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おかえりRSR!ただいまRSR!〜【極私的】RISING SUN ROCK FES 2022 in EZO アフターレポ

おかえりRSR!ただいまRSR!〜【極私的】RISING SUN ROCK FES 2022 in EZO アフターレポ

3年ぶりのRSRがはじまる!!

「RISING SUN ROCK FESTIVAL」(以下RSR)が3年ぶりの開催!!

開催前の注目アーティストについてDay1 / 2 に分けて書くほど楽しみにしていたRSR。
(以下のリンクから見られます)

近年では8つあったステージが今回は3つになり"特別なライジング"となった2022年。開催直前まで新型コロナ感染によるアーティストのキャンセルもあったけど、結果としては"特別で最高なライジング"だったと思う。

興奮冷めやらぬうちに…と思うも、例年通りの疲労とロスですでにずいぶんと時間が経過していた。会場へ行った方、同じステージを共有した方にだけでも伝われ!!という想いで"極私的な"アフターレポートを書いてみます。



スタートからいつもと違うぞRSR

僕がここ数年、陣取るオートキャンプエリアは、ややステージから遠い場所にあるものの、車を横付けしてテントを張れるため、多くの重い荷物を移動する手間が省けるし、スペースも広く、なにより入場時の渋滞を回避できるのも良かった。

良かった…というのは、今年は途中から渋滞が…
入場口からリストバンドチェックをして、実際にオートキャンプエリアに入れるまでに1時間半ほど、、、おそらくオートキャンプエリアが拡大されたのと、リストバンドチェック時の確認事項が多くなったためだろう。


"キャンプ地"が決まったのが13時過ぎ、、、好天につき、ビールを飲みながらテントの準備をしていたら、整った頃にはすっかり14時を過ぎていた。今年はSUN STAGEのトップバッターSUPER BEAVERが13:30から。例年その前にある主催のWESS若林さんの開会あいさつを聞くのが好きなんだけど今年は断念。15時からのクリープハイプに照準を合わせる。

おかえりRSR!ただいまRSR!


前日夜まで降っていた雨も上がり、何年ぶりかの晴れスタート。何度も言うけどオートキャンプからステージは遠い。出遅れた僕らはオートキャンプエリアの中でも後方だったのでさらに遠い。このHEAVEN'Sゲートのエントランスアーチにたどり着くまでに10分ほどかかる…でもでも、3年ぶりに見るこのアーチを見ただけでぐっときた。

やっとやっとやっと戻って来れた!!これこれこれーーー!!!

会場マップはチェックしていたものの、横の広がりというか途中に寄れるステージ(RED STAR FIELD、RAINBOW SHANGRI-LA)が無いだけでSUN STAGEはいつもの場所、、、はるか彼方にある。エントランスアーチからさらに10分少々はかかる。

特別なRSRにいつも通りのクリープハイプ


遠く遠くにSUN STAGE

今年は何十km歩くことになるんだろうと思いながら、クリープハイプがはじまる数分前に到着したSUN STAGE。

強い西陽の中、尾崎世界観の語りからスタートしたライブは『ナイトオンザプラネット』からしっとりと始まり、中盤にはお待ちかねの"夏のせい、夏のせい♪"(『ラブホテル』)〜『イト』『栞』と盛り上げて、「フェスのラストにバラードかよ!ってのも思い出だから…」みたいなMCを挟んでのラストは『exダーリン』。

彼らをあまり知らないひとたちも盛り上がれる選曲で、でもなんの衒いも無い、いつも通りのクリープ〜を見せてくれた。

新たなステージ「Hygge Stage」でTENDRE


続いて17時からのTENDREを観るべく、今回新たに出来た「Hygge Stage」へ。
森に囲まれた空間は個性的でクラフト感のあるお店が軒を連ね、地元アーティストのライブペインティングなどもあって自由な雰囲気。
これまでのBOHEMIAN GARDEN、RAINBOW SHANGRI-LA、PROVOスペースが合わさった感じ?

ライブもスタンディングでしっかり観るというよりは、空いてるスペースに腰掛けて飲み食べしながら聴くのにぴったりで、ラインナップされたアーティスト、セットにも納得!


演者と観る側が近く、ファンには最高なロケーションと最高にチルな空間で聴くTENDRE。

あの艶のある声が好きで、楽しみにしていたライブのひとつだったけど、陽が落ちる前の夕暮れ時、17時過ぎ。ちょっと離れた場所でゆったりと聴き入った。

というのも、こんなに多くの人たちがいる中、音楽の趣味が近いからか毎年必ずどこかで出くわす前職の後輩がいて、今年は早くも遭遇!!お互い札幌の街中で仕事をしてたってめったに会わないのに…こりゃもうビール片手にグッドミュージックをアテにお互いの近況を話すなんてのもいいものなのだ。


中村佳穂という天才に泣く


18時からの中村佳穂@EARTH STAGE。
これまではテントに覆われていたが、今年はSUN STAGEをスケールダウンしたような仕様になっていた。

個人的には今回のRSRでは最重要ライブといっていい中村佳穂。2019年にラインナップされていたものの、初日が台風で中止になり今回が初出演。

先に開催されていたフジロックの配信でも素晴らしいパフォーマンスを目にしてただけに期待が高まる中、さらーっと出て来ると、独特の歌うように話すスタイルでスタート?!と思いきや、ライブの始まりを告げるSEがかかる前だった(笑)。

改めてSEが明けてライブがスタート!
彼女のライブは、ほぼ音源とは異なるアレンジで、はじめは「これ、どの曲?!」となることがほとんどだ。歌うように話し、話すように歌うまさにフリースタイル。そして、あの圧倒的な歌声は音源や配信で聴くのとはまったく別次元のものだった。僕は曲が云々以前に歌声に感動し泣けてくるという初めての体験をした。



18:26 ライブの途中に空が夕暮れに染まっていく

ライブの中盤、『さよならクレール」』終わりくらいだったろうか。「みんなの後ろで夕焼けがきれいだよー」みたいなMCにつられて振り返ると本当に美しい夕焼け。

RSRではラインナップを決める際に単なる出演依頼ではなく、この時間帯にこのステージに出て欲しいまでをアーティストに告げてオファーするそうだ。刻々と変わる自然の風景が観る側の気分を変えてくれるのも野外フェスの魅力。こんな情景を前に中村佳穂を観て欲しい!とRSRの担当者がイメージ出来ていたとしたら、完璧なブッキングだと思う。

実は彼女、翌日のSATURDAY MIDNIGHT SESSION@SUN STAGEへの出演も決まっていて、そこでは期待していた上原ひろみとのセッションが実現した。この連日のステージで見事に喰らった僕は、その後すぐに9/29のソロライブのチケットをゲットした。


盛大だったYOASOBI


日が暮れはじめた18:30からのSUN STAGEはYOASOBI。
中村佳穂の途中から移動するつもりだったが、すっかり彼女の歌声にロックオンされた僕は最後まで聴き入ってしまい中盤から。

YOASOBIの巨大なネオンをバックに据えたステージはプロジェクションマッピングにより、さらに煌びやかに変幻自在に姿を変える。ここまでのスペシャルセットは2017年のB'zが出演した際に見た膨大な数の巨大スピーカーが並んだ時以来か。

ここ数年ヒット曲を連発するユニットだけに、ステージ前のスタンディング、レジャーエリアだけでなく、そこから溢れたひとたちがその周辺までも埋め尽くし、会場のメイン導線から観るひとたちも大勢いた。

正直、デスクトップミュージックのアーティストがどこまでのライブをできるのか?と斜めに見ていた部分があったけど、IKURAの伸びやかな歌声は石狩のでっかいステージに負けないものだったし、パフォーマンスもステージセットもオーディエンスもとにかく盛大なものだった。



月をバックによふかしなCreepy Nuts


初日のEARTH STAGEのトリは21時からのCreepy Nuts。
ステージの上には満月…これまた彼らにはぴったりのロケーション。

開始直前にステージへ行くと、すでにとてつもない数の人、人、人…野外フェスに行ったことがあるひとはわかると思うが、ファンはスタート前から陣取るが、そこまで…って人たちが始まってからぞろぞろと増えて、気づけば後方にすごい数のひとという現象がよくある。この日もまさにそれで、その後に入場制限が入ったというのもうなずける。

先日の札幌でのライブはDJ松永が新型コロナ感染により不在だったため、念願の1MC 1DJの完全体Creepy Nuts。ここ数年のヒットチューンの中でも大盛り上がり必至の選曲でオーディエンスを煽る。

ラストには初のライブ演奏だというYOASOBIとのコラボ曲『ばかまじめ』にIKURAがサプライズで登場。そのステージまで足を運んで、こんなサプライズに遭遇してしまうのもフェスの魅力だ。

Day2はRSRの常連 スカパラからスタート!


Day2 @SUN STAGEは11:30〜東京スカパラダイスオーケストラで幕を開けた。
RSRに出ない方が不思議なくらいの常連組といえば、怒髪天、奥田民生、スカパラあたりだろうか?(個人的には石野卓球にも居て欲しかった)

その前のWESS若林さんの挨拶にも間に合った。
「愛し合ってるかーい!!」のシャウトに2日目のスタートも高まる。
「ミスターライジングサン!」の紹介の後に、ドラムス茂木欣一と石狩生まれの天才ドラマーYOYOKAのセッションからライブがスタート。

オールナイトのはじまりを景気づけるかのように、踊らざるおえないナンバーをたたみかけるスカパラ。それに応えるかのように観客は思い思いに身体を揺らす。この性別も年齢も関係なく踊らにゃ損!みたいな空気感が好きだし、そうさせてしまうのがスカパラの凄さ。あぁ、今年もRSRで観られて良かったと思ってしまう。

過去にコラボしたことがあるアーティストが、同じ日にRSRに出演予定があると、サプライズを期待してしまうが今回は無かった。でも、個人的には茂木欣一が歌う『いかれたBaby』が最高だった。茂木がスカパラに加入する前にいたフィッシュマンズの名曲。

そのフィッシュマンズのVo.佐藤信治はRSR初回の1999年に亡くなった。この年にはスカパラのドラマー青木達之も亡くなったこともあり、スカパラもフィッシュマンズも出演していないというMCからの『いかれたBaby』は土曜の昼間っから沁みた。

オールナイトに備えて犠牲を伴うのもRSR


オールナイトで楽しめるフェスというのはRSRの大きな魅力のひとつだ。それゆえ序盤にトバし過ぎると、夕方から夜中のめちゃくちゃ観たかったライブの時間に爆睡して見逃すという失態をこれまで何度も経験した。

20〜30代ならまだしも、もう体力の減退っぷりは重々分かってるので、体力の配分は非常に重要!ということで、フジファブリックの『若者のすべて』を堪能した後、サッポロビールのPERFECT BEERを流し込み、夜に向けて後ろ髪を引かれつつ休憩。

20時からのレキシ前に復活!!『ラサロ!!』

出演キャンセルになったにも関わらず、物販はかなり早い段階でSOLD OUTとなっていたKing Gnu。"Be PUNK"とプリントされたかっこいいT-SHをたくさん見かけた。それほどに待望されていた彼らのピンチヒッターはレキシ。

前回出演の際に買ったライブに必須グッズ(稲穂)がライト付きにバージョンアップしてると聞き、物販に並ぶも長蛇過ぎる列、、、ちょっと間を空けて再訪してみると完売、、、オールドタイプの稲穂を手にSUN STAGEへ向かう。

いつも思うけど、レキシも本当に老若男女を問わず楽しませる。実際、よく知らないであろう子どもたちが楽しむ姿をたくさん見かけた。どこからか引っこ抜いてきた"リアル稲穂"を振る人も多数!!北海道つながりで『夏祭り』(Whiteberry)、「新宝島』(サカナクション)からの『マツケンサンバⅡ』(not 北海道)、『白日』(King Gnu)と続く。観客を引き込むサービス精神がビンビン伝わってくる。この日も最高のステージだった。


レキシ明けに恒例の花火

奇跡的なSUTURDAY MIDNIGHT SESSION


期待はしてたけど、期待の100倍くらいでした、これ。
上原ひろみのフリーキーなピアノと菌滅音楽隊と名乗る最高な楽器隊と岸田繁(くるり)、奥田民生、渋谷龍太(SUPER BEVER)、ヒロト(ザ・クロマニヨンズ)、中村佳穂とのセッションが続く。RSRでしか観られないセッションを何度も目の当たりにしてきたけど今回も至高でした。

その後の名MC(?!)TOSHI-LOWによるコーナーには奥田民生、岸田繁(くるり)、渋谷龍太(SUPER BEVER)が再び登場。彼らによる井上陽水の『最後のニュース』。もうあれは、なんと表現したらいいのか…まさに土曜の真夜中に沁み入るものだった。

圧巻!藤井風!!

King Gnuとともに、若い層にはかなり目当てのひとが多かったであろうVaundy。
24:30〜@SUN STAGEにラインナップされてたのも頷ける。その大きな穴を埋めたのは藤井風。ふたりの交友関係もあって直近にも関わらず、即出演が決まったそうだ。

僕的には待望の坂本慎太郎が30分ズレで控えていたけど、迷いに迷った挙句、生来のミーハー心が勝ってしまい、SUN STAGEのPA前を陣取ってしまった。

様々なメディアで取り上げられた通り、アタマ4曲はVaundyのカバー。その後の2曲と終盤3曲が自曲で、全12曲中7曲が今回キャンセルになった方たちのカバー…それもかなりのハイレベルなパフォーマンス。もう圧巻!天才!!というしかないアクトだった。


2:38 満月の石狩

BEGINで迎えるライジングサン


長らくこのフェスに来てる人たちが、チケット発売前に今年のライジングは誰が出るの?ってのが問題にならないのと一緒で、ここ数年僕にとってクロージングアクトは誰だから観る/観ないというのは関係無くて、日の出が見られるのか?!ってのと、全アクト終了後に流れる、もはやRSRのエンディング曲と言える『With or Without you』(U2)を聞くのが最大の関心事だ。

若手アーティストが多く出演した今年のRSRでクロージングアクトにBEGIN?!と正直思った。でも、あの場に居合わせた人たちなら、その意味に納得したと思う。沖縄音楽はワールドミュージックだ。スカパラの時に感じたのと同様に楽曲を知らずとも老若男女が音に合わせて思い思いに踊っていた。途中、ピアノの上地から踊り方やリズムの取り方の指導が入りそれに倣って踊る観客。それはとてもとても和やかで素晴らしい光景だった。

「最後だけ喋る」とMCを始めたVo.比嘉は、ミュージシャンが政治について語ること、RSRが3年ぶりに開催されたことの意義をとっても丁寧に伝えていた。そして、ラスト曲『島人ぬ宝』の歌詞だけスクリーンに映し出されたのもミュージシャンと主催者の想いが感じられた。

20分遅れのライジングサン


BIGINの終演後に流れてきたのはジョン・レノンの『POWER TO THE PEOPLE』。"特別なライジング"に相応しいなぁと思った。その後にはいつもの『With or Without you』。

曇り空の中、終了したRSR。全アクトが終わった20分後に見た光景が上の写真。
あぁ、今年も来て良かった。来年はいつものライジングが戻ってくることを願って止まない。


この記事を書いたモウラー

副編集長

Kacko-A

[ A ](カッコエー)という屋号で、札幌を拠点に広告・ウェブサイトのクリエイティブディレクション、ウェブメディアの編集・ライティング、イベントやラジオ番組の企画など、いろいろやってます。