最強!全国どこを見ても、ここまで分別してるフェスはないと思う。しかも、捨てるための分別じゃなくて、リサイクルされる前提の13分別ですからね。
※2000年の「RISING SUN ROCK FESTIVALにおける環境対策活動」をきっかけに2001年4月に設立されたNPO法人


ーー単なる分別じゃなくて、その先のリサイクルまで考えられていますよね。それが若い世代にも受け継がれていて、ごみ分別を本当にみんな楽しそうにやってる。捨てる側のこちらが判らずに迷ってたら、ちゃんと教えてくれて。あ、そうなんだみたいな。学びながらごみを捨てられるっていう。

西木:家庭ではあそこまで分けないけど、ライジングの会場であの細かな分別を目にすると、環境というか、リサイクルがちょっと身近に感じたりして勉強になりますよね。 生ゴミは堆肥となって糧になり、じゃがいもになって石狩に還ってくる。最近では間伐材で薪やコースターを作ったり、農家さんの規格外のさくらんぼをフリーズして販売したりもしています。楽しみながら環境やリサイクルが身近になる。これも大事な体験だと思っています。

朝日から逆算するパズルの妙ーアーティストも“祭りの住人”に変える幸福な関係

「朝日」という名のヘッドライナー

ーー個人的に一番気になるのは、アーティストのブッキングについてです。ライジングでは「このステージのこの時間に演奏してほしい」という口説き方をすると聞きました。

西木ライジングにとってのヘッドライナーは“朝日”です。だから、今年の朝日を迎える瞬間に何を聴きたいか?ライジングでは日曜の朝、最後のライブを「クロージングアクト」っていってますけど、そこを一番最初にチーム全員で考えます。オールナイトだから、日中〜夕暮れどき〜月夜のミッドナイト〜白々と明けてくる朝方と、いくつかのシーンがある。その時間軸の中、誰の何の曲聴きたい?っていうのが無ければ、なんでこの人呼んだの?みたいなことになってしまう。この時間にこの曲聴いたら、アガるよね、泣けてくる、踊っちゃう、乾杯したくなるとかね。そんな情景を、ひたすらイメージしながらパズルを埋めていくような作業です。

ーーそれをステージごとにイメージしてオファーしていくと。だからこそ、あの唯一無二のストーリーが出来上がるんですね。あとはライジングといえばの、ここでしか観られないセッションもそんな感じで…

西木:セッションもそう。今年はどのステージで、どう聴かせたいのか?金曜深夜のFor Campersステージ(※)は、あとは寝るだけだけど、興奮しすぎて眠れない人たちにちょっと寝酒代わりにどうぞみたいな感じだったり。
※金曜23時以降、キャンプの泊まり客、もしくは通し入場券を持つ人のみが観られるステージ


アーティストも楽しめる場

ーーライジングってアーティストからの評価も高いですよね。私もいろんなアーティストにインタビューしてきましたけど、「(ライジングに)出るんですよ!」みたいな、ちょっとドヤ感みたいなのも感じます(笑)。初めて出演するアーティストからは「いろんな方々から、とにかくいいフェスだからと聞いてるので」って声も耳にします。

西木:某アーティスト…ほとんどの人がご存知だろうって方ですけど、これまでフェスには、ほとんど出たことがなかった方で。つい最近、本人と話した時に、「ライジングで一曲目を演奏した時に、悪い意味じゃなく、僕を見に来たんじゃない。みんなこのお祭りを楽しみに来ているんだ。その人たちが聞いてくれてる。」って思ったそうなんです。そこでスイッチが変わって、アーティスト本人もこの祭りに参加しようと思ったし、結果すごくいいライブができたと。もう毎年でも出たいって思うのはライジングだけですと言ってくれて。ちなみに3年越しで口説いた方だったこともあってすごい嬉しくて。


ーーアーティスト同士もバックステージで交流できるからいいって、皆さん言いますよね。

西木:ライブが終わった後、裏でゆっくりしてる方も多いですね。首都圏や関西圏のフェスだと、終わってすぐ東京に戻らなきゃ…となるけど、そこは北海道なのでそうはいかない(笑)。アーティスト同士って意外と接点が無かったってことはあるんですよ。そこに共通の知人がいて一緒に肉焼こうよ!みたいな。バックステージがそういうコミュニケーションが取れる場、社交場になってますよね。そこから「じゃあ今度一曲作ろうよ」と発展したことも過去に何度かありますしね。 裏で盛り上がって、「ギター貸すから一曲やろうよ!」となって、飛び込みでステージに出ちゃうとかもあったりして、主催者側の我々も知らなかったみたいな(笑)。でも、それはそれで演者もお客さんも楽しいなら全然OK。それも含めて、ライジングという昇る朝日を見るまで音楽を楽しむお祭りの、アーティスト側の楽しみ方かもしれないですね。

「我々もがんばる、お客さんもがんばる」ー石狩という“自由な街”の住人になるための招待状

ーーだからこそ、あの独特のハッピーな雰囲気が醸し出されている気がします。ただ、参加したことがない方にとっては、結構過酷だって聞くし…と不安な点もあると思います。そんな方々に向けて、楽しみ方やおすすめスポットとかアドバイスいただけますか?

西木:初めて参加するのに、いきなりテント立ててっていうのは、おそらくハードルが高いと思うんですよ。でも、地下鉄南北線の麻生駅からシャトルバスで30分、夜はミッドナイトバスで札幌中心部まで戻れるバスもあって、多少時間はかかるけど2日間通いでも来れるので。ただ、屋外に2日間いることを考えて何を着ていくか?雨降った、寒かった場合を考えて準備したり、汚れてもいい歩きやすい靴は?ってところだけ考えてくれれば、絶対楽しめますよ。 休めるスポットもあれば、美味しい飲食店もいっぱいあるし。あとはタイムテーブルとにらめっこしながら無理なくって感じですかね。初めての人は、まずそうしてみて、「やっぱり(休める)拠点を設けたほうがいいかも?」となれば、来年以降はテントサイトを取るのもひとつ。

ーーそうなんだよなあ…私は2003年に福岡から引っ越してきて、当時の番組担当ディレクターに「夏にライジングサンがあるから、とりあえず行った方がいい。」って言われて、よくわからないまま初めて行って、夜中にあんなに寒くなるなんて知らなくて。もちろんテントサイトも取ってないから、サンステージの横でもう布という布をかぶりまくって朝を迎える経験をしたんです。それで、次の年からテントサイトを取るようになって、毎年これがあった方がいいっていう学びが更新されいくから、年々快適になるんですよ。

西木:そういう風にお客さんも、我々主催者側もブラッシュアップしていくのがいいんじゃないですか。主催者が何から何まで用意して、お客さんは手ぶらでチケットだけ持ってきてくれればOKですってフェスではないので。我々もがんばるし、お客さんもがんばる。最高な音楽と美味しいご飯だけはご用意しておきますからっていう。

ーー金曜から日曜の日の出までの2日間だけの街じゃないですか。そこの住人になれるっていう特別感がありますよね。

西木:音楽がメインディッシュじゃないっていうのも、そういうところだと思うんですよね。いろんな楽しみ方がありますと。美味しい食事やアートや遊ぶところだってある。干し草の上で昼寝したことありますか?とかね。その時間、空気、空間を楽しむフェスです。

ーー本当そうなんですよね。干し草の上でゴロンって寝ちゃうもんなあ…それもまた幸せでね。それが普通な街ですからね、ライジングは。みんながワクワクするようなストーリーをプロジェクトチームの皆さんが想像しながら用意して、お客さんはそれぞれの想いをもって参加する。そこにあるモノ・コトは自由で。今年もあの街の住人になりに行くのを楽しみにしています。ありがとうございました!

西木:ぜひぜひお待ちしています。こちらこそありがとうございました。


RISING SUN ROCK FESTIVAL 2026 in EZO


出演アーティストは2026年5月18日現在の情報

開催概要

RISING SUN ROCK FESTIVAL 2026 in EZO
日時|2026年8月14日(金)・15日(土) 〈雨天決行・オールナイト開催〉
14日 Open 10:00 / Live Start 14:00 / Live End 23:00 予定
15日 Open 10:00 / Live Start 12:30 / Live End 05:00(16日)予定
会場|石狩湾新港樽川ふ頭横野外特設ステージ(石狩市新港中央1丁目 / 小樽市銭函5丁目)

チケット情報

入場券最速抽選受付|通し⼊場券・14日券・15日券
受付期間:2026年5月23日(土)12:00 〜 27日(水)23:59
受付プレイガイド:チケットぴあ
価格(すべて税込):通し入場券 ¥31,000 / 14日券:¥15,000 / 15日券:¥20,000
※1申込4枚まで
購入者特典:
特典1 RSR2026 特製オリジナルグッズ
非売品:入場券1枚につき1個プレゼント
特典2 入場リストバンド事前発送
入場券としてリストバンドを事前に発送
会場にて交換していただく必要がないので便利!


チケット詳細はこちら

この記事を書いたモウラー

編集部

MouLa編集部

MouLa HOKKAIDO編集部アカウントです。