Netflixドラマ『First Love 初恋』|ドニチカキップで行く【札幌】ロケ地巡り12+1
札幌をはじめ、北海道内各地を舞台としたNetflixドラマ『First Love 初恋』。
世界11ヶ国・地域でTOP10入りするほど、作品としての素晴らしさはもちろん、北海道民としては馴染みのある場所が随所に登場することもあって、ご覧になった方も多いんじゃないでしょうか。
札幌フィルムコミッションが市内で無料配布したロケ地MAPも好評につき、早々に配布終了となり、PDF版がリリースされるほどだったそう。
僕も配信後すぐに観始めて、何度も嗚咽させられたストーリーもさることながら、見慣れたはずのいくつもの景色がとても美しく描かれているのが印象的でした。
今回、2周目を観終えたタイミングで、土・日・祝日・年末年始(12/29〜1/3)に利用できる札幌市営地下鉄専用の1日乗車券「ドニチカキップ」を使って、札幌のロケ地巡りをしてみました。
Netflixシリーズ『First Love 初恋』について
宇多田ヒカルの楽曲「First Love」(1999年)、「初恋」(2018年)にインスパイアされて製作された、寒竹ゆり監督によるNetflixシリーズ『First Love 初恋』(2022年11月24日からNetflixで独占配信中)。
満島ひかり・佐藤健のダブル主演によるこのドラマは、1990年代後半、ゼロ年代、そして現在の3つの時代が交錯し、20年余りに渡る忘れられない“初恋”の記憶をたどる一組の男女の物語。
撮影は2021年4〜9月、同年12月〜2022年3月までの長期に渡り、ロケ地は10都道府県、250ヵ所を超える壮大なスケールで製作された。中でも主人公の二人が生まれ育ち、暮らす北海道は多くの場面で登場する。
※以降ネタバレを含みます
『First Love 初恋』|札幌ロケ地巡り
1.平岸ハイヤー
現在の也英(満島ひかり)が働くタクシー会社として、第1話から随所に登場するのが平岸ハイヤー。
地下鉄南北線 平岸駅から駅前の平岸通を北に5分ほど歩くと、左に写っている白い巨大だるまが見えてきます。
札幌フィルムコミッションの担当者さんがラジオで話していましたが、監督からの「タクシー会社は昭和っぽい雰囲気で、タクシーは黄色で。」というリクエストから、最初に決まった札幌ロケ地がここだったそう。
個人的には10数年前までここの裏手に住んでいた時期があって、かなり見慣れすぎている場所。また、1年ほど前には、タクシーに置き忘れた私物を引き取りにうかがったことがあり、そのとき目にした年季の入ったあの社内もそのまま使われていました。
- 住所
- 札幌市豊平区平岸二条4丁目5-15
- 電話番号
- 011-831-8115
2.すすきの市場
第1話の冒頭、タクシー運転手として働く也英(満島ひかり)が、朝方の仕事明け、家路に着くときに歩いていたのが、すすきの市場沿いの南6条通。ここはロケ地MAPには載っていない場所ですが、長いレンガ造りの外壁が続く通りで、地元の方なら、観ていて「あ!ここ!!」となる人が多いのでは?
すすきの市場
3.サンピアザ劇場
第2話では、高校生時代の也英(八木莉可子)、晴道(木戸大聖)がデートで映画「タイタニック」を観た場所としてサンピアザ劇場が使われています。昔は実際に映画館として稼働していました。その後は多目的ホールとなり、昨年3月末に施設の老朽化に伴い休館となっていますが、2023年2月現在、外観はそのまま残っています。
今も残る案内板は、昔っぽい書体がいい具合に色褪せていて、タイタニックの日本公開時(1997年12月)を考えると、ぴったりな場所に思えてきます。
サンピアザ劇場
4.札幌市民交流プラザ(車寄せ)
札幌市民交流プラザ自体は晴道(佐藤健)の勤務地・ノーザンライツビルとして、也英(満島ひかり)が運転するタクシーの乗降場としてたびたび劇中に登場します。
館内はどこを使用しているのか分かりませんが、こちらは第3話で也英の息子・綴(荒木飛羽)が想いを寄せるダンサーの詩(アオイヤマダ)が、タクシーに乗りそびれる姿を目にした也英が、回送にするつもりだった自分のタクシーに乗せる場所として登場しました。
続くシーンでは、テルアビブでのダンサーオーディションに向かう詩を新千歳空港まで送り届け、「出世払いで!」と見送る也英(満島ひかり)。不慮の事故に遭い、CAになって世界を舞台に仕事をする夢を断たれた也英が、夢に向かって旅立つ詩を見送る際の表情が印象的です。
5.テレビ塔前歩道橋/6.二条市場
同じく第3話で、也英(満島ひかり)が自宅の洗濯機が故障してコインランドリーにいることを也英の息子・綴(荒木飛羽)から聞きつけた晴道(佐藤健)が、彼女を探し疾走するシーンで、テレビ塔前歩道橋〜二条市場が登場していました。
地理感のあるひとなら「???」と思わず突っ込んでしまう"瞬間ワープ"はドラマあるあるですが、ここだけはつながっていました。ちなみにその後は幌平橋をひた走り、東苗穂のコインランドリーに辿り着きました(笑)。
テレビ塔前歩道橋
- 住所
- 札幌市中央区大通東1丁目
二条市場
7.札幌市天文台
中島公園の敷地内にある札幌市天文台は第4話で登場します。
火星観望会にひとりで参加しようとしていた也英(満島ひかり)が、晴道(佐藤健)に電話したところ、偶然にも園内をランニング中だった晴道が也英を見つけ、一緒に望遠鏡をのぞくシーン。ふたりが落ち合うまでのシーンでは中島公園内の風景が随所に出てきます。
とっても小さな天文台は、昼間・夜間と時間は決められていますが、実際に公開されていて中に入ることができます。施設の方のお話では、ここは海外からの観光客に人気のスポットとなっているそうで、特に中国・台湾からの方が多く訪れているとのこと。後に来た中国の方々と思われる一行は、上の写真にあるように、ドラマのワンシーンを画面に表示させて案内されていました。
- 住所
- 札幌市中央区中島公園1−17
- 電話番号
- 011-511-9624
8.中島公園
第4話の終盤、札幌市天文台での火星観望会のあと、帰宅する也英(満島ひかり)のために、晴道(佐藤健)がタクシーを拾うシーンは1枚目の写真にある中島公園の入口(札幌市営地下鉄南北線 中島公園駅側)でした。
劇中では夜で、ここからすすきの〜札幌駅まで一直線に続く駅前通のネオンや灯りがとても幻想的なライティングとなって撮られています。
2枚目の写真は、1枚目の右斜め後ろにある札幌市営地下鉄南北線 中島公園駅の入口。
晴道の婚約者・恒美(夏帆)が電話をしながら地上に上がってくるシーンで登場します。劇中では入口左横のスペースに広島風お好み焼きの出店がありました。
9.札幌パークホテル
第6話で自分をかばって怪我を負ってしまった晴道(佐藤健)のリハビリ期間、専属ドライバーを自ら志願した也英(満島ひかり)が、恒美(夏帆)との結婚式前の両家顔合わせ場所に向かう晴道を送り届けた場所として出てくるのが札幌パークホテル。ここは前述の中島公園に隣接しています。
10.幌平橋
先に触れた第3話での也英(満島ひかり)を探す晴道(佐藤健)が疾走するシーンでもちらっと写る幌平橋ですが、ドラマの名シーンとしてフィーチャーされたのは第7話でした。
前話で也英に不意にキスしたことを謝るべく、タクシー会社の前で彼女の仕事終わりを待つ晴道。
ふたりが歩いて帰路に着く途中に、コンビニでアイスを買って食べた場所がこの橋のてっぺんでした。アーチ状に沿って階段が設けられている幌平橋は冬季間は昇降禁止になっていますが、それ以外の時期は花火大会開催時を除いて昇り降りができます。
朝焼けをバックにこの橋の全景が写し出されますが、普段、自転車や徒歩でよく通る者としては、あの橋がこんなに美しく撮られていることに驚きます。
幌平橋
11.大通バスセンター
第8話で也英(満島ひかり)に想いを寄せるタクシー会社の同僚・旺太郎(濱田岳)が、彼女に告白し、あっさりフラれるも、一歩踏み出せない也英にエールを送った場所が大通バスセンターでした。
これ以前のエピソードでも也英にアプローチしてきた旺太郎は、実直さが時にコミカルで愛すべきキャラクター。濱田岳というのもベストなキャスティングで、このシーンの終盤で「人生はとびこまなくっちゃ!」と也英の背中を押してしまう旺太郎のくだりが個人的には一番泣けたシーンかもしれません。
大通バスセンター
- 住所
- 札幌市中央区南1条東1丁目5-5
- 電話番号
- 011-241-0241
12.フジヤ売店
最終話(第9話)で、也英(満島ひかり)の運転するタクシー車内にお客さんが落として行ったタバコ(晴道も喫っているマルボロ)を1本拝借したあと、律儀に新品のタバコを買い、落とし物のほうに1本お返しするシーンで登場するタバコ屋さんがここフジヤ売店です。すすきののど真ん中、南5条の中通り、味噌ラーメンの専門店として有名な「けやき すすきの本店」の斜め向かいにある小さなお店です。
フジヤ売店
- 住所
- 札幌市中央区南5条西3丁目
- 電話番号
- 011-531-2335
- 営業時間
- 10:00-19:00
- 定休日
- 日曜
番外編
西洋軒(千歳市)
第4話で初登場した特製ナポリタンが人気で行列のできる洋食屋さんという設定の西洋軒。
こちらは千歳市にあるお店だということと、実際には行っていないので番外編としました。写真は僕と同じくこのドラマにハマってしまった知人女性が訪れた際の写真を提供してもらいました。
2枚目の写真は、第8話で晴道(佐藤健)を待つ也英(満島ひかり)が座った席に偶然にも案内された時のものだそう。店前まで来た晴道が、也英には会わずに外から電話をかけて別れを告げるシーンでも登場します。
西洋軒
- 住所
- 千歳市千代田町1丁目1−7
- 電話番号
- 0123-23-2216
- 営業時間
- 10:00~20:00(L.O.19:30)
- 定休日
- 火曜(予約状況により変更あり)
『First Love 初恋』のあのナポリタンが食べられる?!
ちなみに西洋軒では、残念ながら実際にはナポリタンはメニューにないそうです。
劇中料理のスタイリングをされた、料理家/フードデザイナーのたかはしよしこさんが営む美瑛にあるレストラン「SSAW BIEI」では、也英(満島ひかり)が電話口で晴道(佐藤健)から日本を離れることを聞き、最後に自らの気持ちを伝えたあとに泣きながら食べる西洋軒での"失恋ナポリタン"(第8話)ではなく、第3話で也英が洗濯機を修理してくれた晴道に、お礼にと冷蔵庫にあるもので作り、楽しく一緒に食べる"初恋ナポリタン"(第3話)が食べられるそうです。
まとめ
『First Love 初恋』|ドニチカキップで行く札幌ロケ地巡り、札幌に住む僕にとっては、見慣れた場所、何気なく通る場所、久しぶりに訪れた場所で、正直大きな感動は無かったものの(笑)、なかなか面白い小旅行でした。
ロケ地MAPにある中心部の代表的な場所(大通公園、札幌駅南口、サッポロファクトリーなど)は、旅行で札幌を訪れる方たちの観光ルート上にもあるスポットなので割愛し、わざわざ訪れなければならない場所をメインに回りました。
1区間でも1日に3回以上乗れば元が取れてしまうドニチカキップは週末限定ですが、こういった移動が多いときにはとてもお得だなと実感。ただ、すっかりICタッチ式に慣れているので、ポケットからICカードを選んでしまうこと、改札口に入れた切符を取り忘れそうになることがたびたび(笑)。
また、記事ではドラマのエピソード登場順にまとめましたが、実際は効率的に回ったため、以下のようなルートでロケ地巡りをしました。食事の時間を除けば3時間もあれば回れるかと思います。それぞれのご自宅からや旅行者の方の場合、スタート地点は異なると思いますが、参考にしてみてください。
『First Love 初恋』|ドニチカキップで行く札幌ロケ地巡り 実際のルート
■大通駅出発
↓
■東西線 新さっぽろ駅
(3.サンピアザ劇場)
↓
■東西線 バスセンター駅
(11.大通バスセンター〜4.札幌市民交流スクエア(車寄せ)〜5.テレビ塔前歩道橋/6.二条市場〜南北線 すすきの駅)
↓
■南北線 すすきの駅
↓
■南北線 平岸駅
(1.平岸ハイヤー〜南北線 平岸駅に戻る)
↓
■南北線 幌平橋駅
(10.幌平橋〜南北線 幌平橋駅に戻る)
↓
■南北線 中島公園駅
(7.札幌市天文台〜9.札幌パークホテル〜8.中島公園〜2.すすきの市場〜12.フジヤ売店〜南北線 すすきの駅〜さっぽろ地下街 ポールタウン〜大通駅に戻る)
※幌平橋駅〜中島公園駅間は中島公園内を散策できます。