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【韓国で大活躍】桜庭有紀子さんインタビュー【輝くどさんこ】

【韓国で大活躍】桜庭有紀子さんインタビュー【輝くどさんこ】

桜庭さんは北海道小樽市の出身。
日本ではMCの仕事と韓国語の勉強を両立し、2013年に渡韓。それ以来韓国を拠点に活躍されています。今回久しぶりに北海道に戻られた桜庭さんに、カジャ!コリア編集部がインタビューをさせていただきました。韓国の留学、仕事に興味のある方も必見です!

久しぶりの故郷を満喫


今回は久しぶりの北海道だそうですね。

そうなんです。2年ぶりくらいでしょうか。今回は久しぶりにゆっくり時間をとって過ごそうかなと。韓国のカルチャーがどのくらい北海道で浸透しているかチェックしたり。あと今回は、韓国総領事館さんからお声がけいただいたお仕事などもさせていただいております。

そのお仕事のひとつ、済州島イベントにわたくし達もお邪魔いたしました。実際にとっても現地に旅行したくなりました!

そう思っていただけたら大成功ですね。北海道から直行便が出ていないので、行くのに少しハードルがあるかもしれませんが、現地に行けば日本語が通じる観光タクシーもありますし、大人の女性がゆったり旅行するにはいい場所かもしれません。

済州島は韓国人の方もよく行く場所なのでしょうか?

少し前は韓国人がたくさん訪れていました。しかし今は韓国人も海外に旅行するようになり、ここ北海道にもたくさん訪れていますよね。

街で韓国人を見ない日はないですね。

韓国の方が圧倒的に旅行に来てくれてますよね。

北海道の人も韓国に遊びにいかないと。

そうですね。韓国も物価が上がっていますが、まだ交通費は安いですし、大人数で行って大皿をシェアするような食事などをすれば、まだまだお手頃に旅行できると思います。

桜庭さんが韓国に興味を持ったきっかけ


桜庭さんが韓国に興味を持ったきっかけは何だったのでしょう。

実は韓国語のニュースを小さい頃から聴く機会があって、独特のイントネーションに興味を持ったのがきっかけでした。ずっと勉強したいなと思っていました。本格的に勉強し始めたのは、2012年のK-POPの2次ブームの時でした。
 まだその時は今ほど教材が整っていなかったんですが、週に一回、韓国教育院で2時間の授業を受けてました。そういえば教育院の弁論大会でMCの仕事をさせてもらったこともありますが、今は昔にくらべて出場者も高校生など若い方が増えているようですね。

留学前の桜庭さんの勉強スタイル


効果的な勉強方法はありますか。

とにかくやめずにひたすら毎日続けることですね。運動と同じで1回でも休むと面倒くさくなっちゃいますから。でも私の場合はすごく韓国語が好きで、面倒くさいと思ったことはありませんでした。楽しいから続けられたし、楽しくないと続けられないですよね。こればっかりは向き不向きもあると思いますが、あの頃はもう、仕事をしながらも韓国語の勉強をすることが生活の一部でした。
 私コーヒーがすごく好きなのですが、韓国語の勉強が、コーヒーを飲むことと同じくらい楽しみでした。仕事が終わったあとにカフェに行って、コーヒーを飲みながら勉強する。2時間でも1時間でも閉店の時間まで勉強して、その週に習った教育院のテキストの内容を完璧に自分のものにしていました。当時のスタバさんにはとてもお世話になりました(笑)

いざ韓国へ!厳しい韓国語の壁を乗り越え大学へ



相当な実力をつけられて、韓国へ留学されたのでは。

3年間札幌でそうやって勉強して、TOPIK6級くらいまでのカリキュラムを修了してから韓国へ行きましたが、実際に行くと全く話せませんでした。

え?そうなんですか?

はい、全く。それで韓国で語学堂に入って、そこからTOPIK3級用の試験から勉強し直しました。でも語学堂は2学期目でやめてしまったんです。同時にそのあたりからちょこちょこお仕事をいただいておりまして。

どんなお仕事だったのでしょう?

広報大使をしたK-POPアイドルの日本ツアーの同行や、ファンミの司会、日本語指導などです。

アイドルとの日本ツアーのお仕事!大変興味深いですね。

私がちょくちょくファンミーティングのMCをやらせていただいていたK-POPアイドルグループが日本で15公演くらいの全国ツアーをすることになって、その時にお声がけいただきました。彼らはまだ日本語もそんなに喋れないし、コンサートでのMCや通訳が必要だったので、お仕事させていただきました。

お仕事を通じて、さらに語学がスキルアップされたのでは?

それが思ったよりもスキルは上がらなくて、これは本当にまずいと思いました。この状態で仕事もやりながら、日本と韓国を行ったり来たり中途半端な状態が続くと語学が伸びないと思い、語学堂をやめて、大学に入り直そうと思ったんです。
韓国は学歴社会で、短大卒業だとビザが出ないなど差があるので、韓国でこれから活動するには大学卒業資格は必要と思い進学を目指しました。日本で専門学科の短大までは修了していたので、残りの2年を編入という形にしました。「自分を韓国に閉じ込める」という意気込みでした。

入試は相当大変だったのでは。

入試の勉強というよりは、資料の準備が大変でした。自分がどういう想いでこの大学を志望したのか、全て韓国語で準備をして、当然語学についても実力を示さなければいけないので。ただ、当時2015年のあたりはまだ正規留学の外国人も今ほど韓国に来ていなかったので、大学も外国人留学生の増加を期待していた部分はあると思います。大学に入学するにはTOPIK4級がギリギリのラインで、私は4級だったのですが、最初は授業も全然ついていけないレベルでした。4級では全然授業は聞けないレベルです。

なるほど。入学されてからの方が、さらに大変そうですね。

とても大変でした。ただ私は日本学科だったんです。日本の歴史のほか、村上春樹など日本のコンテンツをモチーフに授業を進める内容だったので、韓国語であっても、なんとなく他の学科よりは理解しやすかったし面白かったです。課題やチームでの発表というのが韓国の大学は多いので、とにかく朝から晩まで勉強して、日々その準備に追われておりました。

入学された淑明(スンミョン)女子大学といえは名門女子大学ですね。

韓国の女子大ではランク的に2番目です。アナウンサーの出身者が多いことでも有名です。BTSの事務所が入っているHYBEがある龍山エリアにあって、キャンパスもとても素敵なんですよ。あと韓国には梨花(イファ)女子大学も有名ですが、そこはすごく華やかな印象の大学です。

さらにステップアップ、広がる仕事の幅、そして大学院への進学


そしてその勉強の合間に、またお仕事も再開されたり。

芸能人に日本語を教えたり、日本の舞台やコンサートで喋る時はこうしたら盛り上がるよ、とかそのようなアドバイスをしていました。日本で活躍したいアーティストの手伝いがとても楽しくて手助けしたいと思って仕事をしていたら、韓国は結構人脈社会なので、韓国の日本語学校から発音指導のお仕事など、そういう依頼が結構入って来るようになりました。今では日本語教師の資格も取ったので、日本語も教えられるようになりました。

とてもやりがいがありそうですね。

はい。教えていた中でも有名になった子たちもたくさんいますし、日本で活躍している子も多いです。若い世代のグループだと「子どもたち」って感じでとても可愛かったですが、彼らはプロ意識が高く努力は当たり前。常に向上心を持って取り組む姿を見て、私自身も学ばせてもらいました。現在も日本語のオーディションを受けたいとか、日本でファンミーティングやショーケースがある時に、単発で教える仕事をしています。

現在は大学院に進まれました。

はい。韓国総領事館さんから推薦をいただいて、国費留学で2年間勉強させていただきました。大学院からの2年は日本にも戻らず、仕事も殆どせず学業に打ち込みました。今ようやく修了して、やっと自分の時間が持てました。これまでやりたかったことを全部やろうと思って、今回日本に来る前に東南アジアを旅行したりもしました。

桜庭さんから見た韓国人の印象


韓国へ初めて行った当初と、10年経って今では韓国の印象は変わりましたか?

ひと昔前の、韓国の泥臭さみたいなのが結構自分にとっては魅力的でした。これから上がっていくぞ、発展していくぞ、というようなエネルギッシュな感じが好きで、ここに住みたいなと思いました。
 今はすっかりスタイリッシュになりましたが、友好的な人柄とか、新しいものへの興味関心が尽きないところや、躊躇なく目標に向かって進んでゆく魅力は今も変わらないと思います。新しいものへの興味といえば、最近韓国で大人気のロンドンベーグル。ひと昔前は並ぶことが大嫌いだった韓国人も、並んでここのパンを買っています。受け入れる力が強く、新しいことに対応していく柔軟性もありますね。見習うところも多いです。

ほかに気質の面では日本人と比べてどうですか?

韓国人は率直ではっきりしていると思います。日本人と見た目が似ているので気質も同じ?と思いがちですが、違います。最初から「違う文化の人」ということを互いに尊重すれば、うまくいくのだと思います。
 あとは表現方法が日本人と違うというか。例えばいつも仲良くしている子同士の中で、たまたま一人だけ事情があって誘われなかったりしたら、日本人なら「私も行きたかった」という感じで言うと思うんですけど、韓国人は「私がいなくてどうやって楽しんだの?」みたいな言い方をするんです(笑)ユーモアとかウイットがありますね。

面白いですね。あとは訳し方でかなり感じ方も変わりますよね。

そうですね、文法的な違いもあるのかもしれません。外交でもよくその差が出てきますよね、直訳して間違っていたり。例えば「くやしい」という表現でも、日本語では一つでも、韓国ではその時の感情でたくさんの表現があるんです。自分が力が発揮できなくて悔しい時と、相手に対して悔しく思う時と、表現が違うんです。言葉一つで間違った印象が広まってしまいます。日本語は動詞の種類が多いですが、韓国語は感情表現が豊かなことに由来しているせいか形容詞が多いんです。今韓国語の翻訳を勉強して実際に活躍されている日本の方も多いですが、日韓翻訳のレベルがもっとあがればいいなと思っています。

言語のほか、韓国と日本で仕事面の違いなどはありますか。

イベントでの進行や演出など、韓国人はあまり細かいことを言われるのを好まないんですね。でも日本人は全部準備をして決まっている事が普通。失敗は勿論少ないですが、少し面白みが足りない。逆に韓国人は、決まっていないなかで最大限の力を発揮してくれて、ものすごくいいものが出来たりします。日韓エンタメの世界では、互いのいい部分を取り入れていけば、もっと良くなるのかなと思います。

あなたの人生を輝かせる韓国


道産子の桜庭さんから見られて、北海道の人はどのように見えますか?

独自の好みを持っているのかなと思います。東京で流行ったものが北海道で流行らなかったりするじゃないですか。あまりミーハーじゃないのかな。本当にいいものにしか飛びつかない、意外と厳しい目を持っているのかなとか。そして北海道は本当にいいところなので、今の暮らしに満足している人が多いのかな?とも。

そういえば全国的に比べると、パスポートの取得率が低く、海外旅行する人が少ないという特色もあります。

なるほど。でも北海道から出てみてわかることもたくさんあるなと、自分の経験でも思います。外の世界に興味を持って、実際に飛び出してみるのは素晴らしいことです。特に大人留学。私すごく推奨してまして。大人になって趣味を持つ、ヲタク活動をするって、本当にパワーが溢れることと思います。好きな力って一番大きいので、韓国のドラマでもK-POPでもグルメでもなんでもいいのですが、「好き」をきっかけに、今までできなかったことができたりする。私もそうだったので。まさか私が韓国の大学に行って、さらに大学院まで行って、こうやって通訳をしたり、韓国コンテンツに触れられるなんて、当時は考えてもみなかったことです。韓国人の友達が一人もいないところから始まりましたので。

わたしたち「カジャ!コリア」も、人生のなかでそういう楽しみをどさんこの皆さんに見つけてほしい、人生まだまだ輝いてほしい、ということがプロジェクトの願いの一つです。

好きなドラマやアイドルの聖地とか、遠くても皆さん行くじゃないですか。そういう情熱を見つけてほしいと思います。わたしもいろいろなイベントに仕事として参加するなかで、韓国にちょっとでも興味を持ってもらえるような、大衆的なイベントが好きです。例えばKブックのイベントとかも面白いですよ。装飾がとても美しかったり、目を喜ばせてくれるものも多いです。音楽についても、K-POPも勿論いいですがそれ以外でもたくさんいい音楽があるので、そういうものも紹介していけたらいいなと思っています。

最後に、桜庭さんの今後の目標をお聞かせください。

言葉を介して、韓国と日本をつないで行く活動をずっとしていけたらと思っています。お互いの国の良いところを紹介することで関心を持ちますし、そうやってお互いに関心を持つことが友好への一番の近道だと思っていますので。世代も変わり、今は本当に好きなものを「好き」と言える時代にやっとなったと思うので、両国にそういうものを広めていきたいなと思っています。

桜庭有紀子さん 

日本での数々のMCや司会の仕事を経て、2013年韓国へ。

2013年3月~2020年3月 韓国留学
2020年2月 ~淑明女子大学 日本学科 卒業
2022年3月~韓国学中央研究院 社会学科 修士課程
在学中は韓国俳優や歌手への日本語発音指導/オーディション指導/映画日本語指導
カイ・パクソンミン(ミュージカル)ユ・ダイン(映画)・VIXX・WekiMeki.・ASTRO・HELLOVENUS・SURPRISE U・ソンシギョン 等多数

桜庭さんのInstagramはこちら



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この記事を書いたモウラー

モウラー

가자!KOREA編集部

北海道から発信する韓国LOVERが集まるコミュニティ「가자(カジャ)!KOREA」編集部。文化・食・旅行・語学など毎週韓国のホットな情報を届けていきます♡