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【スマイルプロジェクト】苫小牧の冬といえば学校リンク!札幌の子どもたちが初体験!

【スマイルプロジェクト】苫小牧の冬といえば学校リンク!札幌の子どもたちが初体験!

体育の授業は学校リンクでスケート !放課後は学校リンクでアイスホッケー
これが苫小牧の冬の定番でしたが、悲しいことに今はリンクを作っている学校はほとんどありません・・・
そんな中、今も変わらずに冬になるとリンクを作り続けている学校が、北海道苫小牧東高等学校
(私の母校です)
先日、母校の協力のもと普段サポートコーチをしている札幌のジュニアアイスホッケーチーム「SAPPORO KING STARS」のメンバーと学校リンク体験をしてきました!

そもそも学校リンクとは・・・?

冬になると学校の校庭に出現する屋外リンクのことです!


目の前には校舎!

出現すると書いてしまいましたが、水溜りが凍ったように自然とできる氷のことを言っているわけではなく、自分たちでしっかり作り上げるお手製リンクです。
雪が降ったらリンクの外枠を設置→雪ふみをして土台を作る→水を撒く。
こんな工程でリンクを作っていくのです。
一般のスケートリンク場のように平らなリンクにするためには、最初の雪踏みでの土台作りがかなり重要になります。
リンクのサイズは約60m×約30mとかなり広範囲ですが、この範囲を自分たちの足で踏んで平らにしていきます!
ある程度車のタイヤで圧雪をしたのちに足で踏んでいきますが、この作業はかなり地道だった記憶が・・・
土台ができたらそこに水を撒き、凍らせていきます。この水撒きを繰り返すことで、リンクが完成します!

東高のリンクは土台がフラットなコンクリートとタイルになっているため、雪踏みの必要ないリンクです。


校舎がこんなすぐ近くに。

そんな学校リンクを札幌の子どもたちが初体験!

学校リンクを経験したことがない札幌のジュニア選手たちに、“苫小牧の伝統である学校リンクを知ってもらうこと”、“高校生のホッケーのレベルを知ってもらうこと”を目的にスマイルプロジェクトとしてみんなで体験をしてきました!

学校リンクの醍醐味①開放的な空間!

屋外リンクなのでフェンス(壁)以外は何もなく、かなり開放的な中でプレーができるので気持ち良いです!大自然を感じながらアイスホッケーができるんです!
ただ、開放的ではありますがものすごく寒いです、、、笑
風や雪を遮るものがない空間でホッケーをするので、耳がちぎれそうになるくらい寒い時もあります。
タオルで耳を覆ったり、耳当てをしたりと、なるべく寒さを感じずに練習に集中できるよう試行錯誤していました。
今回の体験は1時間程度でしたが、子どもたちは寒がらずに汗を流しながら最後まで楽しんでくれました!


校舎の反対側には山も。


開放的な分、いつもよりもリンクが広く見えたりします

学校リンクの醍醐味②基礎練習にもってこい!

普通の屋内リンクと違い、お手製のリンクはやはり氷の質はあまり良くないです。
でこぼこしていたり、雪が見えてしまっているところがあったり、割れてしまっていたり、ザラザラしていたり・・・。
でもこの完璧ではない環境での基礎練習が肝です!
質が良くないリンクでも普通のリンクの時と同じようにパスやシュート、スケーティングができれば、普通のリンクでのプレーの精度は上がります!
しかも、学校リンクは基本的には時間制限はなく、好きなだけ練習ができるのです!
基礎練習を積み重ねる環境にはもってこい!
今回の体験でも基礎練習をたっぷりとやりました。


パスの基礎練習の様子。

学校リンクの醍醐味③製氷作業(ホーキング)

普通のリンクだとザンボニーと呼ばれる製氷車で氷を綺麗にしますが、学校リンクではほうきとスコップを使い、手作業で製氷をします。
練習後は練習中に削れた氷でリンクが真っ白になっていますが、この削れた氷をほうきで掃き、それを最後にスコップでリンクの外に出す作業をします。


初めてのホーキングを高校生の皆さんが優しく教えてくれました


ほうきで掃いた雪は最後にスコップでリンクの外に出します

実はこれ、結構大変なんです・・・。
ほうきで掃く作業も、スコップで雪を出す作業も、腕力と体幹が自然と鍛えられるほどハードです。
なので、学校リンクはホッケーの練習だけではなく、ホーキングで自然とトレーニングができることも魅力の1つです!
子どもたちは初めての製氷作業に悪戦苦闘していましたが、高校生の皆さんに助けてもらいながら頑張っていました!

学校リンクの醍醐味④水撒き

製氷作業の後は最も重要な水撒きです。
リンク全体に均等に水を撒いて、氷の厚さを調整していくのです。
ホースで水を撒いて氷を作っていくのですが、なかなかできない体験に子どもたちは大興奮!!


みんなホースを持ちたがります笑


東高の監督から直伝!贅沢です!

この水撒き作業は、効率よく凍らせるには気温が低い中で行われることがベストなので、私が小学生時代は夜中に親が学校まで行き、水を撒いてくれていました。
夜ゆっくり休みたい時間に私たちのためにリンクを作りに行ってくれていた親たちには本当に感謝です。
社会人になった今、夜中に毎日のように学校に行ってくれていたことの大変さを改めて感じます。

学校リンクではアイスホッケー以外にも学べることがたくさん!

雪踏みでの地道な作業が忍耐力につながったり、ホーキング作業が腕力や体幹の基礎体力になり、水撒き作業を通して練習できることへの感謝が生まれたり、アイスホッケーの技術以外にもたくさんのことを学んで成長できる場が学校リンクです。
そんな苫小牧の伝統が詰まった学校リンク体験の時間となりました!


東高の皆さんありがとうございました!

自分の小学生時代に当たり前だったことも、時代や環境によって当たり前ではなくなってきてしまっているので、継承できることは次世代にしっかりと伝えていきたいなぁと改めて感じた1日でした。
これからもスマイルプロジェクトを通して、たくさんのことを伝えていきたいです!


この記事を書いたモウラー

ゲストモウラー

大澤ちほ

北海道苫小牧市出身。元日本代表選手の父の影響で6歳からアイスホッケーキャリアをスタート。16歳で日本代表に初選出され、ソチ、平昌、北京と3大会連続でスマイルジャパンのキャプテンとして五輪に出場。2022年8月に現役引退を表明。現在は札幌を拠点にアイスホッケーの普及やとまこまい観光大使として活動中。
【 主な経歴 】オリンピック3回、世界選手権8回、 U18世界選手権2回