
【2025年最新】札幌でスズメバチは増加しているのか?傾向と対策を調べてみた
2025年6月4日(水)
札幌市内の自宅で、私は作業をしていた。
外気はほど良く20℃前後。窓を開けていれば初夏のやわらかい風が入ってくる、
良い季節になったなぁ・・・なんてぼんやりとしていた。
しかし、風雲急を告げる使者がそこにいた。
スズメバチ・・・!?
あまりの恐怖と混乱で写真こそ撮り損なったが、
網戸越しにでも十分伝わる威圧感に私は恐れおののいた。
ヘリコプターがホバリングしているかと錯覚するような羽音は
重低音がプラスされ、聴いていた音楽をも劈いた。
おもちゃかな?と錯覚するほどの体躯。
明らかに「ヤバい存在」というのは本能的に察知した。
慌てて窓を閉めて事なきを得て、すぐにXを開き
「スズメバチ 札幌」と検索してみたところ、
体感的に「増えてるのでは?」という意見が散見された。
市街地暮らしでいると、スズメバチは危険ということくらいしか知らず、
その対処についても具体的に知見を有しているわけではない。
・・・これはいけない。このままにしてはいけない!!!!
私の恐怖を鎮めるべく、超速で北海道のスズメバチ事情と対策を調べてみることにした。
どうか、私の恐怖が皆さんの安全につながりますように・・・。
北海道でスズメバチは増えているのか?数値から見てみる
札幌市の相談件数が2年で約14%増加
札幌市保健所に寄せられるスズメバチ関連の相談件数を見ると、直近2年の相談件数が発表されていました(前年統計のため、1年ずつズレます)。結果として微増ではあるものの、増加傾向とみても良いのかもしれませんが、あくまで「相談件数が増加した」という事実がわかる程度のものでした。
・2023年発表:516件(ハチ全体では997件)
・2024年発表:589件(ハチ全体では1,150件)
相談が増える傾向であるものの、現段階で個体数激増とまでは言いきれない
今のところ大量発生のニュースや専門家の予測は見当たらず、今のところ体感的な印象が強く感じられるというのが現状のようです。ただし、個体数が増えていると断言出来ないまでも「見かける頻度が上がった」のは事実かもしれません。見かける頻度が高くなったのはスズメバチの生態サイクルにも起因しているようです。
5月・6月はスズメバチの活動開始時期!巣作りが始まる
スズメバチの一生~目覚めの5月・家探しの6月
札幌市によると、スズメバチは5月ころから女王バチを中心に活動をはじめ、夏をピークに最盛期を迎えるそうです。生態サイクルが表示されていたので、ちょっと意訳してみました。
- 5月:女王バチが、巣作りの場所を探しまわる
- 6月:働きバチが生まれるまで、女王バチは単独でDIY精神で巣作りを続ける
- 7月:活動のピーク①働きバチがたくさん生まれる(刺されやすい!)
- 8月:活動のピーク②働きバチがたくさん生まれ続ける(刺されやすい!)
- 9月:新女王バチが生まれ、巣は最大に・・・(刺されやすい!)
- 10月:寒くなってきたら、女王バチはスヤァ・・・(冬眠)
タイミング的に、私の自宅あたりに「巣」まいを作るお考えなのでしょうか・・・。あるいは、もうお「巣」まいなのかもしれません・・・。繰り返しになりますが、札幌市のスズメバチの個体数が増えたという明確な調査結果は見当たらなかったものの、傾向的には増えていても不思議はないことに加え、巣作りが始まるタイミングであることから見かける頻度も高くなっているのかもしれません。人家や木に巣を作る習性を知ると「見かけやすい時期」も相まっているようにも見えました。
とはいえ、これだけ緑が生い茂る場所なら、スズメバチも「巣」みやすいでしょうよ・・・。いつの間にか、家の裏の木がめちゃくちゃ育ってました。
知っておきたいスズメバチ対策
巣対策~早めの対応が大事
札幌市保健所からのお知らせによると、5月~6月のこの時期の対応が大事のようです。
ハチとり器などで、女王バチごと捕まえてしまって巣を作らせないということが根本的な対策ということですね。マンションやアパートなどの集合住宅の場合、勝手にハチとり器などを設置するわけにはいかないため、管理会社や所有者を通じて対策や駆除の相談を行う必要があります。また、個人の持ち家であれば、業者の手配を含め所有者自身での対応の必要が生じます。
とはいえ、甘い香りに誘われがちなスズメバチはどうしても人家や樹液の近くに寄りがちなってしまうため、窓際などのゴミや芳香剤などへ注意を払うなどして、自衛も大切になりそうです。スズメバチが家にに入り込んだら、落ち着いていられないかもしれませんからね・・・。

https://www.city.sapporo.jp/hokenjo/f3seikatu/f80mushi/hati/documents/r7hatinigotyuikudasai.pdf よりスクリーンショット
なお、空き家など所有者がわからない物件で巣を見つけた場合も基本的には所有者にて処理することになるそうですが、一旦、各区の保健センターなどで相談出来るようです。基本的には所有者にて対応することが原則となるため、その点は注意しておきましょう。
また、スズメバチ用のスプレーなども販売されているので、ご自宅付近でスズメバチを見かけた際は1本持っておくと安心かもしれません。私はとりあえずドラッグストアへ行き「オニヤンマくん」なるものを網戸に付けてみました(オニヤンマはスズメバチの天敵らしい)。設置した翌朝、自分で窓を開けた際「ひいぃ!!!!!」と驚いたのは言うまでもありませんので、きっとスズメバチも同じ気持ちであってくれることでしょう。
スズメバチと出会ったら~慌てず、刺激しないこと
こちらも札幌市によると「ハチを刺激しないこと」が重要のようです。
羽音が聞こえようもんなら絶叫の上、全力で払いのけたくなるものですがそれは逆効果・・・。刺激せず、その場を静かに離れたり、窓から出ていくのを待つことが良いそうです。姿勢を低くするなどして、攻撃的なアクションを取らないよう気を付けましょう!万が一、刺されてしまったらすぐに応急処置を施し、適切な医療機関へ相談しましょう。
早めに知って、早めに対処
お互い、刺激し合わない距離を取ること
スズメバチは巣を守る行動の一環で人を刺すことがあるようです。言い換えれば、巣やスズメバチ自体を刺激しなければ良いとも考えられます。習性上、人家や木などに巣を作る傾向からみても、人間とスズメバチの生活圏は割と近しいことも珍しくありません。仮に、スズメバチの個体数が増加傾向にあるのだとするならば、気温が上昇しつつある今が対策のピークかもしれません。
なお、さらっと検索したところ、スズメバチのホバリング体制は「警告音」を兼ねているようです。冒頭の体制は「近づかないでね」という合図だったのかも・・・。スズメバチには申し訳ないですが「巣を作らせない」ということも重要だということが学べたので、一旦、オニヤンマくんで様子を見たいと思います。
大きな声を出さない・振り払わずに低い姿勢で静かに立ち去る
スズメバチにとっても人間は天敵でもあるため、出会ってしまうとお互いに「こわっ!!!!!!!!!」となるそうです。スズメバチも私たち人間も今日を生きるのに必死なのは同じですもんね・・・。人間が駆除という手段を取るように、スズメバチも生存のために攻撃を辞さないということを避けるためにも、出来る対策は積極的に取り、出会ってしまったらそっと去るという動作が出来ればお互いを守ることにもつながります。
我が家は様子見を続けながら、しばらく窓を開け放つのを禁止してエアコンのお世話になります。皆さんもどうか気を付けてください。
引っ越そうかなって話、スズメバチに聞こえてたのかなぁ・・・。