
【連載VOL.75】KOREA DO?ソウル編【皆さんは野外で本を読んだことはありますか?】
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今週は、北海道新聞社ソウル支局の竹中記者のコリア通信です。
都会のど真ん中に現れた読書空間
キャンプの際に森や川など自然に囲まれて静かに読書を楽しむ。そんな体験をしたことがある人もいるかもしれません。
今回ご紹介するのは、状況が違ってソウルのど真ん中で行われている一風変わったイベント、その名も「ソウル野外図書館」です。
会場は、市庁舎前のソウル広場、清渓川(チョンゲチョン)、光化門(カンファムン)広場の計3カ所。
読書用のソファやイス、パラソルなどが設置され、無料で利用できます。
私もソウル広場の野外図書館に行ってきました。
この広場は普段から市民の憩いの場となっており、時にはデモや政治集会が開かれるほか、冬にはスケート場も開設されます。
赤や青、緑など色とりどりの数百席分のソファやイスが並び、圧巻の光景です。カップルや家族連れらが本を読みながら、ゆったりとした時間を過ごしています。日差しはやや強いものの、外で過ごすにはちょうどいい気温。
まさに、野外読書日和と言えるでしょう。
絵本から経済書、文芸書など多彩なジャンルの本を借りることができます。
もちろん韓国語の書籍がほとんどですが、特設の本棚から自分で選べます。
たまたま通りかかって利用した、北海道出身でソウル市在住の40代男性会社員は「韓国ならではの大胆な取り組みで面白い。初めてでしたが、また来てみたい」と声を弾ませていました。
野外図書館は2022年から、ソウル市が始めました。都市の中心部で、誰でも気軽に本や文化に触れられる取り組みとして、国際的な評価も高いそうです。
実際、私もソファに座って本を読んでみました。
詩人の茨木のり子さん(2006年死去)が自身の韓国語学習体験を振り返りつづったエッセー集の「ハングルへの旅」です。心地よい春風が肌をなで、心なしかいつもより言葉が心に染みるようです。
貴重な野外読書体験となりました。
野外図書館は4月23日に始まり、基本的に11月1日までの金土日、午前11時~午後10時まで行われます。
他の行事などや天気の状況によって実施しない日もあり、開催日程やプログラムなどの詳細は公式ホームページで確認できます。
7月と8月は暑さが厳しいため、行いません。
夜間も実施する日は読書をする人たちがライトで照らし出され、幻想的な空間が生まれます。作家の講演や各国の文化体験などのプログラムも予定されています。

