
【連載VOL.41】KOREA DO?ソウル編【韓国伝統医学「韓方」で体の中から健康と美をサポート】
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カジャ!コリアでは、韓国在住の皆さんからライブ感あふれる情報を毎週配信!
今週は、北海道新聞社ソウル支局 玉邑記者のコリア通信です。
韓国で独自に発展した癒しの「韓方」に注目!
珍しい韓方薬材や食材が揃う市場を散策!独特な香りも体感
韓国の伝統医学「韓方(ハンバン)」の薬剤を売る店や病院がたくさん集まっている場所は「薬令市(ヤンニョンシ)」と呼ばれ、ソウル市内にも有名な場所が1カ所あります。
地下鉄1号線祭基洞(チェギドン)駅 を降りて地上に出ると、薬令市と書かれた大きな門が迎えてくれます。
さっそく高麗ニンジンやナツメ、キキョウといった薬の材料の独特なにおいが漂ってきます。
すぐ近くには、あらゆる食材が並ぶとされる有名な京東(キョンドン)市場もあることから、一体となって活気があります。
薬効のある木の枝や、鹿の若い角、生きたハチごと袋に入れたスズメバチ巣―。
店をのぞくと、珍しい薬材がたくさん売られていて、一つ一つ興味深く、歩くだけで楽しめます。
私はお茶にする菊の花と乾燥ナツメを買いました。
韓方の歴史を学べて体験もできる「韓医薬博物館」
韓方は源流が中国にありますが、朝鮮時代中期の医師として活躍した許浚(ホ・ジュン)が編さんした医学書「東医宝鑑」などに基づき独自に発展したと言われます。
薬令市の中には、そんな韓方の歴史などについて理解を深められる「韓医薬博物館」もあります。建物は韓国の伝統家屋「韓屋(ハノク)」の作りになっており、瓦ぶきの屋根が目を引きます。
面白いのは、薬草を使った足湯や、韓方を生かしたマッサージを体験できるところです。どちらも予約が必要で、博物館の1階ロビーにある案内所で申し込めます。
足湯は約20分。薬草の入浴剤を入れたお湯に足をつけます。
屋外にあり、風を浴びながら香りに包まれると、市場を回って歩き疲れた足だけでなく、心まで癒されました。
マッサージは専用の機械で行います。温かいアイマスクをつけて温熱マッサージマットに横たわると、背中をドンドンと突き上げられるような刺激を受けます。
少し激しめのマッサージですが、全身のツボが刺激され、不思議とリラックスできました。
機械を使って手足の指圧も受けられます。手の指圧は、韓方の保湿剤のような液を入れた使い捨ての手袋をつけて行うため、手がスベスベに潤いました。
博物館には伝統茶などが味わえるカフェも併設されています。
松の実や乾燥させたナツメの果肉が入ったサンファ茶は、メニュー表に「疲労回復」や「肝機能強化」に効用があると書かれていました。韓方の効能をうたうだけあって、少しくせのある味ですが、体が内側から温まってくるような感じで、甘みもあり、おいしかったです。
また十全大補茶(シプジョンテボチャ)の説明には、「気力回復」や「胃腸機能強化」と書かれています。「十全」というだけあって、いろいろな成分が入っていそうです。苦く複雑な味が、いかにも体に良さそうでした。
韓方を気軽に体験でき、心も体も健康になった気がしました。