
【vol.35】食撃のミカサ
NEW
調理部:青春御膳
「学校に毎週行くなんて非効率だ」と言われて早8年半。コロナ禍の3ヶ月間を除いてほぼ毎週学校に取材に行っています。FM北海道「IMAREAL」のパーソナリティ、森本優です。「#非効率の向こう側」というこのコラムでは「非効率」の先に待っていたものを記しています。
今回は念願の「北海道三笠高校」に行ったお話です。学校訪問を始めると決まった時に、北海道中のあらゆる学校を調べました。その中でいつか行きたいと思っていたのが三笠高校です。この学校は2012年4月に開校した市立高等学校で、調理師コースと製菓コースがあり、高校生活の中で専門的に「調理」を学べる学校です。北海道内だけでなく、道外からもこの学校を選んで進学してきた生徒もいます。
注目を集めているのは「高校生レストラン」です。まごころきっちんという名前のレストランで、運営、調理、サービスなどを生徒が中心となって行っています。年中運営しているわけではなく、決められた時期の週末に営業しており、レストランの隣には製菓部が運営するスイーツ店「Cherie」も!私が行った日は予約で満席、なんと三笠市長が訪問され、生徒の作った食事を召し上がっていました。
まごころレストランのメニューは1つのみ!その名も「青春御膳」!今回は「るもいコラボフェア」として、留萌産のタコを作った「たこ飯」と「たこのやわらか煮」がメインです。他にも留萌産のミニトマトやきゅうり、三笠産の生きくらげや玉ねぎを使ったメニューなど、豪華ラインナップ!デザートには三笠メロンまで!
調理部のメンバーが厨房で調理をしている姿も見ることができます。先生曰く「青春御膳は料理の基本である、焼く、煮る、蒸す、揚げるなど全ての調理方法を使っている」そうです。待っている間は接客スタッフをしている生徒から、学校や食材について話を聞きました。「これ、僕が育てた野菜が使われているんです!」と笑顔で話してくれたのが印象に残っています。
いざ、実食!・・・んーーーー!!!!うまいっ!!!!!老舗旅館に行って、出されても何も疑問に思わないレベルで美味しかったです!大満足!生徒の想い、人生を使っていることを知った上で食べるとよりそう感じるのかもしれません。どのお店に行っても、誰がどんな思いで作ってくれているのか、全員にインタビューしたいと思わせてくれました。
製菓部:焼き菓子
ここで誤算。レストランは予約していたものの、製菓部が運営するスイーツ店は予約をしていなかったんです。完全に甘くみていました。ショートケーキやモンブランなどの生菓子は長蛇の列で即完!並んだ頃には焼き菓子のみになっていました。凄まじい人気です。その列には地域の方、家族や友人、OBOGの姿もあります。何を買うのか、と同時に、誰から買うのか、ということが「選び方」において大切なことだよなと、ここでも気付かされるわけです。
残りわずかの中で購入できたのは紅茶、バニラ、抹茶のクッキー。それぞれ形状も違います。フレーバーに合わせて丁寧に作られているのがわかりますね。お土産として家族に渡したら10分でお皿からなくなっていました。
学校訪問の最後には調理部、製菓部、そして地域連携部から1名ずつ生徒をお招きしインタビューしました。地域連携部というのはその名の通り、地域と学校を繋ぐ役割を担っています。ジェラートのお店とコラボしてフレーバーを開発したり、地元産食材を使って商品開発したりと活動内容は様々!学校に入り、何部を選ぶかによっても学べることが違います。
インタビューした3人は自衛隊のキッチンで働きたいという男子、レストランスタッフになることが決まっている男子、スイーツのお店で修行しいつか自分のお店を出したい女子と同じ学校にいながら選ぶ道はバラバラです。ただ、3人が口を揃えて言ったのは「料理や食が好きという仲間に出会えたことが1番良かった」ということ。15歳、高校1年生の時に共通項を持って入学できるのはとてもいいことですよね。
気軽に三笠に行くことは中々できませんでしたが、1日を使って得たものは多く。いくつになっても「青春を味わう」ことはできるのだと感じました。この記事を読んでいるあなたも「まごころキッチン」「Cherie」行ってみてくださいね!