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【今金町】美しい石器に思わずため息。ピリカ遺跡で感じる旧石器時代の暮らし

【今金町】美しい石器に思わずため息。ピリカ遺跡で感じる旧石器時代の暮らし

縄文時代よりもずっと前の、いにしえの人びとは北の大地でどうやって暮らしていたのか?
生きのびるために、どんな道具を使っていたのか…?

その手がかりは、今金町ピリカ遺跡にありました。

お子さんの自由研究のヒントがいっぱい!大人も楽しめる体験学習メニューもあります。
全世代におすすめの博物館、ピリカ遺跡を紹介します。


ピリカ遺跡

ピリカ遺跡


ピリカ遺跡とは?

ダムの長さ(築堤長)日本一の美利河ダムのそばにある、ピリカ遺跡。


美利河ダム

美利河ダム

1978年に美利河ダム建設工事が行われ、付近の丘陵で土質調査が行われました。

調査の際に、なんと数多くの石器を発見!
石器は旧石器時代のものと判明し、この場所は約20万㎡(札幌ドーム約4つ分!)もの広い遺跡であることがわかりました。

その後、美利河ダム工事計画は変更。
ダム堤体の土砂は別の場所から取ることとなり、遺跡は現状保存されることになりました。

2003年、ピリカ旧石器文化館がオープン。
館内には発掘された石器の数々が展示されており、年齢問わず楽しめる体験学習メニューもあります。


ピリカ旧石器文化館

ピリカ旧石器文化館


史跡 ピリカ遺跡

住所
瀬棚郡今金町美利河228−1
電話番号
0137-83-2477
営業時間
9:30~16:30
定休日
月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日)
備考
12月1日~翌年3月31日まで冬季休業
冬季休業中のお問い合わせは今金町教育委員会まで(TEL:0137-82-3488)

必見!美しい石器の数々


ピリカ旧石器文化館

ピリカ旧石器文化館内に展示されている石器

館内に展示されている、たくさんの石器。
これらはレプリカではなく、実際に発掘された本物の石器です。


ピリカ遺跡

展示されている石器の数々

とくに注目していただきたいのが、重要文化財コーナー。


ピリカ遺跡

ピリカ旧石器文化館重要文化財コーナー

頁岩(けつがん:下の画像右側)と白いメノウ(画像左側)で作られた、尖頭器(せんとうき)と呼ばれる石器が中心部に展示されています。

この2つの石器はバラバラの状態で発見されたのですが、調査員さんが丹念に接合を試みると、このように美しい形に復元されました。


ピリカ遺跡の石器

重要文化財の尖頭器

その隣には、かんらん岩でできた石製首飾りのビーズがあります。

約2万年前の人びとが、どうやってこんなに小さなビーズを作ったのか?
もしかしたら、当時の人びともオシャレを楽しんでいたのかもしれません。


ピリカ遺跡の石器

石製首飾りのビーズ

旧石器展示室の入り口に、【ピリカ旧石器文化館オリエンテーリング】という用紙があります。
こちらは参加自由・質問に全問正解すると記念品メノウの小瓶がもらえます。

制限時間はなく、展示パネルをよく見ると答えが書いてあります。
来館した記念に、ぜひ挑戦してみてくださいね。


ピリカ遺跡

ピリカ旧石器文化館オリエンテーリング

大人も子どももハマる!体験学習メニュー

ピリカ遺跡から出土したアイテムにちなんだ体験学習メニューは、バラエティ豊か。
旧石器時代の人びとがどんな暮らしをしていたのか?旧石器人は生活の中からどんな楽しみを見つけていたのか?
それを体感できるメニューが勢ぞろい!

弓矢で射的体験・火おこし体験(どちらも体験料無料)は、ついつい真剣になってしまうことまちがいなし。

レジンで鉱石を閉じ込めるアクセサリーづくり(体験料100円)や革のキーホルダーづくり(体験料500円)は、大人のハンドメイド体験としてもおすすめです。


ピリカ遺跡

鉱石アクセサリー(見本)

黒曜石を使って作る、本格的な石器づくり講座もあります(体験料500円)

2023年は、

  • 4月30日
  • 5月3日
  • 5月5日
  • 5月7日
  • 8月12日
  • 9月16日
  • 9月23日

の全7回開催されます。
どの回からでも気軽に参加できますので、挑戦してみてはいかがでしょうか?

石器制作中は黒曜石の破片が飛ぶため、ケガをするおそれがあります。
短パン・サンダルなど、肌が出る服装は危険です。
参加希望の方は、必ず長ズボン・靴を履いてきてください。

今金町の歴史が詰まっている!文化財保管・活用庫


ピリカ遺跡の文化財保管・活用庫

文化財保管・活用庫

隣接する文化財保管・活用庫にも、今金町の歴史に関わる資料が展示されています。

北海道遺産に指定された今金・美利河の金山遺跡に関する資料や、大昔の今金に棲んでいたとされるピリカカイギュウ化石の復元模型など、さまざまなアイテムがギッシリ。


ピリカ遺跡の文化財保管・活用庫

大きなピリカカイギュウの復元化石

古い農機具や丸型ポストなど、おじいちゃん・おばあちゃん世代には懐かしさを感じるアイテムもあります。
お孫さんと一緒に見学してみてはいかがでしょうか?

発掘現場ってどんな感じ?石器製作跡

敷地内の階段を登ると、発掘が行われていた遺跡の丘にたどり着きます。

石器製作跡と書かれた建物があり、中に入ると…。


ピリカ遺跡

石器製作跡内部

23年前の発掘現場が再現されており、自由に見学することができます。
ピリカ遺跡にお越しの際は、ぜひ石器製作跡もご覧ください。

ここでしか手に入らない!ミュージアムグッズ

事務室のそばには、ここでしか手に入らないミュージアムグッズが販売されています。

岩石標本コレクション(全9種・1個200円)は、全種類大人買いする人も。
シックな色とデザインのマスキングテープも人気です。


ピリカ遺跡ミュージアムグッズ

ミュージアムグッズ「岩石標本コレクション」


ピリカ遺跡ミュージアムグッズ

ミュージアムグッズのマスキングテープ

企画展【メノウ展】開催!


ピリカ遺跡

企画展【メノウ展】のポスター

ピリカ旧石器文化館では、開館20周年を記念して4月23日(日)から7月23日(日)まで企画展【メノウ展】が開催されます。

今金町は昔、良質なメノウの産地として有名でした。
産出されたメノウを加工・展示・販売する施設もあり、遠くから訪ねて来る方も大勢いらっしゃいました。

しかし、加工施設は閉鎖され、当時のことを知る人も今は数少なく…。

メノウとともににぎわったあの頃の今金町に、想いを馳せてみませんか?


この記事を書いたモウラー

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渡辺リリオ

今金町在住、ぬいぐるみの「アミーゴス」と生活するライター。
雑記ブログアミーゴスとリリオさんを運営中。
檜山管内で数少ないライター・フリーランスという立場から、「北海道に根ざして活動する人を文章の力で応援する」というビジョンを掲げて活動。
地域のプレイヤーとして、おもに地元界隈の情報を発信しています。